配信日時 2022/06/03 08:43

「沼」に浸かりにいってください【カレッジサプリ】

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令和4年6月3日(第3025号)


「沼」に浸かりにいってください


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1800文字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。
その他電話でのミーティングなど。
また夕方からは10キロのランニングでした。

100キロ走ってからというもの、
なんだかエネルギーがあり余っています。
(走らないと、お腹が空かない・・・)

人の体は作り変わっていくものだなあ、
としみじみ感じております。



さて、本日のお話です。

先週の大学院の授業にて
現在進めている2年次のプロジェクトについて
先生方からとコメントを頂きました。

曰く、

「これからが一つの山場。
 
 実務の脳をアカデミックな脳に切り替えてから
 クライアントへの介入を考えてほしい」
 
というようなお話でした。

大学院=アカデミックな世界。

ゆえに、

・組織が抱える人材課題/組織課題を調べる
・それらにまつわる規定要因を先行研究や理論を調べる
・アカデミックな言葉に翻訳し、介入(研修など)する

ことが必要である、ということ。

そして、現状の自分を振り返り、
それらの壁を想像したときに、
骨が折れるものを感じておりました。

そして実施、まとめはじめつつ、
「どうしたものか・・・」という迷いの渦中におります。

今日はそんな論文を読みながらの感想と、
それらを通じた気付きについて、
皆様にご共有させていただければと思います。

(テーマ的にモヤモヤとした内容になっておりますが、
 ご容赦いただければ幸いでございます汗)

それでは参りましょう。

タイトルは、



【「沼」に浸かりにいってください】



それでは、どうぞ。



■現在進めている大学院のプロジェクト。

クライント企業の皆様の
ご協力のおかげもあって、

組織における何が取り組むべき
重要な課題かは特定されてきました。


ただ、その次のステップは

”「重要な課題」を解決するために、
 どのようなアプローチを選ぶのか”
 
について、

・先行研究や理論に基づき、かつ
・インパクトと実現可能性が高いもの

を優先順位をつけて
列挙し、選択するすることが求められます。

そして

『誰に/どのような働きかけをし
 どんな行動変容をねらい/どんな成果を得るか』

を解像度高く明確にする必要があります。



■例えば、今で言えば

・従業員の「キャリア自律」が重要課題
 ↓
(様々なアプローチがあるが)
「マネジメント要因」に働きかける

とまで決まったとして、

じゃあ、「マネジメント要因」ってなんぞや、
という疑問が出てきます。

また「マネジメント要因」を変容を狙うにも、
そのための規定要因はいくつもあります。



■まだ全然調べ始めなのですが、例えば論文、

堀尾(2018)”管理職のアンラーニングと周囲からの サポートとの関連性に関する研究”

によると、

”マネジャーの能力に影響を与えるもの”
として

・マネジャーを取り巻く「外的要因」
(1)仕事経験
(2)周囲からのサポート

・マネジャー個人の「内的要因」
(3)学びの姿勢
(4)アンラーニング

として研究を進めています。


■別の論文では、

”上位職層がアンラーニング(学習棄却)をしていないと
 下位職層組織のアンラーニングが進まない”
 
(=つまり上司が学んでいないと、部下は学ばない)

という情報もあって、
やっぱり上司のアンラーニングか、
と思ってみれば、

また他の論文では、
他の規定要因が強調して書かれていたりします。



■特定の介入プロジェクトを考えたとしても、

『誰に/どのような働きかけをし
 どんな行動変容をねらい/どんな成果を得るか』

について考え、

誰の、どんなことが変わって、どうなればいいのかを、
焦点を絞って明確にする必要があります。

それは、

・マネジャーが「自己効力感」が高まるのか
・マネジャーの「自己概念」が変容するのか
・マネジャーの「リーダーの発達過程に影響」があるのか

個人の内的成長プロセスに着目して
研究を進めるべきなのか、

・マネジャーの「部下育成力」が高まることか
・チーム内の「経験学習」が高まることか

などの、スキルや組織への影響を測りたいのか
(こういう切り口があっているかすらまだわかりませんが、、、)

どこでどのように切り取ればよいのか、
その粒感はどれほどのものなのか、

を考えて、立ち止まり、
もやもやして、でも決めて進むことが
求められるのだろうな、、、、

というこの頃の頭の中。

(この混乱した頭の中を晒して
 お恥ずかしい限りではありますが)



■ただ、こういった頭の中が
混乱をしているという状況は

きっと論文どうこうだけではなく、
新しい知識を探索的に得ようとする時に、
誰もが接する壁のようにも思います。

それに対して、先生は、

『沼に浸かりにいってください』

と語られていました。



■広大な知識に接すると、その中には、

言っていることが違うものがあったり、
類似していて理解が困難だったり、
なかなか切り分けられないものがあったりして

混乱するプロセスを体験することになるのでしょうし、
それを時間をかけて紐解く必要があるのでしょう。

ただそれらの未知の旅路について
先に進むためには、

「その分野において、
 ただただインプットするしかない」

のだと思いますし、それが先生方のいう

『沼に浸かりに行く』

ということなのだろう、と思いました。


まずはインプットをして、まとめなければ
その分野における先駆者、巨人の肩に乗ることも、
そして見える景色を変えることもできないのだろう、

、、、と感じている次第。



■何から手をつけてよいのやら、
という心もとない感じですが、

一旦そんな中からあたりを付けて、
一歩ずつ進んで行きたいと思います。
(クライアント組織の皆様のためにも!)

そして改めて、
研究者達ってすごいなあ、、、
としみじみ思いました。

頑張ります。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

変化への抵抗の底にあるものは、未知への不安である。
しかし、変化は機会と見なすべきものである。
変化を機会としてとらえたとき、初めて不安は消える。

ピーター・ドラッカー(オーストリアの経営学者/1909-2005)

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【編集後記】
論文で語られている定義をきちんと理解すること、
難しいことだな、と思っております。

6月が忙しいので、さてどうしたものか、、と考えて
結局「がんばる」というオチになっています。
いつもこのパターン。


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