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令和4年9月2日(第3116号)
キャリア・デザインはそこそこでよい ークランボルツ博士の語るキャリアの10の処方箋ー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2252字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
その他、研修プログラムの企画/作成。
夕方からは12キロのランニングでした。
どしゃ降りでしたが、気持ちよかったです。
*
さて、本日のお話です。
現在、「キャリア」について調べる中、
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『日本のキャリア研究 ー専門技能とキャリア・デザイン』
金井壽宏、鈴木竜太(著)
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という書籍を読んでおります。
その本の中で紹介されていた一節が
自分自身(紀藤)がキャリアを歩むものとして
励まされるような言葉と感じられて、感銘を受けておりました。
ということで、本日はそのお話について
皆様に学びと気づきをおすそわけさせていただければと思います。
それでは早速参りましょう!
タイトルは、
【キャリア・デザインはそこそこでよい ークランボルツ博士の語るキャリアの10の処方箋ー】
それでは、どうぞ。
■「キャリア(Career)」。
”働くことにまつわる「生き方」そのもの”
を意味します。
そもそも
「キャリア(Career)」の語源とは、
”何かを運ぶもの(Carrier)が
通った軌跡のこと”
を意味するそうです。
たった一回かぎりの自分の人生と重なるような
自分を運ぶ馬車が進んでいるイメージ。
就職、昇進、現在の仕事など
点としての結果を表すのではなく「継続的なプロセス」、
すなわち「馬車の轍」こそが
まさにキャリアといえます。
■そして、このキャリア。
馬車が通る道なので、それなりの期間があります。
20歳前半から今風に70歳までと考えると50年。
キャリアという轍を残しつつ
この馬車が進む先には、
三叉路や四つ辻が現れたりもします。
それが
”キャリアの節目”(いわゆる転職、昇進、定年なども)
であります。
その節目をいかに乗り切るのか、という考え方を
「キャリアトランジション」と呼ばれ、
それを見越して事前にキャリアをデザインしたり、
計画をしておく考えが
「キャリアデザイン」とか
「キャリアプランニング」
といいます。
■、、、と、キャリアについて
ざっくり大枠をまとめてみましたが、
この中で興味深い考え方が紹介されていました。
それは何かというと、
「キャリア・デザインとか、
キャリアプラニングというが、
そんなにやらなくてもいいんじゃね?」
という、あるキャリア論の巨匠の話です。
キャリア・デザインとは、
自覚的にキャリアを選択すること、
キャリアプランニングとは、
さらに10年後を見越して計画することなど
立ち止まり、内省し、
選択肢を考えるイメージです。
■上記の「プランニングやらなくていいんじゃね?」は
かなり乱暴に言ってしまいましたが、
要は、
”自分のキャリアを計画するのは節目でやればよい。
あとは偶然を活かせばよい”
ということ。
ポイントは、
”決めたら歩む事が大事であるのに、
デザインや内省ばかりしていても、何も進まない”
ことを我々は意識する事が大事、というわけです。
「イヌも歩けば棒にあたる」けれども、
「歩かなければ棒にもあたらない」。
キャリア研修をしようが、キャリアを自分で考えようが、
そこからなにかしらアクションをしないと、
何も起こることはありません。
つまり、大まかに方向を決めたら実行、実行。
まず動いてみることなのです。
大事にすべきことは
『アクション・バイアス(Action bias)』
なのではないか、
そんな風に語るのが、著者の金井教授が師事した
計画された偶然性理論のクランボルツ博士でした。
■じゃあ、
「まず動いてみる」
とは、具体的にどういう姿勢を意味するのか?
それについて、以下
クランボルツ博士が語りました。
こんなキーフレーズです。
(ここから)
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<クランボルツ博士の語るキャリアの10の処方箋>
ーまず動いてみるためのキーフレーズー
1,想定外の出来事を最大限に活用する
(make the most of unplanned events)
2,選択肢はいつでもオープンに
(always keep your options open)
3,目を覚ませ! 夢が現実になる前に
(wake up -before your dream comes true)
4,結果を見なくてもやってみる
(try it -even without knowing the outcome)
5,前進しては、どんどん間違えよう
(go ahead and make mistakes)
6,行動を起こし自分の運を作り出す
(take action to create your own luck)
7,まず仕事についてそれからスキルを学ぶ
(go for the job- then learn the skill)
8,楽しむ! いい生活はバランスの取れた生活
(enjoy yourself ーthe good life is a balanced life)
9,自らさぼってしまいそうになったら、それを克服
(overcome self-sabotage)
10、幸運は偶然ではないといつも思い浮かべること
(remember the luck is no accident)
(krumboltz&Levin,2004)
※引用:『日本のキャリア研究 ー専門技能とキャリア・デザイン』
金井壽宏、鈴木竜太(著) P206-207
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
■いかがでしょうか。
(あくまでも個人的にですが)グッ来ました。
その理由は、
「キャリアの先行きが見えない」
「キャリア自律が課題である」
と、私自身も聞く中で
「とにかくやってみる」ことを
力強く背中を押してくれる言葉のように思えるから。
■もちろん、
時間的な制約や、
家庭の経済的な役割などを鑑みて、
新しいアクションばかりやるわけにはいかないこともあります。
生計を守るための”ライスワーク”としての仕事も、
せざるをえない状況もあると思います。
それでも、
「自分が思いついた、
できるかもしれない、
でも、やっていないこと」
は誰しもに多少なりとも
あるのではなかろうか、
とも同時に思います。
そして時間が全くゼロかというと、
おそらくそんなこともないはず。
その中で、自分ができる範囲で
『アクション・バイアス』
(=まず動いてみる)
を大事にしつつ動くことは、
自分の未来を切り開く、とても重要な姿勢だと
私は感じてしまいます。
■私(紀藤)自身の話になり、恐縮ですが
思えば5年前の独立直後、
「法人向けの人材開発・組織開発をやりたい!」
と思いました。
法人研修の営業経験はありましたが
・研修講師の経験
・研修プログラム開発の経験
・マーケティングの経験
など、やったことはありませんでした。
でも、「ま、やってみよう」と動いてみると
熱量だけを買っていただき、
任せていただけるような素晴らしい出会いがあったり、
間違えたり、痛い思いをする中で、
少しずつプログラムがレベルアップしたりするのです。
中には、後退しているかも、、、と思うことも
実はあるのですが、それを含めて少なくとも
経験は増えていきます。
上記のクランボルツ博士の例で言えば、
5,前進しては、どんどん間違えよう
(go ahead and make mistakes)
7,まず仕事についてそれからスキルを学ぶ
(go for the job- then learn the skill)
が、まさにその通りであり、
そのスタンスが今の自分を(まだまだですが)
作ってくれたと感じます。
■新しいことはドキドキしますが、
とにかく動いてみること。
自分も9月から、
あたらしいキャリアのシナリオが始まるので
改めて「アクションバイアス」の大切さに
思い巡らせた次第でございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
用心は人生を安泰にするが、
人生を必ずしも幸せにするとは限らない。
サミュエル・ジョンソン
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【編集後記】
でも、新しいスタートのときは
不安もありますが、ワクワクもあります。
これもやりたかった、あれもやりたかった、ということについて
10本中2~3本当たれば良い、くらいのスタンスで、
まずはやっていきたいとおもいます。
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