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令和4年9月8日(第3122号)
他者に刺激を受けつつも、自分の物語を生きる
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2245字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
またコーチングの実施。
夜は、以前通っていた
英語塾の恩師を偲ぶ会でした。
当時の英語塾のメンバーの
数年間の歩みを聞きながら
実に多彩かつ幅広い挑戦と
人生の軌跡を聞いた1日で実に刺激的でした。
*
さて、本日のお話です。
「外部の人と会うこと」は
実に刺激になります。
他者と会うことで
脳内に発生するのが
良くも悪くも”比較”であり、
自分自身の能力・考え方・価値観などを省みて、
時には”揺らぎ”が生じます。
今日はそんな体験の中から思ったことについて
言葉にしつつ、気づきを共有させていただきたいと思います。
それでは、まいりましょう!
タイトルは
【他者に刺激を受けつつも、自分の物語を生きる】
それでは、どうぞ。
■毎日の生活の中で、
「良くも悪くも、
人と自分を比較する」
という心理が働く、
というのはお伝えした通り。
多分、それは私(紀藤)だけではなく、
多くの人にとっても、大なり小なりあるのでは、
と思っています。
■人と比べること
(=社会的比較、といいます)
は時に悪影響を与えるとされます。
誰かの作った基準で比較すると
上にはいくらでも上がいるわけであり
「誰かと比べて、
劣等感や優越感を感じていても、
さほどいいことはない」
というのが原則かと思います。
なのに、不思議なもので、
どこかでなんとなく比較しているという、
謎の思考が回ることもしばしば。
手放したい気もしますが、
最近は、そんなものなのかな、
とも思いつつあるこの頃。
■そしてそんなことを感じたのが、
昨日の英語塾の会合でありました。
外の世界に出ると、
時に刺激的な人に出会います
例えば、
・自分の想像を遥かに超える規模で仕事をしている
・尋常じゃなく高い志を持ち、行動をしている
・自分では取れないリスクの中で、新しい挑戦をしている
などなど。
そんな人を目の当たりにすると
自分の中で内省が起こります。
「自分は、どういった
働き方・生き方をしたいのだろうか」
「自分は、このエピソードに
なぜ憧れを感じているだろうか」
「こんな才覚は自分にないとしても、
自分はどこまで、何を目指していきたいのか」
というように。
■他者と出会うことは、
比較を生み出し、自分に揺らぎを
与えてくれます。
それは、ちょっと疲れる気もしますし
また、ネガティブな側面もあるかもしれませんが、
使いようによっては、
自分自身を再考させてくれるきっかけになる、
とも感じます。
■少し話が脇道にそれますが、
「能動的惰性」という言葉があります。
その意味は
”環境が変化しているのにもかかわらず、
過去に成功した手法に頼り、
それをさらに強化して対処しようとする性向”
とのこと。
「自分の居心地のよい世界」で生きていると、
その限定された世界の中で、自分はうまくやっていると感じがち。
でも実は”省エネ”モードで、
同じやり方をぐるぐるとやっているだけで、
外界に出てみると時代遅れのやり方だった、
なんてこともままあるものです。
それは、時に自分の未来と可能性に対して、
力を尽くしていない、ということにもなりえます。
格言を引用すると、
『人というものは、自分自身より高く、
優れた物差しや手本を見つめる心がない限り、
決して、自分を変えようなんて思いもしない』
(トライオン・エドワーズ/神学者)
ということかと。
■一方、比較による
「まだまだ感」のみにとらわれると
社会的比較の負の側面だけ現れてしまいます。
よって、
『他者から刺激を受けつつも、
自分の物語を生きる』
こと、だと思います。
誰からか刺激を受けたとしても、
現実問題、その人と自分は違います。
持っている能力も違えば、考え方や価値観も違う。
これまで数十年間生きてきた文脈も違うので、
同じような物語を生きることはできません。
格言でにいえば
『ただ自分自身であることに満足し、
比較したり競争したりすることがないのであれば、
すべての人が君を尊敬するだろう』
(老子/古代中国の思想家)
ということかと。
■これまた話が少し展開しますが
先日、自分が尊敬をしている年上の友人の方で
京セラにご縁があられた方が、こんなお話を聞かせてくれました。
先日ご逝去された
日本に多大な影響を残された稲盛さんが
語っていたというお話です。
いわく、ビジネスにおいて、
日本の歴史に残るような偉業をなされても、
稲盛さんご本人は、
「自分がたまたまこの役割を担っただけで、
別に他の人でも良かった」
と語っていたそうです。
■才覚があり、情熱もあり、
実行もできて、なおかつ成功できる人は、
ごく一部にはなるのは現実だと思います。
また現実問題、
やはり才能や能力の違いはあります。
ゆえに、それぞれの器量に基づいた
”自分の照らせる範囲”
はやはりある程度の幅はありこそすれ
人によって違っていることは否めません。
そこには違いがあり、どうしても
社会的な基準の上では、優劣がつくように見えますが、
こと「自分の中での物語」すなわち
個人のキャリアや幸福度を相対的に見る上では
いいも悪いもない、とも思えます。
大きく全体を照らせる人もあれば、
自分なりに四隅を照らす一燈照隅の人もいますが
自分なりに最大出力で
周りを照らすことを通じて、
そして以前よりも自分も周りも含めて関わる人に
より多くのプラスのものを残せるとしたら
それは一つの成功の物語と言えるのかもしれない
そんなことを思ったのでした。
■と、長々と書いてしまいましたが、
人と出会い、刺激をうけ
人と比較しつつも、人と比較しない。
そんな矛盾を抱えつつ、
高い次元で統合することが大切なのかもな、
などと思った、というお話でした。
ということで、
【他者に刺激を受けつつも、自分の物語を生きる】
ように日々歩みを重ねたい、と思った次第です。
長文、最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
人というものは、自分自身より高く、
優れた物差しや手本を見つめる心がない限り、
決して、自分を変えようなんて思いもしない。
(トライオン・エドワーズ/神学者)
ただ自分自身であることに満足し、
比較したり競争したりすることがないのであれば、
すべての人が君を尊敬するだろう
(老子/古代中国の思想家)
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【編集後記】
自分の内面を言葉にするのは、改めて難しいと感じております。
自分の中の何を切り取って、何を語るのか、何を語らないのか。
言葉にするというのは、難しいです。
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