配信日時 2022/08/01 08:37

新しいキャリアの考え方「キャリア・アダプタビリティ」 ーキャリア構成のABCと4つの次元ー【カレッジサプリ】

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令和4年8月1日(第3084号)


新しいキャリアの考え方「キャリア・アダプタビリティ」 ーキャリア構成のABCと4つの次元ー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2546字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は昼間から大学の図書館へ。
プロジェクト研究の調べ物をしたり
論文を書いたりしておりました。

まだまだ先は長そうですが、
コツコツ進めていきたいと思います。



さて、本日のお話です。

現在、研究に関連して
「キャリア」について学んでいます。

その中で新しいキャリア理論で

『キャリア・アダプタビリティ』

なるものがあります。

この内容がなかなか面白く
自分自身に当てはめて考えてしまいました。


ということで、本日その内容を
皆さまにご紹介させていただければと思います。


それでは参りましょう!

タイトルは



【新しいキャリアの考え方「キャリア・アダプタビリティ」 ーキャリア構成のABCと4つの次元ー】



それでは、どうぞ。



■「キャリア」。

しばしば耳にするこの言葉。

・働くことについての生き方
・働く上での継続的なプロセス

などを意味するそうです。

私たちも社会の中で”働く”上で
とても大事なテーマにも思えます。



■キャリアの考え方も
時代に従ってどんどん変わってきました。

例えば

”〇〇歳で課長→その後部長”

という皆一律の予測できる
キャリア発達モデルが中心だったのが

今では既に、
現実的でなくなってきています。


今の時代は

「キャリアの多様性
 そして不確実性の時代」

などと言われるように、

個々によって大きく状況が変わります。

ゆえに、以前と変わった現代の環境下で
新しいキャリアモデルが必要とされてきました。



■その中で

”変化に対応する資質、
 レディネス(準備)”

に注目したのが、今回のテーマである
「キャリアアダプタビリティ」の論者の一人である
サビカス(Savicas)先生です。


そしてサビカス先生が提唱するのが

「キャリア構成理論」(2002)とのことで
これが何かというと、


”キャリアって、人間の内部構造(加齢など)で
 成熟していくものではなくて、
 
 環境適応のために引き起こされるもの。
 つまり創造されるものである”


という立場に立つものです。



例えば、今で言えば

・65歳、70歳くらいまでは
 働き続けることが求められるようになりそう
 (社会的文脈の変化)
 ↓
・では、その状況の変化に合わせて
 いかにして自分のキャリアを作っていくのかを考えよう
 (何を・どのように・なぜ、で考える)

というのも

従来の「キャリアの考え」から
「環境に適応する」という観点になっているとも言えそう。

そんなイメージでしょうか。



■これ、言われてみれば
そりゃそうだ、、、という話ですが

これまで言われていた
「キャリア成熟」と比較してみると
改めてその違いが感じられそうです。

以下、それぞれの定義を
並べてみたいと思います。


(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【キャリア成熟度】:

・成長期から解放期に至る連続的なキャリア・ステージに沿って
 個人がどの程度、職業的発達を遂げているのかをみる心理社会的な構成概念。
 
・社会的な視点に立って言えば、
 キャリア成熟度は、社会が個人に対してその年齢相応に期待している発達課題と、
 個人が実際に直面している発達課題とを比較することによって操作的に定義される。


【キャリア・アダプタビリティ】:

・現在のそして将来予想される職業発達課題に対する
 個人のレディネスおよび対処力を示す心理社会的構成概念である。
 
・態度(attitude)、信念(beliefs)、能力(competency) に関する適性(=キャリア構成におけるABC)が、
 関心(Concern)、コントロール(Control)、好奇心(Curiosity)、自信 (Confidence)の次元ごとに
 開発されていくことが期待される。

※益田勉(2009).“キャリア・アダプタビリティと組織内キャリア発達.” 人間科学研究 30: 67–78.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)


