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令和４年１１月８日(第3183号）


コーチングは有効か？　ー107の論文をコーチング効果のメタ分析を行い、わかったこと－


株式会社カレッジ　紀藤康行
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（本日のお話 1546字／読了時間2分）


■おはようございます。紀藤です。

昨日は研修フォローでの
5件の個別コーチングの実施。
また夜は10キロのランニングでした。

＊

さて、本日のお話です。

コーチングの効果について
改めて調べている中で、
こんな論文に出会いました。

タイトルは、


”コーチングは有効か？組織における個人レベルの成果に対するコーチングの効果に関するメタアナリシス

Theeboom, Tim, Bianca Beersma, and Annelies E. M. van Vianen. 2014.
”Does Coaching Work? A Meta-Analysis on the Effects of Coaching on Individual Level Outcomes in an Organizational Context.”
The Journal of Positive Psychology 9 (1): 1–18.

というものです。


コーチングについて発表された
107の論文を元にして、

コーチングの効果がいかほどのものかを研究したこの論文から、
本日は学びをご共有させていただければと思います。


（ちなみに、最初に答えを言ってしまうと、

　「コーチングは有効か？　→　有効です」

　という結論です。詳しくは本文にて）


それではまいりましょう！

タイトルは



【コーチングは有効か？　ー107の論文をコーチング効果のメタ分析を行い、わかったこと－】
　


それでは、どうぞ。



■コーチングはマネジメントの手法として
人気があるもののうちの一つです。

そしてコーチングにも、

・外部専門家によるプロフェッショナル・コーチング
・上級管理職に対するエグゼクティブ・コーチング
・管理職によるマネジリアル・コーチング
・同僚によるピア・コーチング

など様々な種類があります。



■その流れも大きくなっているようす。

・2012年　国際コーチング連盟の会員数
　100カ国　20,000人を超える
　
・2022年現在は
　150カ国 50,000人以上
　
となっていること、

またコーチングの市場は
2019年時点において

・米国　約1兆6000万円（約150億ドル） 
・日本　約300億円

でした。

また米国において
428人のコーチを対象とした調査において

・1時間あたりのコーチの平均報酬は237ドル

とのことで、ビジネスとしても
一定の投資をされている現状が伺えます。



■、、、と、ここで思うわけです。

お金が動き、
それが大きくなっている中で

「果たしてコーチングは
　お金を払うに値する価値があるのか？」
　
という疑問です。


そこで、今回ご紹介の論文では、

「コーチングの効果を検証する」

ということで、
以下のプロセスで行われました。



■ざっくりとお伝えすると、

以下のステップで分析を行いました。


１，コーチング成果に関する論文を検索
　↓
２，コーチング心理学の研究分野で活躍している
　　研究者7名にコンタクトし、未発表の研究成果を回収
　（ここまでで107の論文が見つかった）
　↓
３，論文をスクリーニング。
　定量的な分析が行われなかったもの、
　内的妥当性がないものを除外した。


とのこと。

また今回の分析では

”コーチングは被コーチに対する
　正式な権限を持たないコーチ（専門コーチ）によって
　提供されたもの”

としました。

（つまり、管理職によるコーチングは除外した、ということ）
　
理由としては、

１，正式な権限がコーチングの被コーチの振る舞いに
　　影響を与える可能性があること
　　
２，今回の研究の目的は、
　　「お金を投資してコーチングを受ける価値があるのか」
　　であるため
　　
という２点です。



■そして、結果どのようなことがわかったのか？

結論として、

”「５つの個人レベルの成果カテゴリー」において、
　「有意にポジティブな効果を持つ」ことが示された”

となりました。

５つの個人レベルの成果カテゴリーは
以下の通りです。


１）パフォーマンス／スキル

２）ウェルビーイング（幸福度）

３）コーピング（対処）

４）仕事に対する姿勢

５）目標志向の自主規制


上記について、効果量0.43～0.74の
効果があることがわかりました。



■そして、興味深いのは

「コーチングのセッション回数が
　もたらす影響」
　
について調べたことです。

結果、

”コーチグセッションの回数が多くても
　必ずしもプラスの効果が強くあるとは限らない”

ことがわかりました。

とすると、ある程度短期的に実施する、
というのでもよいのかも、

という視点もありえそうです。



■ということで、本日は

コーチングの効果について
論文からのご紹介でございました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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＜本日の名言＞

成功は祝福せよ。
失敗の中にはユーモアを見出せ。

サム・ウォルトン（米国の実業家）

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【編集後記】
上手く進むときと、そうではないときが繰り返されますが、
それでもちょっとずつ歩みを進めるのが大事だと思うこの頃です。

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