配信日時 2022/11/01 09:25

「自ら成長を求める人」の特徴 ー学習目標志向性の視点よりー【カレッジサプリ】

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令和4年11月1日(第3176号)


「自ら成長を求める人」の特徴 ー学習目標志向性の視点よりー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2157字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

先日は外部顧問としてお手伝いしている
金融機関の人事の皆様へのコンサルティング。
また夜からはコーチの仲間、先輩との会食でした。



さて、本日のお話です。

よく耳にする人材課題の一つに

「自分から成長を求めない」
(=成長意欲がない)

というものがあります。

うーん、あるあるですね。

今日はこのお話について、

『人と組織の行動科学』伊達 洋駆(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4799110004/ref=cm_sw_r_tw_dp_PE48ERD0JP3CM98SNCSA』 

より引用させていただきつつ、
学びと気付きのご共有をさせていただければと思います。

それでは参りましょう!

タイトルは



【「自ら成長を求める人」の特徴 ー学習目標志向性の視点よりー】



それでは、どうぞ。



■「うちのメンバー、
 成長意欲がないんですよ」

こういった話、しばしば伺います。

もちろん、成長することが大事、
というのも一つの考えにしか過ぎず、
それがあるから偉い、なんて言うつもりはありません。


成長したければすればよいし
興味がなければ別に良いと、
個人的には思います。


■一方、よく言われますが

世の中はどんどん変わっており、
またテクノロジーにより単純作業は必要なくなっている
という流れもあります。

実際に、今の顧問先では

”事務職の方は、辞めて補充しなくなった”

といいますし、事業自体がなくなって
その後、どうなったかわからない人もいます。
(恐ろしきかな・・・)



■厳しいようですが

組織や社会に何かしらの価値を提供できなければ
自分が望ましい形での雇用や収入は
得づらくなることはあるようで

世の中の根底に流れるルールは
そんなところではないか、

と感じるこの頃でございます。

(現行では雇用保障がされているとはいえ)
淘汰の波は、いつ何時訪れるとも
わからないものです。



■とはいいつつ、

「成長には興味がない」
(ように見える)

人も存在しているようです。

その理由は不明ですが、
現実のデータとしてはこんな数字があります。

曰く

・「仕事を通じた成長が大事だと思っている人」は8割弱
・他方「過去1年で成長を実感できた人」は5割弱

そして

・「仕事を通じて成長にすることに興味のある層」は61.6%
・「仕事を通じた成長にそれほど関心がない層」は38.4%

であるそう。
(※『人と組織の行動科学』伊達 洋駆(著)P124)



■「成長は大事」とほほぼほ皆思っている。

じゃあ興味があるか、というと
そんなに興味はないという人が
4割いるわけです。

ちょっと不思議ですが、
いざ成長とか言うと大変そう、
自信がない、色々ありそうです。

ゆえに「成長に興味がない人」は
半分まではいきませんが、割と多め。
(ちなみに、日本人はアジア太平洋系の諸国と比較して、
 成長への関心も実感度合いも低いそうです)



■では、そんな中で、

とはいいつつも、
「成長をしてほしい」と願う

人・組織にかかわる人事の人、
マネジャー、経営者はどう考えればよいのでしょうか。


その中で、注目したいキーワードが

『学習目標志向性』

です。

曰く、”物事に取り組む際に自分の能力の向上を目指す態度のこと”であり、
成長を求める人、と言い換えることができます。


例えば、

「仕事で上手く言ったときはいつか?」
という設問に対して

・努力して新しい知識を得たとき
・自分が上達していることを実感できたとき
・楽しく新しいことを学んでいるとき

と答える人は”学習目標志向性が高い”と
言えるようです。(P124-125)


■そして、この
「学習目標志向性」が高いことは、

・パフォーマンスが高い
・役割における行動、役割外における行動も向上する傾向がある

・研修で学んだことを職場で活かそうとする

ことがわかっています。

ふむふむ、メリットがたくさん。



■、、、とすると、この
「学習目標志向性」をいかに高めるか?は
成長を求める人をいかに育てるか、と通ずるテーマと言えます。


では、何が学習目標志向性に影響を与えるのか。
いくつかのヒントについて、以下ご紹介いたします。


(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【学習目標志向性に影響を与える要素】

<1)能力観>
・「人の能力は高めていける」という能力観を持つ人と
 「人の能力は変わらない」という能力観を持つ人がいます。
 前者の方は、学習目標志向性が高く
 後者の方は、学習目標志向性が低い傾向があります。

<2)知識獲得スピード>
・何かを経験した際に「学習はすぐに起こる」
 (その場ですぐに理解できなければアウト)とする人は
 学習目標志向性が低いそう。
 
<3)評価へのおそれ>
・ネガティブな評価を恐れる人ほど、
 学習目標指向性が低くなる傾向があります。
<4)自己効力感>
・「特定の行動を遂行する自信のこと」を意味します。
 興味深いことに
 自己効力感が”低く”、学習目標志向性が”高い”と、
 努力を惜しまない傾向があるそう。(自信がないから努力する)
 
<5)フィードバック>
・耳の痛いフィードバックを受けるのは誰もがイヤです。
 学習目標志向性が高い人も同じで、「受けた直後は”役に立たない”」と答えます。
 しかし1ヶ月すると、「役に立った」と答える傾向があるそう

※伊達 洋駆(2022)『人と組織の行動科学』 P125-126
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。


■なるほど。興味深いです。

学習目標志向性は
個人に属する性質であり、

その人がこれまで培ってきたものや
パーソナリティの影響もあるのでしょう。

ゆえに変えられるものもあれば
容易に変えられないものもありそうです。


■一方、

「能力感」や「評価へのおそれ」、
「知識獲得スピード」などについても、

周りからの新たな情報を踏まえ、
自分の認識を改める機会があれば、
変わりうる可能性もありうる、とも考えられます。



■てこでも変わらないぞ!

という人は、残念ながら
諦める(そうであると明らかに認める)
ということで

自己責任なのでお好きにしてください、
とならざるをえないのかも知れませんし

投資対効果を考えて、
教育の対象者の優先順位を定める必要も
もちろんあるかと思います。


■結局は本人依存は多いとしても
こうしたことについて真面目に話し合ってみることで

考えるきっかけにはなるだろうし、
ひいては変わるきっかけにもなりうるのかも、

そんなことを感じた次第でございます。

ご参考になれば幸いです。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

ゆうゆうと焦らずに歩む者にとって長すぎる道はない。
辛抱強く準備する者にとって遠すぎる利益はない。

ラ・ブリュイエール(フランスの思想家)

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【編集後記】
最近、腰痛対策として体幹トレーニング&開脚ストレッチを開始しました。
直ぐに効果が出るわけではないのですが、辞めるとその意味を痛感するものです。
コツコツ続けたいと思います。

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