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令和4年11月1日(第3176号)
「自ら成長を求める人」の特徴 ー学習目標志向性の視点よりー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2157字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
先日は外部顧問としてお手伝いしている
金融機関の人事の皆様へのコンサルティング。
また夜からはコーチの仲間、先輩との会食でした。
*
さて、本日のお話です。
よく耳にする人材課題の一つに
「自分から成長を求めない」
(=成長意欲がない)
というものがあります。
うーん、あるあるですね。
今日はこのお話について、
『人と組織の行動科学』伊達 洋駆(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4799110004/ref=cm_sw_r_tw_dp_PE48ERD0JP3CM98SNCSA』
より引用させていただきつつ、
学びと気付きのご共有をさせていただければと思います。
それでは参りましょう!
タイトルは
【「自ら成長を求める人」の特徴 ー学習目標志向性の視点よりー】
それでは、どうぞ。
■「うちのメンバー、
成長意欲がないんですよ」
こういった話、しばしば伺います。
もちろん、成長することが大事、
というのも一つの考えにしか過ぎず、
それがあるから偉い、なんて言うつもりはありません。
成長したければすればよいし
興味がなければ別に良いと、
個人的には思います。
■一方、よく言われますが
世の中はどんどん変わっており、
またテクノロジーにより単純作業は必要なくなっている
という流れもあります。
実際に、今の顧問先では
”事務職の方は、辞めて補充しなくなった”
といいますし、事業自体がなくなって
その後、どうなったかわからない人もいます。
(恐ろしきかな・・・)
■厳しいようですが
組織や社会に何かしらの価値を提供できなければ
自分が望ましい形での雇用や収入は
得づらくなることはあるようで
世の中の根底に流れるルールは
そんなところではないか、
と感じるこの頃でございます。
(現行では雇用保障がされているとはいえ)
淘汰の波は、いつ何時訪れるとも
わからないものです。
■とはいいつつ、
「成長には興味がない」
(ように見える)
人も存在しているようです。
その理由は不明ですが、
現実のデータとしてはこんな数字があります。
曰く
・「仕事を通じた成長が大事だと思っている人」は8割弱
・他方「過去1年で成長を実感できた人」は5割弱
そして
・「仕事を通じて成長にすることに興味のある層」は61.6%
・「仕事を通じた成長にそれほど関心がない層」は38.4%
であるそう。
(※『人と組織の行動科学』伊達 洋駆(著)P124)
■「成長は大事」とほほぼほ皆思っている。
じゃあ興味があるか、というと
そんなに興味はないという人が
4割いるわけです。
ちょっと不思議ですが、
いざ成長とか言うと大変そう、
自信がない、色々ありそうです。
ゆえに「成長に興味がない人」は
半分まではいきませんが、割と多め。
(ちなみに、日本人はアジア太平洋系の諸国と比較して、
成長への関心も実感度合いも低いそうです)
■では、そんな中で、
とはいいつつも、
「成長をしてほしい」と願う
人・組織にかかわる人事の人、
マネジャー、経営者はどう考えればよいのでしょうか。
その中で、注目したいキーワードが
『学習目標志向性』
です。
曰く、”物事に取り組む際に自分の能力の向上を目指す態度のこと”であり、
成長を求める人、と言い換えることができます。
例えば、
「仕事で上手く言ったときはいつか?」
という設問に対して
・努力して新しい知識を得たとき
・自分が上達していることを実感できたとき
・楽しく新しいことを学んでいるとき
と答える人は”学習目標志向性が高い”と
言えるようです。(P124-125)
■そして、この
「学習目標志向性」が高いことは、
・パフォーマンスが高い
・役割における行動、役割外における行動も向上する傾向がある
・研修で学んだことを職場で活かそうとする
ことがわかっています。
ふむふむ、メリットがたくさん。
■、、、とすると、この
「学習目標志向性」をいかに高めるか?は
成長を求める人をいかに育てるか、と通ずるテーマと言えます。
では、何が学習目標志向性に影響を与えるのか。
いくつかのヒントについて、以下ご紹介いたします。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【学習目標志向性に影響を与える要素】
<1)能力観>
・「人の能力は高めていける」という能力観を持つ人と
「人の能力は変わらない」という能力観を持つ人がいます。
前者の方は、学習目標志向性が高く
後者の方は、学習目標志向性が低い傾向があります。
<2)知識獲得スピード>
・何かを経験した際に「学習はすぐに起こる」
(その場ですぐに理解できなければアウト)とする人は
学習目標志向性が低いそう。
<3)評価へのおそれ>
・ネガティブな評価を恐れる人ほど、
学習目標指向性が低くなる傾向があります。
<4)自己効力感>
・「特定の行動を遂行する自信のこと」を意味します。
興味深いことに
自己効力感が”低く”、学習目標志向性が”高い”と、
努力を惜しまない傾向があるそう。(自信がないから努力する)
<5)フィードバック>
・耳の痛いフィードバックを受けるのは誰もがイヤです。
学習目標志向性が高い人も同じで、「受けた直後は”役に立たない”」と答えます。
しかし1ヶ月すると、「役に立った」と答える傾向があるそう
※伊達 洋駆(2022)『人と組織の行動科学』 P125-126
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど。興味深いです。
学習目標志向性は
個人に属する性質であり、
その人がこれまで培ってきたものや
パーソナリティの影響もあるのでしょう。
ゆえに変えられるものもあれば
容易に変えられないものもありそうです。
■一方、
「能力感」や「評価へのおそれ」、
「知識獲得スピード」などについても、
周りからの新たな情報を踏まえ、
自分の認識を改める機会があれば、
変わりうる可能性もありうる、とも考えられます。
■てこでも変わらないぞ!
という人は、残念ながら
諦める(そうであると明らかに認める)
ということで
自己責任なのでお好きにしてください、
とならざるをえないのかも知れませんし
投資対効果を考えて、
教育の対象者の優先順位を定める必要も
もちろんあるかと思います。
■結局は本人依存は多いとしても
こうしたことについて真面目に話し合ってみることで
考えるきっかけにはなるだろうし、
ひいては変わるきっかけにもなりうるのかも、
そんなことを感じた次第でございます。
ご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
ゆうゆうと焦らずに歩む者にとって長すぎる道はない。
辛抱強く準備する者にとって遠すぎる利益はない。
ラ・ブリュイエール(フランスの思想家)
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【編集後記】
最近、腰痛対策として体幹トレーニング&開脚ストレッチを開始しました。
直ぐに効果が出るわけではないのですが、辞めるとその意味を痛感するものです。
コツコツ続けたいと思います。
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