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令和4年2月13日(第2915号)
今週の一冊『私の財産告白』
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2859字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は大学院の同期と
皇居ランニング10キロへ。
実に楽しい時間でございました。
定期的なランニングをしながらの交流、
これからも継続的にやりたいなと思った1日。
今年のウルトラマラソン100キロまで
あと3ヶ月なので、そろそろ足を鍛えないとな、
と思っております。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『私の財産告白』
本多静六 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09JWKCNGN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_A4HBXVXRYY3PHCM9X3P0
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でございます。
■財産とかお金というと、
とても大事なものであると
誰もが認識している一方、
おおっぴらに語るのが憚られたり、
触れたいけど触れづらかったりする
独特なテーマだな、と感じます。
■高校生か大学生のときか何かに、
「愛はお金で買えるか否か」
議論にお酒を飲みながら、
盛り上がった記憶がありましたが、
結論、
「愛はお金で買えなさそうだけど
愛を守るには多少のお金は必要」
というオチで合意が得られたことを
ふと思い出しました。
そして、割と上記の答えは
的を射ているように思います。
■私(紀藤)の個人的な話ですが
先日、”お金”にまつわるお話で
妻と食卓を囲みながらこんな話題になりました。
*
妻がふと、こんな話をしました。
「先日、ツイッターでフォローしている人が
お母さんが認知症になったという話を書いていて。
結果、お母さんを施設に入れることになったらしいのだけど
施設の空きがなくて、民間の施設に入れることになったが
そこの費用がかなり高額らしい。
毎月15万ずつ負担することになって大変らしい」
そして、続けます。
「正直、これって自分たちも含めて
かなり現実的な話だな、と思ったよね」
とのこと。
そして夫婦ともども
「やっぱり”備え”って大事だよね」
としみじみと語り合っておりました。
■人生、何が起こるかわかりません。
話は変わりますが、少し前に、
大学院の講義の中で
『リスクマップ』
というお話を学びました。
どういう考えかと言うと、
組織がトラブルで致命的なダメージを追わないように、
そして倒産などしないために、
・縦軸=『起こった際のインパクト(大・中・小)」
・横軸=『起こる確率(高・中・低)』
として会社で起こりうるリスクを
マトリクスとして9ブロックを作っておく、
そしてそれぞれの予防と対策を考えておく、
ことが大事である、というお話。
そうすると、
”リスクやアクシデントに対して
予防や対処がしやすくなる”
というお話でした。
■そして先程の、家族の介護の話も含めて考えると、
この「リスクマップ」の話は、
”個人や家庭の人生戦略”
にも当てはまる考えだと思えてきます。
例えば、
・インパクトが「大」✕ 起こる確率「高」
→子供の学費、老後の資金 となりますし
・インパクトが「大」& 起こる確率「中」
→親の介護、病気 となりそうですし
・インパクトが「大」& 起こる確率「低」
→不慮の事故、会社の倒産、天災、ハイパーインフレ等
と考えることができるかもしれません。
そして、それぞれの状況を想定して
予防と対処を行っていおり、
もし”何か”が起こった時に対応ができるという自信があることと、
きっと大丈夫だろう、で考えないでおくというのは、
日々の気持ちの安心度や幸福度にも
多少の影響を与えるようにも感じます。
■本の紹介から、
大きく話が横道にそれて、
家計の話になってしまいましたが、
何がいいたいかと言うと、
「やっぱりお金は大事だよね」
というお話。
ここまで話をしてきたように
リスクヘッジという「守り」の意味では
もちろんそうです。
そして、自分へ投資をするとか
学びを行うなどの「攻め」についても同様です。
学ぼうと思って
大学院に行くのだってお金がかかりますし、
メルマガを配信するのだって
サーバー代もかかりますし、
本を買うのにも、やっぱりお金は必要。
大学院関連の専門書等は
結構高いので5000円くらいしますし、
学びだってただではないものです。
■ゆえに、
