配信日時 2022/05/04 12:39

「開発」の仏教的な意味から思うこと【カレッジサプリ】

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令和4年5月4日(第2995号)


「開発」の仏教的な意味から思うこと


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1533文字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は8キロのランニング。
ようやく風邪が回復してきましたので、
久しぶりに走り始めました。

野辺山100キロマラソンまであと18日ですが、
この調子だとかつてないほど完走が危うそうです(汗)

2週間前までが追い込みの勝負。

GWは毎日10キロ以上のランで
足を復活させようと思います。
頑張ります。



さて、本日のお話です。

このメルマガでは人や組織づくりの話を
主なテーマとして取り上げております。

かっちりした表現で言えば、
「人材開発・組織開発」でございます。


この中に含まれる

「開発」

なるう言葉について、
興味深いお話を聞きましたので
今日はそのことについての学びを
皆さまにご共有させていただきたいと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは



【「開発」の仏教的な意味から思うこと】



それでは、どうぞ。



■先日、大学院の授業で、
人材開発・組織開発実践論、というものがありました。

その中で先生が、


「「開発」の仏教的な意味、ご存知ですか?」
 
と投げかけられる場面がありました。


そもそも、
「開発」と「仏教」を併せて考えたことなど
かつてありませんでした。

、、が、実際に、
仏教の言葉としての「開発」の意味が
存在しているとのこと。



■曰く、こんな意味だそうです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『開発(かいほつ)』

仏となる性質、つまり、自らの仏性を開きおこし、
まことの道理をさとることを意味する言葉

※参考:本願寺WEBサイトより
https://jodo-shinshu.info/category/word/word20.html
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。



■、、、なるほど。

”自らの仏性を開きおこす”。

つまり、

主は自分の「内」にある。

そして、まだ発現されていない
可能性のようなものにフォーカスを
当てているところが若干違う感じです。



■一方、普段、
私たちが日常的に使っている

「開発する」

という他動詞的な意味を考えると

”「外」からの力によって、
 その人を変える”
 
というような介入的な意味合いを
含んでいることを感じます。



■同じ言葉でも、

仏教的な「開発(かいはつ)」は
その人の内側の可能性に焦点を当てた、

「内」>「外」

であり、

外からの働きかけに軸をおいた「開発する」は
外側からの介入に焦点を当てた

「外」>「内」

というニュアンスの違いが
そこには存在しているようです。



■ここで、

「人材開発・組織開発」

というテーマに、
話を戻し手考えてみたいと思うのです。


おそらく、皆さまの中にも、
部下育成でも、チーム運営などで、
人、組織づくりに関わっている方も、
少なくないかと思います。

そこで、ここまでの話と
関連付けて、考えてみたいのです。


”果たして自分は
「開発」をどのような意味合いで
 使っているだろうか?”


、、、と。

(どっちでもいいやんけ、と言わずに
 ちょっとだけお付き合いくださいw)



■例えば、ですが

「彼/彼女は、今のままだとダメだから、
 変えてやらなければ」

「この組織は未熟だから、
 色々教えてあげないと」
 
みたいなニュアンスが自分の中にあるとしたら
介入に力点を置いた「開発する」という意味合いで

人・組織づくりを考えている
可能性があるかもしれません。



それとは別に、

「彼/彼女はもっとできるはず。
 その能力を引き出す手伝いをしよう」

「この組織ののまだ活用できてない
 強みはないだろうか」
 
とい問いを軸に考えているとしたら
”仏教的な開発(かいほつ)”に近い視点で
人・組織づくりを考えているかもしれない。



■どちらが効果的かは、
もちろんその目的や、相手の成熟度、
組織の状態などにより、ケースバイケースかと思います。

(子育てと、経営では
 また意味合いが変わるようにも思います)


、、、とは言っても、
人は基本的な性質として

「誰かから変えられたい」

ものではありません。


個人的な経験からも、
「彼/彼女を変えてやろう」なんて思う気持ちがにじむと、
大体、空回りで終わるような気がします。。。


ゆえに、人・組織に関わる人は基本スタンスとして

「仏教用語としての開発」

の意味を背骨として携えておくことが
重要な姿勢なるのではないか

そんなことを感じております。



■自分の中にも
人の中にも可能性があるはず、

それが大なり小なり違いはあるけども、
それらをできる限り花開かせよう

そんなスタンスで関われると、
前向きに人にも自分にも関われるかもしれない、

そんなことを改めて思った次第です。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

つねに良い目的を見失わずに努力を続ける限り、
最後には必ず報われる。

ゲーテ(ドイツの詩人・劇作家・小説家/1749-1832)

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【編集後記】
ただし、その人の中にある可能性も、
強い刺激や機会を与えなければ発現しない、
という意味で、結局は介入的な刺激も必要だとは思います。

自分で自分を追い込むときも、
ぬるぬるやっていても、あまり変わらずに
なんとなく過ぎていってしまうものですので。

可能性は大事にしつつの、
本人合意のもとでの、外からの強い介入が
(これはもはや介入と呼ばないのかもしれませんが)
その人の成長を強く促すのでは、などと思った次第。


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