配信日時 2022/04/02 07:36

高業績チームの「ポジティブな関わりの比率」から学ぶこと ~ロサダの研究より~【カレッジサプリ】

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令和4年4月2日(第2963号)


高業績チームの「ポジティブな関わりの比率」から学ぶこと ~ロサダの研究より~


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2019文字/読了時間2分半)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。
夕方からは16キロのランニングと、
その後、大学院の勉強会など。



さて、本日のお話です。

先日よりお届けしております、

「組織におけるストレングス・ベースの
 リーダーシップ・コーチング」

『Strength-Based Leadership Coaching in Organizations
An Evidence-Based Guide to Positive Leadership Development』
https://www.amazon.co.jp/dp/B01CEFQWMI/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_WFSJHK5H0CHCFSB5WMK9

について、本日もお届けしたいと思います。


本日の内容は

「第9章  ストレングス・ベースのアプローチによるチーム開発(中編)」
 
です。

チームに対して、強みにフォーカスをした
アプローチを用いるにはどのようにしたらよいのか、
その考え方やツールをご紹介しているこの章。

興味深いデータも揃っております。

早速みてまいりましょう!


タイトルは



【高業績チームの「ポジティブな関わりの比率」から学ぶこと ~ロサダの研究より~】



それでは、どうぞ。



■「チーム」によって、
成果に大きな違いがある。

このことはスポーツの競技でも、
実際の職場内を見てみても、
どこそこに見受けられますね。



■チームを構成する要素は、
その代表的なものが

”メンバー”

であり、

そのメンバーが、
SSSクラスに最強の能力を持った
スター選手ばかりだとしたら、

当然チーム内容のリソースは
高まっていきます。



■、、、しかし、興味深いのは

「強い選手ばかり集めたチームが
 必ずしも勝つわけではない」
 
ということ。

こういった事例は、
枚挙に暇がありません。

(野球とかサッカーとか
 その他スポーツ競技でもよくありますよね)
 
 

■その理由は

「グループ・プロセス」

にあるといえます。

グループ・プロセスとは、例えば、

・コミュニケーション
・暗黙の前提
・雰囲気や文化
・関係性

、、、などなどです。


目に見えないけれど、
確かに存在している、アレです。



■では、

「グループ・プロセス」の観点から、
高業績のチームを見てみると、
どのような特徴があるのでしょうか?


このことについて、
興味深い実験があるのです。

大手情報処理企業の、
60のビジネスユニットに対して行われた研究です。
(Losada and Heaphy,2004)


そしてそのことから、

『高業績チームは、
 ポジティブな関わりが多い』
 
などの特徴がわかったのでした。


以下、簡単に実験の詳細を
お伝えさせていただきます。

(ここから)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<業績ごとのチームの「ポジティブ比率」の研究>
(Losada and Heaphy,2004)


○{目的}

・高業績チームは、どれくらい積極性比率が高いのか?
(つまりポジティブな関わりが多いか)を調査する


○{対象}

・大手情報処理企業の上級60ビジネスユニット


○{実験の方法}

・収益性、顧客評価、360°データなどの客観的な成果指標に基づいて、
 業績・中業績・低業績に分けられた
  
・高業績チーム15チーム、中業績チーム26チーム、低業績チーム19チームが
 「チーム内の会話の質」について評価された

・肯定的コメントor否定的コメント」どちらが多いか
 「自分or外部」、どちらに話題が行くか、
 会話のトーンは「質問的or擁護的か」という3つの観点で調査した


○{結果}

・高業績チームは、中業績・低業績のチームよりも

1)「自分 or 外部」の言及のバランス」が取れていた
2)「自己擁護 or 質問」の言及のバランスが取れていた
3)「ポジティブなコミュニケーション」がより多く見られた
 
 ことがわかった、といいます。
 
 
※詳細の結果は以下の通り

*「自分-外部」比率について
 高業績チーム 1:1  中業績チーム 3:2  低業績チーム30:1

*「自己擁護-質問」比率について
 高業績チーム 1:1  中業績チーム 3:2  低業績チーム 20:1

*「ポジティブ-ネガティブ」比率について
 高業績チーム 5:1  中業績チーム 2:1  低業績チーム 1:3


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)



■さて、いかがでしょうか。

これ、実に興味深いなあ、
そしてなんだか明るい話だな、

とひとり、興奮してしまいました。

特に、


”「ポジティブ-ネガティブ」比率について

 高業績チーム 5:1 中業績チーム 2:1  低業績チーム 1:3”


という部分などはそう。



■今回の調査において、

高業績のチームはポジ:ネガ=5:1

の割合であったというのは、

ついできないことに目が行ってしまい、
欠点追求、是正、否定型で
時に萎縮してしまうこともありうる状況に

新しい考え方(ポジティブな関わり)という、
一つの風を吹き込んでくれるようにも
思ったのです。



■どうしても人は

”できないこと”

に目が向いてしまうことはあるし、

人の弱さゆえか、時にマウントをとる
(相手を下げることで有意に立つ)

ということもありえます。


しかし、一つの調査データから
このような結果が見えると、

少し捉え方を変えることも
可能になるのでは、

と思ったのでした。



■ちなみに、もっと最近の研究では

「ポジ:ネガの比率=3:1」

が最も成果が高まる、と
言われております。


相手の強みを認める。

良いところを承認する。

そんなコミュニケーションを、もっと増やす。



そんなポジティブな視点に軸足を起きつつ、
チームを効果的にしようと思うことで、

更に成果を高めるチームに近づくことが
できるのかもしれませんね。


参考になれば幸いです。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

感謝しているのにそれを伝えないのは、
プレゼントを包んだのにそれを渡さないことと同じである。

ウィリアム・アーサー・ウォード(イギリスの哲学者/1921-1994)

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【編集後記】
昨日は子供の保育園の入園式でした。
目・鼻・口から色んな汁と垂れ流しながら泣きまくっていましたが、
「新しい世界って不安なものだよね」、
子供でも大人でも通ずる”学ぶことの痛み”に思いを馳せた次第。
共に頑張ろう!


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