配信日時 2022/02/21 10:04

人は見ているようで、見ていない/ディティールに込められた思いを読む【カレッジサプリ】

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令和4年2月21日(第2923号)


人は見ているようで、見ていない/ディティールに込められた思いを読む


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2481字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日日曜日は、月1で通っている
ピアノのレッスンでした。

昨年くらいから通い始めて、
ちょうど1年になります。

3月13日(日)に発表会があるとのことで、
色々と悩んでおりましたが、
結局参加することになりました。
せっかくの機会なので、しっかり練習したいと思います。

(頭が真っ白になって崩れ落ちないように、、、汗)



さて、本日のお話です。

昨日ご紹介した書籍
『観察力の鍛え方』(著:佐渡島庸平)から
特に印象的だった話がありました。

今日はその学びと気付きについて、
皆さまにご共有させていただきたいと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは



【人は見ているようで、見ていない/ディティールに込められた思いを読む】



それでは、どうぞ。



■見ているようで、見ていない。

読んでいるようで、読んでいない。


もしかすると、
日常得ているインプットの多くは
実はそんな風になっているのかもな、

としばしば思います。



■例えば書籍を読んだ時、

”読んでいて、何か残ったんだけど、
 何と言葉にしていいかわからない時”

が、そんな感じです。

書かれている文字を
頭の中で読み上げて、

そして意味を解釈したり、
何かしらの感情の揺れを感じてはいる。

ただ、その”印象”を言葉として
具体化するには至っていない、そんな感覚。


、、、そしてそれは、
実はそれは私だけではなく、

皆さまの中にも、
同様に感じたことがある方、
いらっしゃるのではないか、

と思いますが、いかがでしょうか。



■そして私事ですが、最近、

大学院の関連で「論文」を読むときに
強く感じる事が増えました。



「論文」とは、その音の響きから、
すでに、とっつきづらいです(汗)

しかし、論文がすごい!と感じるのが

「論理的で正確であること」

なのです。

論文だから当たり前だろ、と言われるとそうですが
誰が読んでも、”解釈のブレがないように”
書かれているのです。

ゆえに、

言葉の「定義」も明確、ですし
言葉の「使い方」も、意図して使い分けられています。
言葉の「表現」も、幅広く明瞭です。



■たとえば、ですが

著者が「そう思っている」という
自身の主張を伝えるときも、

「その”確からしさ”のレベル」から、

・~と考えられる
・~と推測される

という比較的強めの表現を
用いるときと

・~ということを示しているのではなかろうか

という比較的弱めに伝わる言葉を選ぶなど、
一つ一つの言葉が意図を持って使われています。

そして論文とは
そういうルールになっているようで
それらを読み進める中で、

「ここまで丁寧に言葉を選んで
 表現しているのか」
 
とその論文が
原稿用紙10枚分程度であったとしても、

そこに込められた研究と考察の密度に、
尊敬の念を抱くのです。



■ただ、そのように書かれた文章は、

一つ一つを丁寧に描きたいがゆえに、
全体を眺めたときに滑らかではない印象を持ちます。

森を描くときに、その森を構成している木々と、
そしてその葉っぱと、その並び順版を丁寧に描くがゆえ、

全体としての統合感よりも、
部分が目立つからなのかもしれません。


しかし、そこに込められた情報は膨大です。



■では、自分が読むときに、

「意図された言葉一つ一つのディティールに
 どこまで意識を払って読んでいるのか」

と問われると、

ざっくりしか読めていない、
と答えざるを得ない、と思っています。



その理由は

「自分の読み解く力の不足によって
 ディティールに込められたものを理解できない」
 
ことがあります。

その中で、先に先に、、、
と前に進めても、

どうしても”眺めているだけ”に
なってしまうように思うのです。



■昨日、ご紹介いたしました

『観察力の鍛え方』では、
こんなことが書かれていました。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

多くの人は、見たいという欲望を持つ。

雑誌の袋とじは、なぜか中身を見たくなる。
でもそれを買って、家でじっくり見る人はほとんどいない。

少し見るだけで、もう「知っている」「わかっている」と
それ以上の欲望を持つことをやめてしまうのだ。

そのような「見ているようで見ていない」から脱却し、
観察力を上げるための第一歩。

それは、まず「言葉にしてみる」こと。
見ているものを言葉に置き換えることで、
仮説が思い浮かびやすくなるだろう。


頭に浮かぶ漠然とした印象という「抽象」的なものを、
言葉という「具体」に一度、落とし込もう。

そして、その具体の集合から、
作者の意図などの「抽象」を推測する。

こうした「抽象→具体→抽象」の作業を繰り返すことで、
観察の質は上がる。

言葉を使うことで、自分の観察のいい加減さを自覚できる。
自覚すると、人は次の一手を打つことができる。


引用:『観察力の鍛え方』P53より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)



■この文章から思うのが、

”印象という「抽象」的なものを
 言葉という「具体」に一度、落とし込む”
 
ことの大切さです。


なんとなく文面を眺めて
「わかったつもり」になってしまう。

でも、その印象をわかったつもりから
一歩、歩を進めて見て、
なんとか言葉にしようとする。

その「具体化」させようとするプロセスの中で
自分の中にあったモヤっとしたものが
形を持つようになります。


そしてそのプロセスを通じて、
著者が言いたかったことを
初めて受け取ることができるようになるのかもしれない、、、

と、感じています。



■私(紀藤)も、最近のメルマガで

・フォロワーシップの論文
・ジョブ・ディスクリプションの論文
・強みとコーチングの論文

などについて、

そこに書かれていることを
ゆっくり読んで、考えて咀嚼して、
自分の言葉で言い換えて表すことをしてきました。

そうすると、必然的に
一つ一つの文章に向き合いますし、
”観察力”を発揮せざるを得なくなります。

そうすることで、

”著者が伝えたかった考察を
 初めて理解することができる”
 
気がします。



■観察力を磨くこと。

相手の言葉等の作品を
丁寧に咀嚼すること。

気づきを言葉にすること。


そのプロセスによって

使える新しい言葉も増え、
印象を言葉にする力も広がり

そして世界の見え方も
ちょっとずつ変わっていくのでは、

そんなことを感じている次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

もし私が価値ある発見をしたのであれば、
それは才能ではなく、忍耐強く注意を払っていたことによるものだ。

アイザック・ニュートン(イギリスの自然哲学者/1642-1727)
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【編集後記】
先週、少しランニングができなかったので、
今週は40キロ走ろうと思います。
ピアノの発表会まで3週間。
そしてウルトラマラソンまで3ヶ月。

なんだか大学院の疲れの反動で
学問から離れたがっているのか、、、と
ふと思ってしまいました。

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