配信日時 2022/04/18 12:24

「成功の物語」を見える化する ~研修評価のサクセスケースメソッドのご紹介~【カレッジサプリ】

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令和4年4月18日(第2978号)


「成功の物語」を見える化する ~研修評価のサクセスケースメソッドのご紹介~


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2067文字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日日曜日は、朝から
大学院の仲間と皇居ラン。

午後は友人宅へ家族でお邪魔いたしました。

他の方のご自宅に訪問すると、
その生活スタイルや、部屋のレイアウトなど
大変刺激になります。

「家庭菜園、イイ!」とか
「ベランダ素晴らしい」とか
「こういう食器欲しかった」などなど、、、

我が家の散らかりぶりを振り返るとともに(汗)、
自宅をアップデートするよい機会になりました。

今度はベランダを改造して
家庭菜園を作ろうと思いました。



さて、本日のお話です。

今日は、人事の方向けのお話で
参考になりそうなお話を
1点お伝えできればと思います。

テーマは、「研修評価」。

その中で

『サクセスケースメソッド』(以下SCM)

なる、非常に使いやすい一方、
その効果も注目されている方法について

皆さまにご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは



【「成功の物語」を見える化する ~研修評価のサクセスケースメソッドのご紹介~】



それでは、どうぞ。



■「数字」=「客観的でわかりやすい」、

一方、なんだか無機質で
見ていても、なんとなく
心動かされないことがあります。


そして心動かされなければ
行動に繋がることもありません。



■、、、そしてこれは
「研修の評価」でも同じかもしれません。

Q,この研修は役に立ちましたか?

と問うてみて

・5点満点で何点くらいだったか、
・その理由はなにか?

をアンケートで聞く、
ということが一般的ですが、

そこから見える数字は、

「なるほどね」を超えることが
なかなかない、、、

と思うこともしばしばございます。



■そう、数字だけだと
無機質なものになりがちなのです。

その数字の裏にある、

「参加者の中に
 どのような変化が起こったのか?」

「事前と事後、何が変わったのか?」

「どのような具体的な成果に繋がり、
 そうなった理由はなにか?」
 
、、、そんな

”エピソード”にこそ、
温度を持っている、情報がある。



■それらのエピソードを
具体的に掘り下げていくことで

”感情を伴った成功物語”

として言葉にすることで、

(例えば研修でも)

「数字」だけではなく
「物語」としても理解できる

というメリットがあります。



■かつ、そのように

成功例と失敗例をより
対象(参加者)に近づき、

虫めがねのようにフィーカスして、
解像度高くることで、

「研修をうまく活用できた人が
 何がそれを促進させたのか」
 
も理解できますし、逆に

「研修をうまく活用出来なかった人の
 成果に繋がることを妨げた要因」

も明らかにすることができます。

そうすることで、
研修プログラムのさらなる向上も
明らかにすることができるのです。



■そして、それを可能にするのが、


『サクセスケースメソッド』


という研修評価手法になる、

と言われております。

(前置きが長くなってしまいました、、、)


2002年にロバート・ブリンカーホフ氏により
書籍として提唱されました。



■要は、対象者に対する
「インタビュー」です。

そのやり方が、

・比較的シンプル
・ゆえに現場でもやりやすい

ことから、

実現可能性が高く、
お勧めできる手法の一つとなっているようです。



■では、どのようなステップで行うのか?

以下のような流れで進めていきます。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【サクセスケースメソッドの進め方】


◯STEP1:成功例を特定する

・報告書を見直す、研修のパフォーマンスデータを見直すなどで、
 研修をうまく活用された方を選抜します。
 
 
 
◯STEP2:インタビューの実施

(成功例)

1)何を使ったのか?(研修で学んだことの中で)

2)どんな結果になったのか?(それを行ったことで)

3)何が手助けになったのか?(研修内容を活用する際に)

4)助言があれば(参加者や教育スタッフに)


(失敗例)

1)何が邪魔したのか?(研修内容を活用しなかった理由として)

2)助言があれば(参加者や教育スタッフに)



※実施のポイント

・サクセスケースメソッドとありますが、
 「成功例」「失敗例」どちらも洗い出す事が多いです。

 100%の人に受け入れられる研修は、
 殆どないと言っても過言ではありません。
 
 その中で、「大成功の例」と「何の役にもたたなかった例」を
 同時に調べることでプログラム効果を向上させる情報を
 得ることができるとされています。 


・また、成功例はガッツリ30分ほど聞き、
 失敗例はサラリと聞く、というのがお勧めだそうです。
 (インタビュアーの気持ちとしても)
 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)


とのこと。



■私も研修後に、

このような形でインタビューを
行わせていただくことがありますが、

「なるほど、そういったところが
 役に立っていたのか 
 (あるいは障害になっていたのか)」
 
と大いに気づきになることがあります。


そして、これらの質問項目は
その他の教育全般でも使える
シンプルな質問内容でもあると思います。



■ということで、

4月の研修シーズンなどで、
ぜひ上記についてもご活用いただければと思います。


ご参考になれば幸いです。


※本日の参考論文です
↓↓
Brinkerhoff, Robert O.
 "The success case method: A strategic evaluation approach to increasing the value and effect of training."
 Advances in Developing Human Resources 7.1 (2005): 86-101.

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

予知するために予見する。
予見するために観察する。

オーギュスト・コント(フランスの社会学者/1798-1857)

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【編集後記】
以前読んだ論文も、振り返られないと、
どんどん記憶から揮発してしまいます。

言葉にする、言葉にした後も、たまに見返す。
自分の生きた知識にするために、とても大事なことだなと思いました。
(本当にびっくりするくらい忘れます汗)


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