配信日時 2022/12/14 08:55

クラムチャウダー屋のエピソードと、ある飲食店の業績【カレッジサプリ】

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令和4年12月14日(第3219号)


クラムチャウダー屋のエピソードと、ある飲食店の業績


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1776字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は1件のアポイントでした。

飲食出身の人事の方と
「成果だけをみてはいけないよね」
というテーマで話をした内容が
改めて大切だな、などと思ったのでした。

、、、ということで本日は
そんなお話と私の好きな『7つの習慣』を絡めて
思うところをお伝えできればと思います。

それでは早速まいりましょう!


タイトルは


【クラムチャウダー屋のエピソードと、ある飲食店の業績】


それでは、どうぞ。



■あるホテルチェーンの人事の方と

”サービス業のあるべき姿”

のようなテーマで
お話をしていました。

曰く

「ホテルはサービス業とは、
 基本目に見えないものを売るので
 嘘をつこうと思えばつけるんです」
  
「でも、それをやると
 長期的にはうまくいかない。
 
 出る出る!といってでない
 パチンコ屋が流行らない、
 みたいなものかもしれません(笑)」

とのこと。



■確かに、、、。

なんだかわかる気がしますね、
ということで、

上記に話に通ずる話で、
ビジネス書のベストセラーの

『7つの習慣』

の中で紹介される
ある比喩的な話を思い出しました。
「クラムチャウダーのレストランの話」です。

以下、引用いたします。


(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あるレストランの話をしよう。

そこのクラムチャウダーは絶品で、
ランチタイムは毎日満席になった。

しばらくしてレストランは売却された。

新しいオーナーは
黄金の卵(=成果)にしか眼中になく、
チャウダーの具を減らして出すことにした。

最初の一ヶ月は、コストは下がり、
売上は変わらなかったから、利益は増えた。

ところが徐々に顧客が離れていった。

評判が落ち、売上は減る一方だった。

新しいオーナーは挽回しようと必死だったが、
顧客の信頼を裏切ったツケは大きかった。

固定客という資産を失ってしまったのである。
黄金の卵を生むガチョウ(=成果を生み出す能力)がいなくなったのだ。


※スティーブン・R・コヴィー(2016)『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』
 キングベアー出版、P80-81 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)


とのこと。

つまり、

・黄金の卵
 = 成果(Production)

・黄金の卵を生み出すガチョウ
 = 成果を生み出す能力(Production Capability)

のバランス(P/PCバランス)を
取ることが、

中長期的に発展するために
大切なことである、

というメタファーです。



■そして
「こんな話を思い出しますね」

とその人事の方にお伝えしたところ、
こんな風に返ってきました。


「そういえば、思い出しましたが、

 以前、自分が飲食部門にいたとき、
 ウチの店舗が回転率をあげようとして
 テーブルの間を狭くした時期がありました。
 
 すると、最初はよかったのですが
 お客さんも従業員も疲弊しました。
  
 、、、そこで、方向を変えて、
 客席を「1.5倍」のスペースにして、
 ゆったりと過ごせるようにしました。
 
 そうしたら客単価が1.5倍にあがった、
 という経験があります」
 

、、、とのこと。

ちなみに、
このお店は誰もが知る
有名なチェーンです。



■まさにクラムチャウダーの
エピソードを地で行くような話です。


「現実は小説より奇なり」

というのか、はたまた

一つの客単価向上のための戦略が
ハマった例というべきかはわかりませんが


”成果だけ”を見ても
 長い目ではうまくいかない、


というのは教訓として
改めて考えさせられるものです。



■多くの場合、

モノを売ったり買ったりする時
(特にサービス業はそうですが)

「情報の非対称性」

を元に、
相手が知らないのを良いことに

・相場はこのくらいですよ、とか
・◯◯県産の食材しか使ってません、
・奇跡的にはいったレアものです

と語って売ることも可能です。


ただ、そうした偽りは
どこか透けて見える意図も
なきにしもあらず。


少なくとも長く関わり続けると
「なんかこの店(この人)違うな」
と感じて、少しずつ足が遠くものです。



■短期だけではなく、
中長期的に成果を出すためには、

成果だけではなく
成果を生み出す能力にも
注力すること。


自分だけではなく
お客様、従業員、取引先も含めて
豊かになれるような仕組みを考えること。

近江商人の
「三方良し」の発想は
やはりとても大事なのだろうな、

そんな事を考えさせられた次第です。



■ということで、
今日は久しぶりに「7つの習慣」の
お話をさせていただきました。


理論も説得力がありますが
クラムチャウダーのような比喩的な物語も
わかりやすいものですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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<本日の名言>

ビジネスの唯一の目的は、
顧客を見つけ、手放さないことである。

マーク・ビクター・ハンセン(米国の作家)
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【編集後記】
抽象度が高い話は教訓が多いです。
ただそれだけでもよくないので
具体と抽象、科学と物語を往還できる力が
大切だな、と思いました。


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