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令和4年4月4日(第2965号)
チームパフォーマンスへの影響:「タスク」か「人」か? ー231の研究結果からの示唆ー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1715文字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日の週末は千葉に
友人家族とキャンプへ。
天気予報と違って途中から激しい雨。
びしょびしょになりながら
ハードモードで終えました。
天気予報も気付くと変わっていることを
実感した週末でした。
*
さて、本日のお話です。
「予測」というのは
必ずしも100%当たるとは言えませんが、
ある程度の方向性を見せてくれるなど
役に立つものではあります。
今日はそんな「予測」について、
先日よりご紹介しております
「組織におけるストレングス・ベースの
リーダーシップ・コーチング」
『Strength-Based Leadership Coaching in Organizations
An Evidence-Based Guide to Positive Leadership Development』
https://www.amazon.co.jp/dp/B01CEFQWMI/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_WFSJHK5H0CHCFSB5WMK9
から、とあるお話を
ご紹介させていただければと思います。
「第9章 ストレングス・ベースの
アプローチによるチーム開発(後編)」
の章で紹介されていた
”チーム開発に与えるリーダーシップの影響”
のお話です。
それでは、早速参りましょう!
タイトルは
【チームパフォーマンスとリーダーシップの関連性 ~231の研究からわかったこと~】
それでは、どうぞ。
■チームのパフォーマンス(成果)には
様々な”予測変数”があります。
それこそ、
・目的意識
・関係性
・役割
・リソース
、、、それらを整理することは
また別の機会にさせていただくとして、
まあ、ご想像の通り、
色々あるわけでございます。
■そしてその中の、
重要な要素の一つが
「リーダーシップ」
でございます。
■ちなみに、リーダーシップには、
”タスクフォーカスとピープルフォーカスの
リーダーシップ行動”
の2種類にわけられます。
タスク軸は、目標達成に焦点を当てて、
いかに業務を効率的に行うか、
ピープル軸は、チームの関係性や、
個別の配慮など集団をいかに維持するか、
となります。
■そして、この2つの軸について
興味深い研究があります。
それが、
”リーダーシップとチームパフォーマンスの関連性を調査した231の研究”
(Burke et al 2006)
です。
タスク焦点のリーダーシップ行動と
ピープル焦点のリーダーシップ行動の両方が、
チームパフォーマンスの成果の分散のかなりの部分を説明できた、
とし、
・チームの有効性
・チームの生産性
・チーム学習
について
「どれくらい予測するか」を明らかにした、
というわけです。
実に興味深いですね。
■では、実際にそのような結果なのか、
以下、見てみたいと思います。
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○「チームの有効性と生産性」への影響
・タスクフォーカスリーダーシップ
→ チームの有効性の「11%」、チームの生産性の「4%」を説明した
・ピープルフォーカスリーダーシップ
→ チームの有効性の「13%」、チームの生産性の「8%」を説明した
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これを見ると、
チームの有効性と生産性への影響は
”ピープルフォーカス(人に注目する)のリーダーシップ”
のほうがより効果が大きいようです。
■次に「チーム学習」についても
見てみたいと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
○「チーム学習」への影響
・タスクフォーカスリーダーシップ
→ チーム学習の予測はされなかった(=影響は説明できなかった)
・ピープルフォーカスリーダーシップ
→ チーム学習の「31%」を説明した
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とのこと。
チーム学習については、
ピープルフォーカスのリーダーシップを発揮することは
大きな影響がある、と言えそうです。
■もちろん、どちらか一方だけが
あればいいというわけではなく、
どちらも大事、
ということではありますが、
こう見てみると、
「チーム開発において、
人に焦点を当てたリーダーシップ」
というのは、必要不可欠な条件である、
と改めて感じさせられます。
■これがやるべき仕事だから、と
理路整然と目標を掲げ、
タスクを整理されて割り振られたとしても、
結局それだけで人は動けない、
そんな事を考えさせられるようにも
思います。
■おそらく、多くの方が
直感的に分かっていることを、
あえて、
”リーダーシップとチームパフォーマンスの関連性を調査した231の研究”
(Burke et al 2006)
という観点から改めて見つめることで、
改めて発見があるような気もしますね。
ご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
忠告はめったに歓迎されない。
しかも、それを最も必要とする人が、
常にそれを敬遠する。
チェスターフィールド(イギリスの政治家/1694-1773)
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【編集後記】
子供が保育園に初めて行き、迎えに行った妻いわく、
「打ち上げられたアザラシのようにさめざめ泣いていた」とのこと。
新しい環境は、常にこわく、痛みがあり、そして学びになるもの。
自分も含めて、一歩ずつ進んでいきたい4月です。
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