配信日時 2022/11/18 18:00

「内なる声」と幸福度と中村天風【カレッジサプリ】

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令和4年11月18日(第3193号)


「内なる声」と幸福度と中村天風


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2238字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日も引き続きマネジャー向けの
オンライン研修の実施。

その他2件のアポイント。
また夜は12キロのランニングでした。



さて、本日のお話です。

聞くことの大切さを語る

『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』
ケイト・マーフィ (著)
https://amzn.asia/d/dZtPclW

という本があります



今日はその書籍の中で

”対話における
 「自分の内なる声」の影響”
 
についてのお話を紹介させていただきつつ、
学びと気づきをご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、



【 「内なる声」と幸福度と中村天風  】



それでは、どうぞ。



■「内なる声」。

一体これは何を意味するのか?

早速ですが、書籍から
以下引用させていただきます


(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

だれの頭の中にも、内なる声があります。

実は私たちは、常に心の中に
ひとりごとを話しています。

話題は、日常的なことから
重大になりそうなことまで、
さまざまです。

(中略)

心の中の声は、
勇気づけてくれるときもあれば、
辛辣なときもあり、

また優しいときもあれば批判的なときもあり、
褒めてくれるときもあれば、
けなしてくるときもあります。

※ケイト・マーフィ (2021)『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』(P220)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

とのこと。



■私たちは、

実際に口に出していなくても、
頭の中でもう一人の自分、
あるいはイメージした他者と話をしています。

その中で響く声が

「内なる声」

というわけです。

誰もが納得できるお話かと思います。



■ちなみに、
この「内なる声」ですが、
私達に様々な影響を与えているそうです。

例えば、

・認知力を必要とする作業の
 成績の高さとつながっている

という研究の示唆もあり、
(=頭の中で多面的に議論できたり、
  思いつく解決策も多くなるため)

また、

・積極的に子育てに関与する親がいる場合、
 社会経済的地位が高い親の場合、
 内なる声(内言)はより知的になる

一方、

・ネグレクトや話を聞く機会が限定されている場合
 内言の発達が妨げられる、

との研究もあるそうです。



■そんな我々の知性に影響を与える
「内なる声(内言)」ですが、

その内なる声には
様々なバリエーションがあります。


例えば、何かがあったときに、

「あの人たちは、みんな
 自分を攻撃しようと思っている」
  
と否定的な内言もあります。

一方、

「あの出来事は傷ついたよね。
 でもあの人たちは傷つけるつもりは
 なかったのかもしれないよね?」
 
という癒やしの内言もあります。


それによってその言葉による
自分の気持ちにも変化が起こります。



「失敗したけど、よく頑張ったよね」なのか
「私はダメな人間だ」なのか、、、

感情・行動にも影響を与えそうなのは
なんとなく想像できるのではないでしょうか。




■そして、同書によると、

「内なる声」の特徴として
以下のべておりました。


1)内なる声は、あなたが人のよい点を見るか悪い点を見るか、
  自分のよい点を見るか、悪い点をみるかという
  自分のあり方にも影響を与える
 
2)しかし、多くの人が「自分に批判的な内なる声」を持ちがちである。
  なぜならば人間は生来、問題解決をしたがる性分であるため、
  自分の中の問題に考えがいってしまい、直さなくてもよいものに固執してしまう。
 
3)その場合、自分を見下す内なる声を
 「セラピストのような声に置き換える」ことがお勧めである。
 これが”認知行動療法”のアプローチである。
  それによって、ウェルビーイングの感覚が促進されることが証明されている。
 
 

、、、なるほど。

・内なる声は自分の「あり方」に影響を与える。

・一方、「批判的な内なる声」のほうが想起されやすい

・そうした内なる声を、自分にとって望ましい声に
 置き換えることがウェルビーイングにつながる

わけですね。



■そしてこの一連の話を読みつつ、
あるお話を連想しておりました。


それは、個人的に好きである哲学者
「中村天風氏」のお話です。

ちなみに中村天風氏は、
稲盛和夫氏、松下幸之助氏はじめ
著名な方々師事した哲学者として有名な人です。

そんな天風氏は、

「積極的精神」

の大切さを説きました。



曰く、日常の心がけとして
以下のようなことが述べています。


・”困った、弱った、情けない、悲しい
 腹が立つ、助けてくれ、どうにもならない、
 消極的な言葉は絶対に口にしないこと”

・心が積極的か、消極的か、常に客観的に検討し、
 少しでも消極的なものは追い出す。
 
・他からの暗示事項を常に分析し
 積極的なものは取り入れ、消極的なものは拒否する”
 
などなど。


なぜこのように言うかというと、要は、

”ネガティブな言葉や思想を口にしていると
 心の中の言葉のツボが泥水のように濁る。
 
 そうするといざ口に出る言葉も
 泥水のようなものになって、
 それは良い結果につながらない。
 
 ゆえに、自分の思考と言葉を管理せよ”

というように私は理解しております。



■そして、先述の
「内なる声」の影響のお話とつなげると

積極的な言葉を選ぶというのは


『内なる声を肯定的なものへ
 マネジメントする』


と同様のことではないか、
と私は感じました。



■目に見えずとも

内なる声の影響は、
認知力だけではなく

自分の「ウェルビーイング」にも
大いなる影響を与えるもの。


ふと湧いてくる言葉も

自他ともに批判的ではなく、
肯定的に捉えられるように管理すること。

そこには選択の自由があります。


内なる声を分析・検討し
望ましいものを選択すること。

このことは自らの幸福にとって
改めて大事なことなのだな、、、

そんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

悲観主義者はあらゆる機会の中に問題を見出す。
楽観主義者はあらゆる問題の中に機会を見出す。

ウィストン・チャーチル(イギリスの政治家)
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【編集後記】
もちろん泣きながら積極的な言葉を出すまで、
強引に自分の内なる声を統制する必要ないと思いますが、
少なくとも心がけとして持っておくと、ずいぶん気持ちが楽になるように思います。

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