配信日時 2022/09/02 09:41

キャリア・デザインはそこそこでよい ークランボルツ博士の語るキャリアの10の処方箋ー【カレッジサプリ】

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令和4年9月2日(第3116号)


キャリア・デザインはそこそこでよい ークランボルツ博士の語るキャリアの10の処方箋ー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2252字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
その他、研修プログラムの企画/作成。

夕方からは12キロのランニングでした。
どしゃ降りでしたが、気持ちよかったです。



さて、本日のお話です。

現在、「キャリア」について調べる中、
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『日本のキャリア研究 ー専門技能とキャリア・デザイン』
金井壽宏、鈴木竜太(著)
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という書籍を読んでおります。


その本の中で紹介されていた一節が
自分自身(紀藤)がキャリアを歩むものとして
励まされるような言葉と感じられて、感銘を受けておりました。

ということで、本日はそのお話について
皆様に学びと気づきをおすそわけさせていただければと思います。

それでは早速参りましょう!

タイトルは、



【キャリア・デザインはそこそこでよい ークランボルツ博士の語るキャリアの10の処方箋ー】



それでは、どうぞ。



■「キャリア(Career)」。

”働くことにまつわる「生き方」そのもの”

を意味します。


そもそも
「キャリア(Career)」の語源とは、

”何かを運ぶもの(Carrier)が
 通った軌跡のこと”

を意味するそうです。

たった一回かぎりの自分の人生と重なるような
自分を運ぶ馬車が進んでいるイメージ。

就職、昇進、現在の仕事など
点としての結果を表すのではなく「継続的なプロセス」、

すなわち「馬車の轍」こそが
まさにキャリアといえます。



■そして、このキャリア。

馬車が通る道なので、それなりの期間があります。
20歳前半から今風に70歳までと考えると50年。

キャリアという轍を残しつつ
この馬車が進む先には、
三叉路や四つ辻が現れたりもします。

それが
”キャリアの節目”(いわゆる転職、昇進、定年なども)
であります。

その節目をいかに乗り切るのか、という考え方を
「キャリアトランジション」と呼ばれ、

それを見越して事前にキャリアをデザインしたり、
計画をしておく考えが

「キャリアデザイン」とか
「キャリアプランニング」

といいます。



■、、、と、キャリアについて
ざっくり大枠をまとめてみましたが、
この中で興味深い考え方が紹介されていました。

それは何かというと、

「キャリア・デザインとか、
 キャリアプラニングというが、
 そんなにやらなくてもいいんじゃね?」
 
という、あるキャリア論の巨匠の話です。


キャリア・デザインとは、
自覚的にキャリアを選択すること、

キャリアプランニングとは、
さらに10年後を見越して計画することなど

立ち止まり、内省し、
選択肢を考えるイメージです。


■上記の「プランニングやらなくていいんじゃね?」は
かなり乱暴に言ってしまいましたが、

要は、

”自分のキャリアを計画するのは節目でやればよい。
 あとは偶然を活かせばよい”

ということ。

ポイントは、

”決めたら歩む事が大事であるのに、
デザインや内省ばかりしていても、何も進まない”

ことを我々は意識する事が大事、というわけです。

「イヌも歩けば棒にあたる」けれども、
「歩かなければ棒にもあたらない」。

キャリア研修をしようが、キャリアを自分で考えようが、
そこからなにかしらアクションをしないと、
何も起こることはありません。


つまり、大まかに方向を決めたら実行、実行。
まず動いてみることなのです。

大事にすべきことは

『アクション・バイアス(Action bias)』

なのではないか、

そんな風に語るのが、著者の金井教授が師事した
計画された偶然性理論のクランボルツ博士でした。



■じゃあ、

「まず動いてみる」

とは、具体的にどういう姿勢を意味するのか?

それについて、以下
クランボルツ博士が語りました。

こんなキーフレーズです。


(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<クランボルツ博士の語るキャリアの10の処方箋>
 ーまず動いてみるためのキーフレーズー

1,想定外の出来事を最大限に活用する
 (make the most of unplanned events)

2,選択肢はいつでもオープンに
 (always keep your options open)
 
3,目を覚ませ! 夢が現実になる前に
 (wake up -before your dream comes true)
 
4,結果を見なくてもやってみる
 (try it -even without knowing the outcome)
 
5,前進しては、どんどん間違えよう
 (go ahead and make mistakes)
 
6,行動を起こし自分の運を作り出す
 (take action to create your own luck)
 
7,まず仕事についてそれからスキルを学ぶ
 (go for the job- then learn the skill)
 
8,楽しむ! いい生活はバランスの取れた生活
 (enjoy yourself ーthe good life is a balanced life)
 
9,自らさぼってしまいそうになったら、それを克服
 (overcome self-sabotage)
 
10、幸運は偶然ではないといつも思い浮かべること
 (remember the luck is no accident)
 
(krumboltz&Levin,2004)


※引用:『日本のキャリア研究 ー専門技能とキャリア・デザイン』
 金井壽宏、鈴木竜太(著) P206-207
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)



■いかがでしょうか。

(あくまでも個人的にですが)グッ来ました。

その理由は、

「キャリアの先行きが見えない」
「キャリア自律が課題である」

と、私自身も聞く中で

「とにかくやってみる」ことを
力強く背中を押してくれる言葉のように思えるから。



■もちろん、

時間的な制約や、
家庭の経済的な役割などを鑑みて、
新しいアクションばかりやるわけにはいかないこともあります。

生計を守るための”ライスワーク”としての仕事も、
せざるをえない状況もあると思います。

それでも、

「自分が思いついた、
 できるかもしれない、
 でも、やっていないこと」
 
は誰しもに多少なりとも
あるのではなかろうか、

とも同時に思います。

そして時間が全くゼロかというと、
おそらくそんなこともないはず。

その中で、自分ができる範囲で

『アクション・バイアス』
(=まず動いてみる)

を大事にしつつ動くことは、
自分の未来を切り開く、とても重要な姿勢だと
私は感じてしまいます。



■私(紀藤)自身の話になり、恐縮ですが

思えば5年前の独立直後、
「法人向けの人材開発・組織開発をやりたい!」
と思いました。

法人研修の営業経験はありましたが

・研修講師の経験
・研修プログラム開発の経験
・マーケティングの経験

など、やったことはありませんでした。

でも、「ま、やってみよう」と動いてみると
熱量だけを買っていただき、
任せていただけるような素晴らしい出会いがあったり、

間違えたり、痛い思いをする中で、
少しずつプログラムがレベルアップしたりするのです。

中には、後退しているかも、、、と思うことも
実はあるのですが、それを含めて少なくとも
経験は増えていきます。

上記のクランボルツ博士の例で言えば、

 
5,前進しては、どんどん間違えよう
 (go ahead and make mistakes)

7,まず仕事についてそれからスキルを学ぶ
 (go for the job- then learn the skill)
 
 
が、まさにその通りであり、
そのスタンスが今の自分を(まだまだですが)
作ってくれたと感じます。



■新しいことはドキドキしますが、
とにかく動いてみること。

自分も9月から、
あたらしいキャリアのシナリオが始まるので

改めて「アクションバイアス」の大切さに
思い巡らせた次第でございます。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

用心は人生を安泰にするが、
人生を必ずしも幸せにするとは限らない。

サミュエル・ジョンソン
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【編集後記】
でも、新しいスタートのときは
不安もありますが、ワクワクもあります。

これもやりたかった、あれもやりたかった、ということについて
10本中2~3本当たれば良い、くらいのスタンスで、
まずはやっていきたいとおもいます。


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