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令和4年9月29日(第3143号)
「1on1ミーティング」ってなんだ ーその定義と目的、効果を整理するー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2334字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、午前中は
中堅社員向けのオンライン研修のフォロー。
その他、午後からコーチング研修の実施でした。
*
さて、本日のお話です。
コーチングのスキルが
職場で活用される機会として
「1on1ミーティング」
あるものがございます。
1on1も様々な定義がありますが
「上司と部下の対話の場」を意味します。
ただこれまた、1on1も
結構ざっくりしているため、
なんともつかみどころがない感じです、、、。
ということで
今日はこの1on1について、
どのような考え方があるのかを、
改めて整理をしてみたいと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【「1on1ミーティング」ってなんだ ーその定義と目的、効果を整理するー】
それでは、どうぞ。
■現在、1on1を仕組みとして
導入する企業も増えているようです。
その背景は、
・多様性が高まり、以前のような飲み会などで
お互いを知り合う機会が少なくなった とか
・残業への対策で
業務終了後なんとなく話をする時間が減った、とか
・リモートワークで
行間のコミュニケーションが少なくなった、
などなどの様々な要因はあるようです。
■私の知る範囲ではありますが、
「最近1on1を、会社の仕組みとして
導入し始めたんですよー」
なんて話も聞きます。
なので、やはり流れとしては
上司と部下の対話の時間を求められている、
という潮流はあるのだろう、と感じます。
(皆様の会社でも、
そうした動きがあられる方も
少なくないのでは、と思います)
■では、「1on1」とは一体何か?
GoogleScholarなどで
「1on1」と論文検索をしても、
出てくるのは、
バスケットボールの1on1についての
海外の論文がメインであり(汗)
組織の上司部下についての論文は、
ほとんど見当たりません。
あっても、ここ2~3年のものですので、
この「1on1」というものの定義や目的は、
その企業に応じて様々であることが想像されます。
■そんな中で、いくつかの
1on1について書かれた書籍において
「1on1」の定義や目的などが
どのように表現されているのか調べてみました。
そうしてみたところ、
共通点や違いが整理された気がして、
私自身、理解が深まりました。
ということで、以下一部ではありますが
ご共有させていただきます。
(ここから)
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【1on1ミーティングの定義・目的・効果のまとめ】
『ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法』(2017)
本間浩輔/著
<1on1の定義>
・”定期的に上司と部下との間で行う1対1の対話のこと”
・”ヤフーの1on1は、言わば、部下のために行う面談”(P1)
<1on1の目的>
・人材育成を効果的に行うこと
1,社員の「経験学習」を促進する
2,社員の才能と情熱を解き放つ
<1on1の効果>
1、コミュニケーションをとるきっかけになる
(※コミュニケーションとは=自分の意図が相手に伝わって、相手が意図に沿って動いてくれること)
2,相談や評価をタイムリーに受けることができる(部下視点)
3,部下の情報を得ることができる(上司の視点)
<1on1で行うこと>
・”部下の進捗を確認し、問題解決をサポートし、
最終的にはその部下の目標達成と成長の支援を行う。”(P1)
・具体的には、以下を行う。(P106-114)
1、信頼関係の構築
2、アクティブリスニング(うなづき、あいづち、繰り返し)
3、レコグニション(無条件の肯定的な配慮=相手が存在することを認める)
・また3つの働きかけを用いる。(P115ー125)
1,コーチング(引き出す=部下が自力で答えを見つけるためのサポート)
2,ティーチング(教える=知識や技術を知っている人から知らない人に教える行為)
3、フィードバック(伝える=耳の痛いことを部下にしっかりと伝え、彼らの成長を立て直す)
・実施頻度は週1回
ーーーーーーーーーーーーーーーー
『1on1 ミーティング――「対話の質」が組織の強さを決める』(2020)
本間 浩輔、吉澤 幸太/著
<1on1の定義>
・”上司と部下との間で行う1対1の対話のこと”
部下のための時間
<1on1の目的>
・以下6つの目的がある(P40-56)
1,部下との信頼関係を構築する
2,部下の経験学習を促進する
3,ホウレンソウの機会とする
4,フィードバックとそこからの学びを得る
5,部下のモチベーションを高める
6, 意志決定に必要な組織の情報を得る
<1on1の効果>
・上記に同じ
<1on1で行うこと>
上記に補足して、専門家の知見より以下ポイントがある
・上司が「聞きたいことを聞く」場ではないこと
・ディティールを聞かない(報告モードにしない)
・「評価する」から「一緒に探求する」マインドセットで関わる
・自分の成功例や正解を手放す
・テーブルの下で起こっていることを意識して見る
・経験学習サイクルを内包させる
・「強み」を活かすこと
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『シリコンバレー式最強の育て方 ー人材マネジメントの新しい常識 1ON1ミーティングー』(2017)
世古詞一/著
<1on1の定義>
・”上司と部下による1対1の定期的の対話の時間。
一般的な面談との違いは「部下のための時間」であること”(P1)
<1on1の目的>
・”部下の気持ちがすっきりしたり、納得感を持ったり、
次のチャレンジへの行動していこうとすることが最も重要なこと”
<1on1で行うこと>
・”上司は時にカウンセラーのように部下の話を聞き、
部下の状況や問題、関心事を把握します。
そして時には、その場でアドバイスをして解決することを行います”
・1on1の頻度は、最低でも月に1度
部下との関係構築ができていないうちは、月2回を推奨
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
■どの本も、
とても多くの学びが得られる本であり、
一部しか紹介ができないのが心苦しいところ。
ただ、このように見てみると、
・それぞれの共通するところ
(=部下のための時間である)
も理解できますし、
・それぞれの違うところ
(=実施の頻度、拠り所とする考え)
なども整理されるように思います。
■定義や目的というのは、
つい曖昧になりがちです。
ただそれらを
様々な先人達の知恵を
リトマス試験紙のように見てみて、
自社であれば
どのような言葉で伝えると
よりフィットして、伝わりやすいのか、
そんなことを考えることためのきっかけになる、
そんなことを思った次第でございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
来た道を振り返るという点で、人は河と違う。
セルバンテス
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【編集後記】
目にものもらいができてしまいました。
実はこういうのができるの、記憶の中で初めてかもしれません。
パソコンを見すぎているせいかな、と思ったり。
身体は大事です。
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