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令和4年6月3日(第3025号)
「沼」に浸かりにいってください
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1800文字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は3件のアポイント。
その他電話でのミーティングなど。
また夕方からは10キロのランニングでした。
100キロ走ってからというもの、
なんだかエネルギーがあり余っています。
(走らないと、お腹が空かない・・・)
人の体は作り変わっていくものだなあ、
としみじみ感じております。
*
さて、本日のお話です。
先週の大学院の授業にて
現在進めている2年次のプロジェクトについて
先生方からとコメントを頂きました。
曰く、
「これからが一つの山場。
実務の脳をアカデミックな脳に切り替えてから
クライアントへの介入を考えてほしい」
というようなお話でした。
大学院=アカデミックな世界。
ゆえに、
・組織が抱える人材課題/組織課題を調べる
・それらにまつわる規定要因を先行研究や理論を調べる
・アカデミックな言葉に翻訳し、介入(研修など)する
ことが必要である、ということ。
そして、現状の自分を振り返り、
それらの壁を想像したときに、
骨が折れるものを感じておりました。
そして実施、まとめはじめつつ、
「どうしたものか・・・」という迷いの渦中におります。
今日はそんな論文を読みながらの感想と、
それらを通じた気付きについて、
皆様にご共有させていただければと思います。
(テーマ的にモヤモヤとした内容になっておりますが、
ご容赦いただければ幸いでございます汗)
それでは参りましょう。
タイトルは、
【「沼」に浸かりにいってください】
それでは、どうぞ。
■現在進めている大学院のプロジェクト。
クライント企業の皆様の
ご協力のおかげもあって、
組織における何が取り組むべき
重要な課題かは特定されてきました。
ただ、その次のステップは
”「重要な課題」を解決するために、
どのようなアプローチを選ぶのか”
について、
・先行研究や理論に基づき、かつ
・インパクトと実現可能性が高いもの
を優先順位をつけて
列挙し、選択するすることが求められます。
そして
『誰に/どのような働きかけをし
どんな行動変容をねらい/どんな成果を得るか』
を解像度高く明確にする必要があります。
■例えば、今で言えば
・従業員の「キャリア自律」が重要課題
↓
(様々なアプローチがあるが)
「マネジメント要因」に働きかける
とまで決まったとして、
じゃあ、「マネジメント要因」ってなんぞや、
という疑問が出てきます。
また「マネジメント要因」を変容を狙うにも、
そのための規定要因はいくつもあります。
■まだ全然調べ始めなのですが、例えば論文、
堀尾(2018)”管理職のアンラーニングと周囲からの サポートとの関連性に関する研究”
によると、
”マネジャーの能力に影響を与えるもの”
として
・マネジャーを取り巻く「外的要因」
(1)仕事経験
(2)周囲からのサポート
・マネジャー個人の「内的要因」
(3)学びの姿勢
(4)アンラーニング
として研究を進めています。
■別の論文では、
”上位職層がアンラーニング(学習棄却)をしていないと
下位職層組織のアンラーニングが進まない”
(=つまり上司が学んでいないと、部下は学ばない)
という情報もあって、
やっぱり上司のアンラーニングか、
と思ってみれば、
また他の論文では、
他の規定要因が強調して書かれていたりします。
■特定の介入プロジェクトを考えたとしても、
『誰に/どのような働きかけをし
どんな行動変容をねらい/どんな成果を得るか』
について考え、
誰の、どんなことが変わって、どうなればいいのかを、
焦点を絞って明確にする必要があります。
それは、
・マネジャーが「自己効力感」が高まるのか
・マネジャーの「自己概念」が変容するのか
・マネジャーの「リーダーの発達過程に影響」があるのか
個人の内的成長プロセスに着目して
研究を進めるべきなのか、
・マネジャーの「部下育成力」が高まることか
・チーム内の「経験学習」が高まることか
などの、スキルや組織への影響を測りたいのか
(こういう切り口があっているかすらまだわかりませんが、、、)
どこでどのように切り取ればよいのか、
その粒感はどれほどのものなのか、
を考えて、立ち止まり、
もやもやして、でも決めて進むことが
求められるのだろうな、、、、
というこの頃の頭の中。
(この混乱した頭の中を晒して
お恥ずかしい限りではありますが)
■ただ、こういった頭の中が
混乱をしているという状況は
きっと論文どうこうだけではなく、
新しい知識を探索的に得ようとする時に、
誰もが接する壁のようにも思います。
それに対して、先生は、
『沼に浸かりにいってください』
と語られていました。
■広大な知識に接すると、その中には、
言っていることが違うものがあったり、
類似していて理解が困難だったり、
なかなか切り分けられないものがあったりして
混乱するプロセスを体験することになるのでしょうし、
それを時間をかけて紐解く必要があるのでしょう。
ただそれらの未知の旅路について
先に進むためには、
「その分野において、
ただただインプットするしかない」
のだと思いますし、それが先生方のいう
『沼に浸かりに行く』
ということなのだろう、と思いました。
まずはインプットをして、まとめなければ
その分野における先駆者、巨人の肩に乗ることも、
そして見える景色を変えることもできないのだろう、
、、、と感じている次第。
■何から手をつけてよいのやら、
という心もとない感じですが、
一旦そんな中からあたりを付けて、
一歩ずつ進んで行きたいと思います。
(クライアント組織の皆様のためにも!)
そして改めて、
研究者達ってすごいなあ、、、
としみじみ思いました。
頑張ります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
変化への抵抗の底にあるものは、未知への不安である。
しかし、変化は機会と見なすべきものである。
変化を機会としてとらえたとき、初めて不安は消える。
ピーター・ドラッカー(オーストリアの経営学者/1909-2005)
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【編集後記】
論文で語られている定義をきちんと理解すること、
難しいことだな、と思っております。
6月が忙しいので、さてどうしたものか、、と考えて
結局「がんばる」というオチになっています。
いつもこのパターン。
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