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令和4年3月31日(第2961号)
「オレ最強」という素人格闘家の試合から学ぶこと
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2125文字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日はコーチング研修の実施、
その他、アポイントでした。
また長らくお世話にいる方との
ランチ会食でございました。
その他、夕方は8キロのランニング。
*
さて、本日のお話です。
先日YouTubeを見ふけって
それを横目で見ていた妻から
「人によってハマる”沼”が
違って面白いよね」
といっておりました。
YouTubeは次から次へ
”関連動画”と称して、
視聴者が興味を持ちそうな動画を
ひたすら上げてくるので”沼化”の
リスクが非常に高く、恐ろしいです・・・
(ちなみに
妻は「インドの屋台メシ」を
紹介するYouTube動画に”沼化”し、
私は「格闘技動画」に
”沼化”する傾向がありました)
そんな中で、先日
”素人がガチで戦う格闘競技
(『Breaking Down』)、”
という新しい競技が
YouTubeで公開されており、
それを見ながら、「これは深い・・・」と
(勝手に)学びになったと感じたことがありました。
今日はそのお話について、
気付きをご共有させていただければと思います。
*
タイトルは、
【「オレ最強」という素人格闘家の試合から学ぶこと】
それでは、どうぞ。
■好みの好き嫌いがわかれますので、
あまりお好きでない方は申し訳ありません。
私も趣味でキックボクシングをやっていることから
”格闘系のチャンネル”
をよく見たりします。
真面目なものから
荒々しいものまで幅広く、です。
■本当にトップレベルの選手の方は、
そもそも動きが見えないですし、
同じ人間かと思えるほどの迫力で、
鍛え上げられた動物としての強さに
ただただスゴイなあ、、、
と感心するばかり。
一方、もう一つ面白いところは、
(盛り上げる行為としての)
”挑発行為”
だったりします。
「1ラウンドで終わるでしょうね」
「まあ、みててくださいよ笑」
等々、マイクパフォーマンスなのか、
試合への期待が高まります。
ただし、プロ選手の方々のものは、
ある程度その中にも節度があるようにも思います。
■しかしながら、です。
冒頭にご紹介いたしました、
”「素人」がガチで戦う格闘競技”
(『Breaking Down』)
については、ちょっと違います。
(もちろんエンタメとしての編集を
多分に含んだことは承知ではありますが)
「一発で終わり」
「オレがBreaking Downの顔になる」
「ま、オレは遊び呆けているけど、ぶったおすw」
というようなことを、
わりと「本気で言っている」ように
見てとれるところなのです。
重ねて興味深いのは、
”その選手は「格闘技経験なし」”
であり、素人であるというというところ。
■ただ、あまりにも自信満々なので、
「え、どうなるんだろう(ワクワク)」
「もしかしたら、もしかするのかな?!」
と期待が高まってしまいますし、解説者も
「いやー、面白い人が来ましたね!」
「実に楽しみですね」
と興奮押さえきれぬ様子で、
試合を迎えるわけです。
■そして、いざゴングが鳴ります。
「一発で終わり」
「オレがBreaking Downの顔になる」
「ま、オレは遊び呆けてるけど、ぶったおすw」
といった素人格闘家の方が、
やはり、期待通り、
”一発でぶっ倒される(苦笑)”
という結果に、
ほぼほぼなるわけです。
(一発でないとしても、
あーやっぱり、、、、みたいになります)
■、、、そしてふと思い出します。
世代の方はわかるかと思いますが、
「ガチンコ・ファイト・クラブ」を始め、
しばしば見られる、
”実力がない人が大口を叩き、
まさかが起こると思いきや、
やっぱり何も起こらなかった(実力がなかった)”
という構造です。
ある意味、ダチョウ倶楽部の
「絶対押すなよ!」の熱湯風呂の
お決まりパターンのようにも見えてきます。
■ただ、改めて考えたいのが
大口を叩いている人は、
「結構、本気でそう思っている」
風であるというところ。
(これは聞いてみたいとわからないですが
多分、本当にそう思っている人も
何割かはいる気がします)
■何でもそうですが、
ある程度熟達してくると、
自分のレベルが見えてきます。
ただ、まだその世界に入る前、
自分の実力がわからないころは
「オレってすげえ」
と、根拠ない自信を持ってしまうことが
しばしば見受けられます。
ちなみに、これは、
『ダニング・グルーガー効果』
と呼ばれるもので説明ができます。
これは、
「無能な人ほど、自分の能力を
過大に見積もってしまう」
という現象と言われ、
能力の低い人が正しく自己認識を出来ていないという
先行研究として説明されています。
※詳しくはこちら
↓↓
『ダニング・クルーガー効果 ~自分を高く評価していたら危険?!~』
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/10267/
■そして、今回の素人格闘家の
”大口叩くけれども、
やっぱりやられる”
というのは、まさに
このダニング・クルーガー効果を
一通り実証実験しているような感覚を覚えて、
「いやはや、実に深い・・・」と
考えさせられた、、、、というお話。
■そして同時に、自分自身を
振り返っても考えさせられます。
自分が
「これ、結構イケてるんじゃね」
と思うことがあったとしたら
それはもしかするとリスクかもしれない、
ということです。
特にその領域が、
外界に晒されていなかったとしたら
なおさら危険です。
■仕事において
自分の専門領域であったとしても、
「今のチーム」という
限られた世界での基準で見ていて
「市場の基準」
と照らし合わせることを
していないとするならば、
もしかすると先程の
素人格闘家とまでは言わずとも、
自己認識に歪みが出ている可能性も
ゼロとはいえない、、、と思ったのでした。
■「自分自身を正しく認識する」こと。
「一発で終わる」
「ぶったおす」といいつつ、
”ぶっ倒されてしまう”シーンを見て、
改めて自分自身の大切さを
考えさせられるとともに、
帯を引き締め直していこう、
と思わされた次第です。
自戒を込めて。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
自分の姿をありのまま直視する、
それは強さだ。
岡本太郎(芸術家/1911-1996)
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【編集後記】
最近、大学院(人・組織づくりの専門領域)でも、
ピアノ(発表会を通じた皆のレベルを知る)でも、
外の世界に開いていくことによって、(良い意味で)私自身が、
「まだまだ勉強不足もよいところであった」と認識をしており、
やっぱり自分自身を理解することは大事だよな、と感じています。
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