とのこと。



■うーん、なるほど。

つまり、以前から言われる
「キャリア成熟」とは


「この年齢になれば、
 次世代の育成を考えるスタージだね」とか
 
「20代だったらだったら、
 多くの経験を通じて成長する時期だよね」
 

となんとなくされていたわけです。つまり
”社会が個人に対してその年齢相応に期待している発達課題”というものでしょうか。



対して、「キャリア・アダプタビリティ」は

社会が個人に対して期待する発達課題”ではなく”、

「55歳だけど、これからもう10年、
 自分は、組織内で貢献するための
 準備はできているだろうか」
 
「40歳だけど、これから30年間、
 自分でキャリアを作り続けられそうか」
 
というまさに

”現在、そして将来、
 環境に適応し続けられるか?”

というキャリア上の生存戦略のようにも感じられる
考え方が軸となっている、とも思えます。


(多分、本当はもっと深い話だと思いますが、、、
 簡単な解釈でまとめてみました。
 間違っていたらゴメンナサイ)



■そして、

この「キャリア・アダプタビリティ」のためには、
上記の繰り返しとなりますが、

以下のフレームで考えることが
ポイントとなるようです。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【キャリアアダプタビリティの考え方】
 
<キャリア構成におけるABC>

A= 態度(attitude)
B= 信念(beliefs)
C= 能力(competency)

そして上記ABCについて、
以下の4つの次元で開発させることが期待される。

<4つの次元>

1,関心(Concern):
 働くものとしての自分の将来に対して関心を持つ

2,コントロール(Control):
 将来の職業生活についてのコントロール力を高める

3,好奇心(Curiosity):
 自己の可能性を探究する好奇心をもつ

4,自信(Confidence)
 自分の大きな志を追求する自信を強める

※Savickas(2002)
※益田勉(2009).“キャリア・アダプタビリティと組織内キャリア発達.” 人間科学研究 30: 67–78.
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とのことです。



■さて、いかがでしょうか。


色々お伝えしてしまいましたが、
私自身、こうした視点で自分を省みた時に、
思うことがありました。


それは、これからの自分のキャリアについて

「どれくらい自分が自分に期待するのか?(態度)」
「何を成し遂げたいのか?(信念)」
「でも自分ができることとはどの程度か?(能力)」

という問いです。

その答えによって、伸びしろも、
これからの自分の行動も大きく変わりそうだな、、、

と思いました。


ただ、少なくとも上記の問いについて
私は強い「関心」があります。
「好奇心」もあります。

「コントロール」できるか、というと
正直、まだ自信がありません。

志を貫く「自信」はぼちぼち、、、
でもどうなるのか未知、という感じです。



■言われてみれば当たり前の問いかもしれません。

しかしながらキャリアについての
上記の問いについて

自分で「関心」を持っていなければ、
そもそも開発されることなどないし、

「好奇心」を持って世界を探究しなければ
枠を拡げることもできません。

その上でキャリアを自ら開発するからこそ、

変わりゆく環境の中で自分で職業について
「コントロールできる」と思えるのでしょうし

かつ志を追求する「自信」を持つことも
出来るようになる、とも思えます。



■自分の人生のオールは自分で持つ。

キャリアのオールも、自分で持つ。


相当な努力が必要そうですが、
そういう時代になっている、

ということなのかもしれません。


ということで、私もまだまだ理解できていないですが
「キャリアアダプタビリティ」の入り口を
少しだけご紹介させていただきました。


ご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

自分をごまかして妥協するのは簡単だ。
でも成功したかったら、人より少しだけ厳しくなければ、
少しだけ余分に努力しなければ駄目だ。

トニー・グヴィン

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【編集後記】
今週はコーチングがずっと続く1週間。
色々な方のお話を聞くのは実に興味深いですが、
何かしら気づきやインパクトを残せるよう、頑張りたいと思います。


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