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令和4年12月14日(第3219号)
クラムチャウダー屋のエピソードと、ある飲食店の業績
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1776字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は1件のアポイントでした。
飲食出身の人事の方と
「成果だけをみてはいけないよね」
というテーマで話をした内容が
改めて大切だな、などと思ったのでした。
、、、ということで本日は
そんなお話と私の好きな『7つの習慣』を絡めて
思うところをお伝えできればと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【クラムチャウダー屋のエピソードと、ある飲食店の業績】
それでは、どうぞ。
■あるホテルチェーンの人事の方と
”サービス業のあるべき姿”
のようなテーマで
お話をしていました。
曰く
「ホテルはサービス業とは、
基本目に見えないものを売るので
嘘をつこうと思えばつけるんです」
「でも、それをやると
長期的にはうまくいかない。
出る出る!といってでない
パチンコ屋が流行らない、
みたいなものかもしれません(笑)」
とのこと。
■確かに、、、。
なんだかわかる気がしますね、
ということで、
上記に話に通ずる話で、
ビジネス書のベストセラーの
『7つの習慣』
の中で紹介される
ある比喩的な話を思い出しました。
「クラムチャウダーのレストランの話」です。
以下、引用いたします。
(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あるレストランの話をしよう。
そこのクラムチャウダーは絶品で、
ランチタイムは毎日満席になった。
しばらくしてレストランは売却された。
新しいオーナーは
黄金の卵(=成果)にしか眼中になく、
チャウダーの具を減らして出すことにした。
最初の一ヶ月は、コストは下がり、
売上は変わらなかったから、利益は増えた。
ところが徐々に顧客が離れていった。
評判が落ち、売上は減る一方だった。
新しいオーナーは挽回しようと必死だったが、
顧客の信頼を裏切ったツケは大きかった。
固定客という資産を失ってしまったのである。
黄金の卵を生むガチョウ(=成果を生み出す能力)がいなくなったのだ。
※スティーブン・R・コヴィー(2016)『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』
キングベアー出版、P80-81
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
とのこと。
つまり、
・黄金の卵
= 成果(Production)
・黄金の卵を生み出すガチョウ
= 成果を生み出す能力(Production Capability)
のバランス(P/PCバランス)を
取ることが、
中長期的に発展するために
大切なことである、
というメタファーです。
■そして
「こんな話を思い出しますね」
とその人事の方にお伝えしたところ、
こんな風に返ってきました。
「そういえば、思い出しましたが、
以前、自分が飲食部門にいたとき、
ウチの店舗が回転率をあげようとして
テーブルの間を狭くした時期がありました。
すると、最初はよかったのですが
お客さんも従業員も疲弊しました。
、、、そこで、方向を変えて、
客席を「1.5倍」のスペースにして、
ゆったりと過ごせるようにしました。
そうしたら客単価が1.5倍にあがった、
という経験があります」
、、、とのこと。
ちなみに、
このお店は誰もが知る
有名なチェーンです。
■まさにクラムチャウダーの
エピソードを地で行くような話です。
「現実は小説より奇なり」
というのか、はたまた
一つの客単価向上のための戦略が
ハマった例というべきかはわかりませんが
”成果だけ”を見ても
長い目ではうまくいかない、
というのは教訓として
改めて考えさせられるものです。
■多くの場合、
モノを売ったり買ったりする時
(特にサービス業はそうですが)
「情報の非対称性」
を元に、
相手が知らないのを良いことに
・相場はこのくらいですよ、とか
・◯◯県産の食材しか使ってません、
・奇跡的にはいったレアものです
と語って売ることも可能です。
ただ、そうした偽りは
どこか透けて見える意図も
なきにしもあらず。
少なくとも長く関わり続けると
「なんかこの店(この人)違うな」
と感じて、少しずつ足が遠くものです。
■短期だけではなく、
中長期的に成果を出すためには、
成果だけではなく
成果を生み出す能力にも
注力すること。
自分だけではなく
お客様、従業員、取引先も含めて
豊かになれるような仕組みを考えること。
近江商人の
「三方良し」の発想は
やはりとても大事なのだろうな、
そんな事を考えさせられた次第です。
■ということで、
今日は久しぶりに「7つの習慣」の
お話をさせていただきました。
理論も説得力がありますが
クラムチャウダーのような比喩的な物語も
わかりやすいものですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
ビジネスの唯一の目的は、
顧客を見つけ、手放さないことである。
マーク・ビクター・ハンセン(米国の作家)
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【編集後記】
抽象度が高い話は教訓が多いです。
ただそれだけでもよくないので
具体と抽象、科学と物語を往還できる力が
大切だな、と思いました。
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