配信日時 2022/10/24 20:38

研究の心得 ー「その研究で何を明らかにしたいのか」を机に貼っておく【カレッジサプリ】

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令和4年10月24日(第3168号)


研究の心得 ー「その研究で何を明らかにしたいのか」を机に貼っておく


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1857字/読了時間2分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日日曜日は、朝から大学院メンバーと
10キロのランニング。

その後、茨城の実家兼
リモートワークスペースに移動し、
午後は大学院の課題などを行っておりました。



さて、本日のお話です。

現在、論文を進めるにあたって
「質的研究法」なるものの準備をしております。

今日はその過程の中での気付きについて
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう。

タイトルは



【 研究の心得 ー「その研究で何を明らかにしたいのか」を机に貼っておく】



それでは、どうぞ。



■研究の調査には

「量的調査」と「質的調査」

の2種類があります。



統計データ、アンケートなどの
定量データを使い結果を分析するものが量的調査。

少人数のケーススタディ等
インタビューなどの定性データを元に
結果を分析するのが質的調査、
厳密に言うと、違うものもあるのですが
”一般的なイメージ”としては概ねそのようです。
 


■その違いについて、
このように表現されている書籍がありました。

**

”料理でたとえるならば、
 レシピのマニュアル通りに作るのが量的研究、
 
 おおよその材料だけ揃えて
 味見をしながら作るのが質的研究、
 
 ということになるかもしれない。

 量的研究では、誰が作っても一律においしくなるように、
 包丁の研ぎ方から落とし蓋をするタイミングまで、
 すべてのレシピがマニュアル化される。
 
 一方の質的研究では、
 材料の状態に合わせて柔軟に料理ができるように、
 調整の仕方が明文化されることが少ない。”
 
(※引用:サトウタツヤ編(2019)『質的研究マッピング』はじめにvより)

**

とのこと。



■ふむふむ、なるほど。

量的研究は大雑把な傾向をつかむ、
そういう意味で万人向けのレシピのようなもの。
一般化には向いていそう。

質的研究はレシピでは見えない行間、
ミシュラン三つ星レストランのシェフが感じる、

”素材の状態で微妙に火加減を変え、
 美味しく調理するコツ”
 
みたいな微細な部分を明らかにしようという試みである、
ということなのかも知れません。
(違ってたらゴメンナサイ)



■正直まだ自分の中で
落とし込みきれてはいないので、勉強します。

そんな研究法を学ぶ中で
研究を進める上で大切にしたいな、
と思える一文にふと出会いました。

「研究に向き合う上でのスタンス」のようなものです。


ということでその内容について
著書『ライブ講義・質的研究とは何か』西條 剛央(著)
より以下、引用させていただきます。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<リサーチクエスチョン(研究関心)を見失わない>

”研究を進めていくと、
 これもおもしろいかも、あれもおもしろそうとか、
 いろいろなことを思いつくものなんです。
 
 それはそれで意味があることなんだけど、
 一つの研究で何でもかんでもできるわけはないので、
 それはそれで今後の研究のネタとして
 メモしておけばいいわけですね。
 
 (中略)
 
 特に質的研究の場合は、
 探索的に進めていく場合が多いということもあって、
 
 分析に熱中しているうちに、
 自分が何をやっているかわからなくなってしまうということも
 よくあるんです。
 
 そうならないようにするために、
 「その研究のリサーチクエスチョン(研究関心)を
 大きく書いたものをプリントアウトして机の前に貼っておくように」
 とアドバイスすることが多いです。
 
 これはシンプルだけど、実際かなり効果があるので、
 興味が拡散して迷いやすい人にはかなりお勧めですね。
 
※引用:西條 剛央(2007)『ライブ講義・質的研究とは何か』P182

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)


■うーん、わかる、、、

今私もテーマを決めて
研究を進めております。

ただ研究を進める中で
新しい課題や、別の観点が見えて、
情報も増えて膨らんでいく中で、

「そもそもの問い」

から移ろいやすくなる危険性を
大いに感じる瞬間がありました。



■そしてそれはこれから

評価の段階に入ると、
さらに様々な物が見えてきて、
ますます迷うことが増えてくるのだろう、

と想像させられました。



■そして思うに、こういった

『そもそもの◯◯を忘れないこと』

というスタンスは、

何も研究だけではなく、
あらゆる課題解決のプロジェクトにも
同様なことが言えるのでしょう。


■情報は拡散しがちですが、
探究したいテーマを1つに絞らないと、

「一体これは何の話なのだ?」

となってしまうことは明白です。


そんなにできることは多くはないといい聞かせ、
伝えたいこと、ふかぼりたいことを
勇気を持って一つに絞る。

一つを伝えるというのは、
他のことを伝えない、ということ。


その判断は、自分しかできず、
その妥当性を証明するために
骨身を砕くのも自分しかいませんが、

覚悟を持ってしっかりと進めていきたい、
と思った(=言い聞かせた)次第でございます。

自戒を込めて。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

よくこねないと、うまいパンは食べられない。

ジャン=アントワーヌ・ド・バイフ(フランスの詩人)

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【編集後記】
先日のピアノのレッスンで、
ひじと肩の動きも意識の視野に入れて弾くと、
もっと音をクリアに出せるし疲れない、ということを聞きました。

実は同じ話を1年前も聞いて「なるほど!」といいましたが、
改めてそのことはわかってなかったと感じました。
多分、今もわかってないのでしょう。

本当に上達したときに、それが微細な身体知として
わかるようになる日が来るような気がします。

同じことを言われても、受け取り方が変わるのが、
きっと成長なのだろうなと思います。


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