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令和4年4月18日(第2978号)
「成功の物語」を見える化する ~研修評価のサクセスケースメソッドのご紹介~
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2067文字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日日曜日は、朝から
大学院の仲間と皇居ラン。
午後は友人宅へ家族でお邪魔いたしました。
他の方のご自宅に訪問すると、
その生活スタイルや、部屋のレイアウトなど
大変刺激になります。
「家庭菜園、イイ!」とか
「ベランダ素晴らしい」とか
「こういう食器欲しかった」などなど、、、
我が家の散らかりぶりを振り返るとともに(汗)、
自宅をアップデートするよい機会になりました。
今度はベランダを改造して
家庭菜園を作ろうと思いました。
*
さて、本日のお話です。
今日は、人事の方向けのお話で
参考になりそうなお話を
1点お伝えできればと思います。
テーマは、「研修評価」。
その中で
『サクセスケースメソッド』(以下SCM)
なる、非常に使いやすい一方、
その効果も注目されている方法について
皆さまにご共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【「成功の物語」を見える化する ~研修評価のサクセスケースメソッドのご紹介~】
それでは、どうぞ。
■「数字」=「客観的でわかりやすい」、
一方、なんだか無機質で
見ていても、なんとなく
心動かされないことがあります。
そして心動かされなければ
行動に繋がることもありません。
■、、、そしてこれは
「研修の評価」でも同じかもしれません。
Q,この研修は役に立ちましたか?
と問うてみて
・5点満点で何点くらいだったか、
・その理由はなにか?
をアンケートで聞く、
ということが一般的ですが、
そこから見える数字は、
「なるほどね」を超えることが
なかなかない、、、
と思うこともしばしばございます。
■そう、数字だけだと
無機質なものになりがちなのです。
その数字の裏にある、
「参加者の中に
どのような変化が起こったのか?」
「事前と事後、何が変わったのか?」
「どのような具体的な成果に繋がり、
そうなった理由はなにか?」
、、、そんな
”エピソード”にこそ、
温度を持っている、情報がある。
■それらのエピソードを
具体的に掘り下げていくことで
”感情を伴った成功物語”
として言葉にすることで、
(例えば研修でも)
「数字」だけではなく
「物語」としても理解できる
というメリットがあります。
■かつ、そのように
成功例と失敗例をより
対象(参加者)に近づき、
虫めがねのようにフィーカスして、
解像度高くることで、
「研修をうまく活用できた人が
何がそれを促進させたのか」
も理解できますし、逆に
「研修をうまく活用出来なかった人の
成果に繋がることを妨げた要因」
も明らかにすることができます。
そうすることで、
研修プログラムのさらなる向上も
明らかにすることができるのです。
■そして、それを可能にするのが、
『サクセスケースメソッド』
という研修評価手法になる、
と言われております。
(前置きが長くなってしまいました、、、)
2002年にロバート・ブリンカーホフ氏により
書籍として提唱されました。
■要は、対象者に対する
「インタビュー」です。
そのやり方が、
・比較的シンプル
・ゆえに現場でもやりやすい
ことから、
実現可能性が高く、
お勧めできる手法の一つとなっているようです。
■では、どのようなステップで行うのか?
以下のような流れで進めていきます。
(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【サクセスケースメソッドの進め方】
◯STEP1:成功例を特定する
・報告書を見直す、研修のパフォーマンスデータを見直すなどで、
研修をうまく活用された方を選抜します。
◯STEP2:インタビューの実施
(成功例)
1)何を使ったのか?(研修で学んだことの中で)
2)どんな結果になったのか?(それを行ったことで)
3)何が手助けになったのか?(研修内容を活用する際に)
4)助言があれば(参加者や教育スタッフに)
(失敗例)
1)何が邪魔したのか?(研修内容を活用しなかった理由として)
2)助言があれば(参加者や教育スタッフに)
※実施のポイント
・サクセスケースメソッドとありますが、
「成功例」「失敗例」どちらも洗い出す事が多いです。
100%の人に受け入れられる研修は、
殆どないと言っても過言ではありません。
その中で、「大成功の例」と「何の役にもたたなかった例」を
同時に調べることでプログラム効果を向上させる情報を
得ることができるとされています。
・また、成功例はガッツリ30分ほど聞き、
失敗例はサラリと聞く、というのがお勧めだそうです。
(インタビュアーの気持ちとしても)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
とのこと。
■私も研修後に、
このような形でインタビューを
行わせていただくことがありますが、
「なるほど、そういったところが
役に立っていたのか
(あるいは障害になっていたのか)」
と大いに気づきになることがあります。
そして、これらの質問項目は
その他の教育全般でも使える
シンプルな質問内容でもあると思います。
■ということで、
4月の研修シーズンなどで、
ぜひ上記についてもご活用いただければと思います。
ご参考になれば幸いです。
※本日の参考論文です
↓↓
Brinkerhoff, Robert O.
"The success case method: A strategic evaluation approach to increasing the value and effect of training."
Advances in Developing Human Resources 7.1 (2005): 86-101.
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
予知するために予見する。
予見するために観察する。
オーギュスト・コント(フランスの社会学者/1798-1857)
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【編集後記】
以前読んだ論文も、振り返られないと、
どんどん記憶から揮発してしまいます。
言葉にする、言葉にした後も、たまに見返す。
自分の生きた知識にするために、とても大事なことだなと思いました。
(本当にびっくりするくらい忘れます汗)
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