配信日時 2022/09/18 14:09

今週の一冊『経営戦略としての人的資本開示』【カレッジサプリ】

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令和4年9月18日(第3132号)


今週の一冊『経営戦略としての人的資本開示』


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2057字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、午前に大学院の説明会の見学、
午後からは大学院の授業でした。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『経営戦略としての人的資本開示』

一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム(編集)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B28VT794/ref=cm_sw_r_tw_dp_QZSCP0FNPDZAATDNARQF

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です。



■「人的資本経営」あるものを

メディアで耳にしたことがある方も
少なくないかと思います。

特に人事に関わる方であれば
お詳しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。



■「人的資本」というキーワードについて
国内外の動きに目を向けてみると、
このようなものがあります。

まず国内では
岸田首相が2022年1月17日の通常国会の
「新しい資本主義」の時代の幕開けを宣言しました。

そのための政策の目玉として
 
1)「人への投資」を増やすこと
2)「人的資本経営」の実践
3)「人的資本の開示」の推進

が掲げられました。


また海外では
ESG投資家から注目を集めており、

2017年、欧州連合は企業に開示義務を課し、
2020年、米国証券取引所が米国の上場企業に対する
人的資本開示ルールを30年ぶりに改定した、
とのこと。



■日本は、過去20年間の間で
時価総額トップ100に名を連ねている会社が、
次々と脱落していきました。

そしてその大きな原因の一つが

「人への投資」の不足

であることが、データからも
明らかになっており、

日本も遅れることながら、
世界の流れに対してキャッチアップしようとしている、、、

それが現在日本の置かれている状況と言えます。



■、、、と、著書より引用をさせていただきつつ、

『人的資本』

というキーワードにまつわる背景を
お伝えさせていただきました。


、、、とはいいつつ、

「人への投資が大事なのはわかったけど、
 具体的にこれまでと何が違うのか?」

「何に注目して、
 これから我々は何を求められるのだろうか?」
 
などはぼんやりしている方は
少なくないかと思います。



■その中で、本書では

これらの「人的資本の開示」にある背景について

企業経営者、人事部門、IR部門、
人的資本開示する投資家などにとって、

論理的かつ、網羅的に
わかりやすく説明してくれています。


私も同書を読みながら

・人的資本経営が注目され始めた背景

・この取組を推進している世界と日本の機関や団体

・経営者視点、投資者視点、人事視点でみた抑えるべきポイント

・人的資源管理と人的資本管理の違い

・人的資本経営における主要テーマと主要な指標
 
・企業における無形資産の考え方

・これから必要とされるHRテクノロジーの活用の必要性

、、、などなど

理解することができました。


■そして外部支援者として、

人材開発・組織開発に携わる立場としては

「これから各成果指標にどのような影響を与えたかが
 ますます求められてくるのだろう」
 
と思い

・従業員エンゲージメント
・リーダーシップの構成要素(公正さ、誠実性、一貫性)
・ダイバーシティへの影響(組織内の関係性等)

などを測る尺度を使いこなせる様になる必要性を
考えさせられましたし、

同時に、統計分析等で、
その影響度を数字として見える化していくスキルを
もっと磨いていくことが専門家としてやる上では
求められてくるのだろう、

と感じました。



■きっと、読み進める中で、

経営・人事に関わる方も、
自社や自分に必要な取り組みが
見えてくるのではないか、と思います。


ということで以下、
本書の内容の紹介になります。

(ここから)
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今日の株式市場において、ESG要素を重視する世界中の投資家は、
企業価値創造の源泉である「人的資本」への開示圧力を強めています。

そこで、本書では、ESG投資家が情報開示を切望する「人的資本」が
国内外の政治経済の動向にどのような影響を与えているかを概観し、
この動きが日本企業にとっても不可避な潮流であることを解説します。

人的資本経営におけるリーダーシップ、エンゲージメント、タレントマネジメント等の
国内外の取組み事例を引用し、体系的にわかりやすく理解できるガイドブックです。

【目次】

序 章 人的資本の開示と企業価値の向上
第1章 資本主義の大転換―人的資本が企業価値の源泉になる
第2章 人的資本開示の世界的潮流―欧州、米国、そして日本
第3章 人的資本経営の実現とHRテクノロジーの活用
第4章 会計学からのアプローチー無形資産の価値をどう捉えるか
第5章 人的資本開示分析の方法論
第6章 企業価値向上のための3つの提言
事例編 ドイツ銀行/バンク・オブ・アメリカ/スターバックスコーヒー/日立製作所/楽天グループ

※引用:Amazon本の紹介より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)


■経済産業省体された、
「人材版伊藤レポート2.0」などで、

人的資本の取り組みについて読んでみたものの、
いまいち実感が持てずに、

読み流してしまっていた私のような方にとって、
短時間でかつ、全体像がわかるありがたい著書でした。

人事にかかわる皆様に、
おすすめしたい一冊でございます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『経営戦略としての人的資本開示』

一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム(編集)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B28VT794/ref=cm_sw_r_tw_dp_QZSCP0FNPDZAATDNARQF
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【編集後記】
台風がやってきていますね。
妻の実家の茨城に帰る予定でしたが、
色々あり、延期といたしました。

この週末は、論文を書くぞ!と思いつつ、
まだ進められておりません(汗)
(この本が面白くて読んでしまってました)


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