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令和4年11月17日(第3192号)
「私には経験がない」を乗り越える
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1775字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は午前と午後、
2社へのマネジャー向け研修の実施でした。
今週は研修実施が集中している週で
こういった機会をいただけること、
実にありがたい限りだな、と思います。
*
さて、本日のお話です。
研修を行っていて
しばしばふとよぎる不安があります。
「自分には経験がないが
お伝えする資格があるだろうか」
というふとした思いです。
そして、同じように
ある企業のマネジャーの方から
「メンバーの方が
専門知識もあって、
自分がキャリアの相談に乗れるか不安」
という相談を聞いたことがあります。
今日はこの
”自分の経験がないことによる不安”
をどのように取り扱うのかについて、
ある先輩経営者から
示唆に富むお話を聞きましたので
今日はそのお話を
お伝えさせていただければと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは
【「私には経験がない」を乗り越える】
それでは、どうぞ。
■「自分が経験したこと」には、
持論が生まれ、自信も生まれます。
それが正しいか
正しくないかはわからないにせよ
葛藤し、辛酸をなめて
何かしら自分なりの答えを見出した過程自体が、
言葉に力を宿します。
■一方、
”経験がないこと”
はその分野について語ることを
抑制するような働きがあります。
だって、経験していない、わけですから。
*
私も人材開発という領域にいながら、
しばしば感じます。
研修参加者の中、
コーチングの対象者の中には、
いろんな人がいます。
たとえば
・熟練した経営者、
・多くの苦難を乗り越えられたマネジャー
・キャリアも長く歩まれている成熟したシニアの方
などなど。
その方々のご経歴、つまり
”経験されてきたこと”
に思いを馳せると、
尊重・尊敬の念が生まれると共に、
「この方々に自分の”経験”から
マネジメントやコーチングをテーマに
伝える資格があるのだろうか・・・」
という一抹の懸念が
よぎることがありました。
■私の中には、
「自分が経験をしたことでなければ
相手に伝える資格がない」
という無意識の前提があり、
それを払拭することが
なかなかに難しい、、、
ということがありました。
■この心情について、
お慕いするとある元経営者の方に
会食の場で話す機会がありました。
そうしたところ、
こんな言葉を頂きました。
「もし経営者に対して、
”その人以上に経験がある人でなければ
教えられない”
となると、
突き詰めていくと
経営者に教育できるのは
孫さんや稲森さんだけになっちゃいますよね」
でも、
実際はそうじゃない人がマネジャー教育やら
エグゼクティブ向けにやっていますよね
ま、そういうものかもしれませんね
、、、
そんな何気ないお話でした。
■確かに、言われてみれば
そのとおりです。
もちろん経験があるに
越したことはありません。
”経験がないから自信がない”
というのは、
当人にとっての事実ではありますが
同時に成果に影響を与える
一つの要因にすぎない、
とも言えます。
■例えばこんな話もあります。
エグゼクティブ・コーチングの研究で
”効果を出すコーチの条件”として
以下の2パターンがあるそうです
1)その業界におけるマネジメント経験者
2)または、心理学的な知識を持つ専門家
とされています。
すなわち
「バリバリの経験者」というパターンと
「違う角度の専門家」というパターンがある
ということで、
経験以外の価値提供に仕方がある、
ということです。
■あるいは、
私の個人的思い出で、
こんなエピソードもありました。
紀藤が大学生の時に
北海道の帯広で住み込みバイト
(じゃがいもの収穫を手伝うお仕事)で
そこにいた監督係のS先輩(当時25歳)が、
現地の農家の経営者の方(50歳くらい)に
色々とマネジメント等について
アドバイスをしていました。
その姿を見て、私は
「年の差とか、経験の違いとかあるのに
よく色々伝えられますよね?」
というと、S先輩は
「農家さんのほうが
詳しいことはたくさんあるけど、
”自分が伝えられることもある”
という自信があるからかもね」
といっていました。
つまり、同じ経験をせずとも、
・別の知識やスキル
・別の専門性
などを磨くことで、
相手に価値を提供できるという例として
思い出したのでした。
■あらためて
「私には経験がない」
というのは
誰かに何かを伝える上での
不安材料になります。
しかし、”経験”以外の
価値の提供も可能です。
”経験はたしかにあったほうがよいが
経験していなくとも
「価値をお渡しすること」はできる”
ものです。
そのためには
・自分の専門性を磨くこと
・知識やスキルを蓄えること
など別の形の努力はもちろん必要。
しかしなにかを伝える上で
経験だけに縛られる必要はない、
そんな風にも思った次第です。
山の登り方は、1つではない。
自分に言い聞かせるように、
そう思っております。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
知識は、われわれが天に飛翔する翼である。
ウィリアム・シェイクスピア
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【編集後記】
ベランダのミニトマト。
11月中旬ですが、季節外れに咲き誇っています。
できるだけ温かい日が続いて、たくさん実をならせてほしい
と願って、毎朝水をあげております。
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