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令和4年7月18日(第3070号)
「何気ない素直なチャット」からリーダーシップを垣間見る
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2133字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、大学院のレポートの作成、
並びに論文を読んだりしておりました。
その他10キロのランニング。
*
さて、本日のお話です。
先日大学院の今年入学した期の仲間と
食事をした際に話題にあがった話がありました。
”オンライン授業におけるチャット”
についての
何気ない話ではありますが、
その話と授業で学んだリーダーシップについて
何となく繋がるものを感じ、思うことがありましたので、
本日はそのお話について共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【「何気ない素直なチャット」からリーダーシップを垣間見る】
それでは、どうぞ。
■今通っている立教大学大学院。
手前味噌ですが、本当に
素晴らしい人々ばかりだと感じます。
ほぼフルオンラインの授業ですが
同期同士お互いに尊重・尊敬し合っているように感じますし、
私も実際に能力・人格共に
皆すごいなあ、、、と頻繁に思わされます。
■一方、そのように
お互いを尊敬するがゆえに、
組織開発の授業の中などで
自己開示したときに出てくる意見が
「いいこと言いたい」
という欲求がある、という話でした。
つまり、”仲間から承認を求めている”ということです。
(=さすが!と言われたい)
もちろん全員が全員、
そういうわけではないかもしれませんが、
大きな傾向としてやはりあると思われます。
(ちなみに私も、めちゃくちゃあります)
■そう思う感情は、
健全な承認欲求だと感じます。
そう思うから、努力するし、
頭も使う良い影響もあります。
一方、反対側から見てみると
もし思うことがあったとしても、
頭の中で
「こんな意見を言って、
バカと思われないだろうか?」
「このチャットは、皆に
貢献できているだろうか?」
など頭の中で逡巡して、
結局何も言わない、なんてことも起こります。
■今でこそ同じ仲間と、1年以上経っているので、
そのような状態や気持ちはだいぶ少なくなっており、
好きなように参加していますが、
特に1年生の初めの半年のときは、
そのような気持ち(=承認されたい、どう思われるだろうか)
という不安にも似た感情にとらわれることが
大いにあったな、と思っています。
■そんな中で
先日一つ学年が下の人
(私がニ期生なので、三期生の方)
と食事をする機会があったのですが、
その時に、三期生の授業の様子を聞いて、
その違いに実に興味深い!と思った話がありました。
曰く、ある授業の先生から、
「(三期生は)チャットの量がすごいね
と言われるくらい、チャットが賑やか」
という話です。
■どうやら先生が授業をしている中で、
チャットが大いに盛り上がりすぎて、
そこで別の話題としてQ&Aが走るほどであり、
「ちょっと控えたほうがいいんじゃない?」
というツッコミがまたチャットで入る、
という場面もある、とのこと。
へー、そういう現象は
自分達の期にはなかったですね、
なんて言いながら、
基本的には同じ授業の流れで進めている中で、
そのような違いが生まれることに、
それぞれの集団が持つカルチャーの違いと
何がその違いを生み出しているのだろう、、、?
とふと思ったのでした。
■そして、
「なぜそのように
チャットが盛り上がっているか?」
聞いてみると、
「何気ないことも、
率先してチャットする人の影響が大きい」
とのことでした。
オンラインでは
よくよく考えれば発信してもしなくても、
どちらでもよいことがほとんどです。
実際私も、研修やワークショップをしても
そんなにガシガシ書き込む人のほうが少ないです。
*
例えば、ちょっとした雑談めいた発言。
「◯◯さん、髪切ったね」とか
「XXさん、今日違う場所いるねー」とか
「うーん、ちょっとよくわからなくなってきた」
などなど。
率直な気持ちや感情とは、
それを投げる方向性や内容に、
明確な意図や目的があるわけではなく
”ただ、思った。場に出したい”
というつぶやきのような質のもののほうが
むしろ多いと思われます。
■それは明確な意図がないから
「なんでそれ言ったの?」と言われれば
「言いたかったから」となってしまい、
先を見通して、戦略的に考えることを
求められる仕事の暗黙のルールに照らし合わせると、
ツッコミどころ満載の発言かもしれません。
ただ、そういったものでも
その感情や意見を場に投げ込み、
その何気なく投げたものも、
時にスルーされるのかもしれませんが、
それでも投げるという行為と、
そのリアクションを見ることで、
「あ、これくらいのことでも
チャットしていいんだ」
という”空気”が生まれ、
場の安心感に繋がるのだろう、と思います。
そうしたアクションによって、
予期せぬ意見やアイデアに出会える可能性も
高まるかもしれません。
、、、そんなことを、
「何気ないことも、
率先してチャットする人」
の話と、そこから皆が
チャットを頻繁にする様子を聞いて、
大事なことかもしれないなあ、
と感じたのでした。
■この話からふと思い出すのが、
「リーダーシップの最小3行動」として
紹介されていた以下の項目です。
1,目標設定・共有
2,率先垂範
3,同僚支援
(参考:日向野(2019)『高校生からのリーダーシップ入門』)
リーダーシップとは、
”成果を生み出すために他者に与える影響力”と
定義されていますが、
まさに、こういった
”思ったことをゆるくチャットする”
というのも、
「2、率先垂範」
「3、同僚支援」
なる行動とも言えるのだろうな、
とも思えます。
■リアルの場でも、
オンラインの場でも、
自ら手を挙げて発言をすることは
時に躊躇があると思います。
その中で
”切れ味が鋭い発言”はもちろん、
場の発言の質を高める素晴らしい行動ですが、
同時に、
”何気なく思った素直な発言”を投げ込むこともまた、
周りの人が話しやすくする、意見を出しやすくするという
素晴らしい行動であるのだ、
そんなことをこの大学院の仲間からの話から
感じました。
■以前聞いたことがある話では
「国際会議を上手くいかせたければ
インド人を静かにさせて
日本人には発言させよ」
(=日本人は色々考えていても
言わない人が多い)
なんて話を聞いたことがありますが、
思っていることがあったら
もっともっと発言してもよいのだろうな、
そんなことも思った次第。
(自戒を込めて)
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
人からよく思われたいと思ったら、
自己のよいところをあまり並べ立てないことである。
ブレーズ・パスカル(フランスの哲学者)
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【編集後記】
1歳半の息子が、断乳を始めました。
よって夜、母のおっぱいを探そうとしてウネウネしております。
しかし、ポジションを変えて、隣に私が寝ることにしたため、
そこには父の乳(?)しかなく、求めたものがそこになく
失望している姿が、実に切ないものです。
人生の自立の旅が始まっているな、
がんばれ息子よ、と思う今日この頃です。
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