人生において「守る」も「攻める」も
やっぱりお金というのは避けて通れないテーマである、
と改めて思うのです。
そして、似たようなことは
(一部の方を除いて)多くの方は
大なり小なり考えているのではないか、
、、、と思うのです。
■そして、今回ご紹介の書籍
『私の財産告白』
はまさにそんな私たちに
活きた知恵を与えてくれる一冊です。
戦前戦後に生きた
林学博士であり、一大学教員(サラリーマン)であった本多静六氏が、
晩年85歳の際に書かれた本です。
この本は、
”テクニック的な投資本を読むよりも、
この本をまず読んだほうがよい”
といくつかの本で紹介されており
読んでみたところ、実に深い学びになったと
感じさせられた一冊です。
※ちなみに本多静六氏とはこんな方です。
本多静六(ほんだ せいろく)
慶応2年7月2日(1866年8月11日) - 昭和27年(1952年)1月29日)
日本の林学者、造園家、株式投資家。
日本の「公園の父」といわれる。
苦学して東大教授になり、
「月給4分の1天引き貯金」を元手に投資で巨万の富を築き、
大学定年退官と同時に全財産を寄付した。
(Wikipediaより)
■本多静六氏は、
大学の教員として生活を切り詰めつつ、
種銭を作り、その上で投資をして巨万の富を得たのち、
それらを全額寄付して無一文になった方です。
富を得ることに成功され、
その上で富を得ることの魔力のようなことも感じ、
そして手放すことの意味も考えられた方。
そんな本多氏があえて
この本を書いた理由は、このように書かれていました。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
”実をいうと、いかによいことでも、
それが自分の実践を元にして、
しかも相当の成果を挙げたことを語る場合、
なんだか自慢話になってやりにくいものである。
ことに財産や金儲けの話になると
在来の社会通念において、いかにも心事が陋劣(ろうれつ)で
あるかのように思われやすいので、
本人の口から正直なことがなかなか語りにくいものである。
金の世の中に生きて、金に一生苦労をし続ける者が多い世の中に、
金についての真実を語るものが少ないゆえんもまた実はここにある。
それなのに、やはり、財産や金銭についての真実は、
世渡りの真実を語るに必要書くべからざるもので、
最も大切なこの点をぼんやりさせておいて、
いわゆる処世の要訣を説こうとするなぞは、およそ矛盾も甚だしい。
そこで、あるいはこうむるであろう、
一部の人々の嗤笑(ししょう)を覚悟の前で、
柄にもなく、あえて私の行うに至ったのが、
この『私の財産告白』である。
もとより、平々凡々を極めて、
一平凡人の告白である。
(自序/まえがきより引用)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■軽薄な表現になってしまい恐縮ですが
読んで感じたことは
”努力により富を築いたおじいちゃん(偉人)が
言いにくいお金・財産などについて
懐事情も全部開示して、事細かに語ってくれた話”
のようなイメージ。
大変説得力があると同時に
現実的な話である、と感じました。
・どれだけ貧乏でも
種銭を作らなければいけない
・そのためには家計簿をつけるべし
・四分の一は天引きして貯蓄すべき
等々、今にも生きる考え方が満載です。
■私自身も読みながら、
お金や財産について家庭でも
改めて考えさせられました。
今はFIRE(Financial Independence Earth Retire)
なんて言葉もありますが、
きっとそれ以上に本質的な
お金と生きる姿勢を教えてくれるようにも思います。
私もこのあたり、まだまだできていないので
将来に向けてしっかり考えたいな、と思った次第です。
ご興味がある方は、よろしければぜひ。
(Kindle Unlimitedで読めます)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『私の財産告白』
本多静六 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09JWKCNGN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_A4HBXVXRYY3PHCM9X3P0
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【編集後記】
読んだ本について、ただ読むだけではなく
学んだことを言葉にすると何を学んだのか、
あるいはぼんやり理解しただけなのかが明確になります。
本はまとめてこそ、なのだろうなと思う次第。
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