配信日時 2022/05/11 01:22

「動画を倍速にしたら、学習効果はどうなるか?」の研究からわかったこと【カレッジサプリ】

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令和4年5月10日(第3001号)


「動画を倍速にしたら、学習効果はどうなるか?」の研究からわかったこと


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1543文字/読了時間2分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日3000号とのことで
多くの方からご返信を頂きました。

本当にありがとうございます。
噛み締めつつ拝読させていただいております。

こちら追ってご返信させていただきますので、
どうぞ、よろしくお願いいたします。

このメルマガもどこかで誰かが見てくれているのだな、
と嬉しく実感した次第です。

ここからまた一歩ずつ、
頑張ってまいりたいと思います。



さて、本日のお話です。

先日とある論文の存在を知りました。
それは、

「映像コンテンツを倍速にしたら、
 学習効果はどうなるのか?」
 
という研究の論文です。

※長濱 澄, 森田 裕介(2017)「映像コンテンツの高速提示による学習効果の分析」


この論文がなかなか面白く、
かつ動画時代(?)に役立ちそうなお話でした。

今日はこの論文の概要、
ならびにそこからの学びを共有させて
いただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、



【「動画を倍速にしたら、学習効果はどうなるか?」の研究からわかったこと】



それでは、どうぞ。



■皆さまは、動画を

”倍速にする派”

でしょうか、しない派でしょうか?


おそらく内容次第ですが、
YouTubeでも、e-learningでも、
動画コンテンツが増えている中

情報を仕入れる時には
倍速を活用される方も、
少なくないのでは、、、と思います。


ちなみに私の場合、

・完全にアウトな分野は、通常速度(統計分析とか・・・)
・ちょっと難しそうなものの場合、1.25倍
・割とわかるものは、1.5倍

にすることが比較的多いです。



■日頃お忙しい日々をお過ごしの皆さまも、きっと

”より効率的に知りたい、学びたい”

と思うのは必然ではないかと思います。


それに関連して、上記でご紹介した論文では
では、以下のような研究を行いました。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「映像コンテンツの高速提示による学習効果の分析」

<研究の目的>

・オンライン学習環境を想定した映像コンテンツの高速提示と
 学習効果の関連性を明らかにすること
   
 
<研究の内容>

・1倍速,1.5倍速,2倍速の提示速度が
 異なる映像コンテンツを3種類作成して、
 大学生75名に提示した
 
(※作成した映像コンテンツは
 高等学校における情報科の宣言的知識を扱ったものである)


<研究の結果>

・学習の前後に実施した理解度テストの得点から,
 学習効果を検証したところ、理解度テストの分析結果から,
 
 『提示速度の相違は,学習効果に影響を与えない』
 
 ということが明らかになった


※参考:長濱 澄, 森田 裕介(2017)「映像コンテンツの高速提示による学習効果の分析」より

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)


、、、とのこと。



■面白いですね。

結果、動画コンテンツも、

「1倍~2倍の間で学習効果は変わらない」

ようです。


加えて興味深いのは、
学習者に「どのスピードが肯定的か」調査したところ、

・「1.5倍速が最も支持されている」のに対し,
・「2倍速はあまり肯定的に思われていない」

ことがわかったそうです。
(おそらくわかるけど、早すぎる、とかでしょうか)
 
 
■ここから言えることは

”1.5倍~2倍までの間で
 肯定的な気持ちで、効率よく学べる
 スウィートスポットがある”
 
とも思えそうで

倍速学習を活用した学びの可能性が
広がりそうです。



■さて、これらのことを

私(紀藤)自身も振り返って、
「たしかになあ」と実に納得しました。

一つ思うのが、

「早く見ようが、早く読もうが、
 結局忘れていく」
 
のは間違いない、ということ。
(とほほ・・・)

おそらく、

学んだことを書き記して、
頭に汗を書きながらまとめたり、
実践しようとして、

ようやく
「記憶に一部とどまる程度」と
私は思っております。



■、、、とするならば、


1)(忘れることを前提で)シャワーのように学びを浴び続ける
 
2)インプットは高速にして、アウトプットに時間をかける


というスタンスを持ち、
倍速でインプット、倍速でアウトプット、

そんなルーチンを持ったほうが、
結果的に得られるものも多くなる
(ような気がする)

そんなことを思ったのでした。



■学びとは一夜にしてなされず、
地味なステップではあります。

私も論文を読もうとしては、なかなか進まず
脳が慣れないものではありますが、

この論文を見て、改めて
もっといっぱい学ばないとなあ、、、
と思った次第でございました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

すべてのものに励むには競うということが必要であって、
競うから励みが生ずるのである。

渋沢栄一(官僚・実業家/1840-1931)

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【編集後記】
3000号に到達したら、万歩計をまた0に戻して
積み上げ直したような気がしてきました。

次の1000号は、アカデミックな話を
できるだけ身近な話と紐づけて、
でも早くかけるように頑張りたいと思います。
まだまだそうなるには程遠そうですが。

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