配信日時 2023/01/11 08:52

「キャリアにおける意思決定」の理論(左脳編)【カレッジサプリ】

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令和5年1月11日(第3246号)


「キャリアにおける意思決定」の理論(左脳編)


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2703字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
また1件のコーチング(受けるほう)でした。

論文が終わって、
何かずっと残っていた心の重りが、
少しだけ軽くなった気がしています。

まだやり残した後悔という
重りの余韻が残っていますが、、、汗


とはいえ、
ここからようやく2023年の始まり。
お仕事も始動していきたいと思います。



さて、本日のお話です。

終わりは始まりでもあり、
3月5日にキャリアコンサルタントの試験があります。

ゆえに、関連する教科書を、
ゆるゆると開いては閉じております。

色々疲れたので、
本当はやりたくないのですが
(じゃあなんで申し込んだんだ、という話ですがw)

勢いで申し込んでしまったので、
やらざるを得ません。

スクールはいかず
完全独学でやっていくので、
本当に”ただの勢い”です。

とりあえず、やれるところまで
頑張ってみたいと思います。



さて、そんな中で、本日は
キャリアについて学んだことを一つ、
皆様にご紹介させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは



【「キャリアにおける意思決定」の理論(左脳編)】



それでは、どうぞ。



■就職、転職。

あるいは独立・起業。

、、、


そんな風に皆様も

「キャリアにおける意思決定」

をこれまでの歩みの中で
ご経験されてきたのでは、

と思います。


人生は「意思決定」の連続ですからね。



■そんな「意思決定」について

ジェラット(Hary B. Gelatt)という
キャリアの研究者がいます。

1960年代から、
今日に至るまでキャリアにおける意思決定の
研究をしてきました。


面白いのが、
半世紀以上研究する中で時代も変わり、
研究テーマが前後半でガラリと変わることです。

彼の業績は

・前半(1960年代)=
”左脳”を使った意思決定についての教育

・後半(1980年代後半から)=
”右脳”を使った意思決定についての教育

と、

論理的に意思決定を行っていく(左脳)、

から

不確実性が高い世の中で
直感的に決めていく(右脳)、

へ焦点が変わっていきます。

(まさに、時代ですね)



■いずれにせよ、

その前後半で示された
「キャリアにおける意思決定」における枠組みは

今日の私達にも、
役に立つ影響をもたらしてくれている、

と言えます。



■ということで、

彼の言う「意思決定」とは何かを
早速見ていきたいと思います。


まず、経済学・数学における
「意思決定(decision-making)」研究の結果では
以下の5つのステップが仮定されています。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<意思決定の5つのステップ>

1,目標をはっきりと定義する

2,情報を集める

3,情報の関連性を分析する

4,可能な選択肢を分析する

5,それぞれの選択肢の結果を評価する

※渡辺三枝子(編著). (2018).『新版 キャリアの心理学[第2版] キャリア支援への発達的アプローチ』. ナカニシヤ出版 p.113
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


、、、なるほど。

言われてみれば、
たしかにそうですね。

私たちは意思決定をするときに
上記のような考えに基づいて行っている
というのは肌感覚としてわかります。



■そしてこれをジェラットは

彼の前半の理論として
以下の4つ枠組みで紹介しています。

ちょっと情報が多いですので、
サラリとお読みいただければと思います。


(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ジェラットの前期理論(Gelatt, 1962)>


(1)予測システムと価値システム

人は、以下の3つのステージで
意思決定を行うとされている。

○ステージ1:
・個人は「予測システム」において
 選択肢それぞれがもたらす結果の起こりうる可能性を判断する。

○ステージ2:
・その後「価値システム」において、
 各選択肢の結果の好ましさを判断する。
  
○ステージ3:
・この2つのシステムから、「決定基準」ができあがる



(2)ジェラットの前期理論1 主観的可能性

・ステージ2「価値システム」において人間が陥りやすい”誤り”がある。

・それは「主観的可能性が採用されやすい」ということである。

・人は思い込みで、自分には無理だ、と考えていた選択肢を避けてしまうことがある。
 しかし、それらの主観的な思い込みに気づくと、可能性や選択肢が広がることがある。



(3)探索的決定と最終的決定

・「最終的決定」は、キャリアを確定する際の決定のこと。
 「探索的決定」は、それまでに行う種々の決定のことである。
 
・探索的決定から、最終的な決定まで
 どのようにスムーズに行えるのか、そのためにどう援助できるかが
 ポイントになるとジェラットは考えた。



(4)ジェラットの前期理論2 連続的意思決定システム

・人が「意思決定を行う際のガイダンス」として、
 以下のような内容を提唱した。
 
・1,情報収集を行わせる
 2,意思決定の時期を捉えさせる
 3,人が陥りやすい誤りに注意させる
  (正確に選択肢の可能性を評価できない/ありえる選択肢を網羅できない/見えているものしか認識できない)
 4,眼前の決定が目標を促進させることを理解させる
 5,連続的意思決定のプロセスを理解させる
  (全選択肢に気づく/十分な情報を得る/情報の関連性と信頼性を検討する/価値システムから、結果を評価する)
 6,実行ガイダンスを評価する
 
※渡辺三枝子(編著). (2018).『新版 キャリアの心理学[第2版] キャリア支援への発達的アプローチ』. ナカニシヤ出版 p.113~118

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。



■文字数が多く恐縮ですが、

一つずつ見てみると
そうだよなあ、と思います。


特に

「人が陥りやすい誤り」

なんてまさにそう。


人は自分のことは見えず、
また思い込みにも囚われやすい。

頭の中で、

「選択肢を色々広げて
 それから決定したほうが良さそう」

と思っていても、結局
偏った判断をしてしまうのですよね。。。

(それで何度痛い思いをしたことか汗)



■もちろん、

選択肢を並べずに行った判断が
直感的に正しいこともありますが、

このように

1,選択肢を並べる
2,検討する
3,決定する

ことができたとしたら、
その納得度は更に高まりそう、

とも言えるかもしれません。

そういった意味で、上記で記した

「連続的意思決定のプロセス」などは
他者が誰かのキャリアの相談を受ける上で
有用である支援の枠組みとも言えそうです。



■、、、と、
理屈としてはそうかもしれません。

「じゃあ本当に
 選択肢を並べられるのか?」

「こんなに世の中変わってるのに
 それで意思決定、できるの?」
  
というと、

キャリアについては
なかなかそうもいかなさそう、

という感覚もします。



そこで興味深いことに、

ジェラットは1980年代の終わりには
その方向性をガラリと変えます。

それが「右脳」優位の考え方なのです。


このお話は長くなりましたので
明日に続けたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

人間というものは、
わが身のことになれば己を甘やかし、
たやすく騙されてしまう。

マキャヴェッリ
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【編集後記】
キャリアコンサルタント試験まであと53日。

面倒くさい、ああ、面倒くさい、といいながら
キャリアの話を読むと、身近なのでなんだかんだで面白いです。
ちょっと元気になってきました。

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