配信日時 2022/01/05 06:03

診断型組織開発とは何か ~エントリーと契約~【カレッジサプリ】

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令和4年1月5日(第2876号)


診断型組織開発とは何か  ~エントリーと契約~


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2237字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は終日、
南山大学、立教大学、玉川大学合同の
診断型組織開発を学ぶ合宿の参加でした。
その後、8キロのランニング。



実に色々と考えさせられる
学びの時間でしたので、

本日はその合宿からの学びと気づきを
ご共有させていただければと思います。
(少しマニアックな話ですので、ご了承ください)

それでは早速まいりましょう!

タイトルは



【診断型組織開発とは何か ~エントリーと契約編(その1)~】



それでは、どうぞ。



■ご存知の方にとっては今更ですが、

「組織開発」

と呼ばれる組織づくりの
取り組み手法があります。

ざっくり言えば、

「組織のプロセスに気づき、 
 良くしていくための取り組み」

です。


もう少し詳しくいうと
以下のような表現でも説明されています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<組織開発とは>

1)人を集めてもてんでバラバラで、チームの成果を出せない場合に、
2)あの手この手を使って
3)組織を「Work(成果出せるように)させる」意図的働きかけであり
4)そのことでメンバーにやり取りが生じ
5)チームの共通の目標に動き始める手助けをすること

※中原・中村(2018)『組織開発の探求』P36
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



■ご覧頂いたとおり、

”あの手この手を使って働きかける”

ということで、

一つに絞れるものでもなく、
様々な手法を包含する言葉
(アンブレラワード=風呂敷のようなもの)

となっていますので、
その流れも中々に掴みどころがありません。


加えて、

氷山の上の部分に当たる、

”目に見える問題事象(=コンテント)”

を直接扱うのではなく、

氷山の水面下にある

・コミュニケーション、意思決定のされ方
 目標の共有、役割分担、手順や進め方
 リーダーシップ、暗黙の決まり事、
 雰囲気や風土、関係性、メンバーの状態

などなど

”目に見えないが存在している
 チームに隠された真因(プロセス)
 
部分に向き合う、というのが
組織開発の基本型になります。

ゆえに、組織開発とは、
実に分かりづらいのです。



■組織開発っていったって
何を、どんなプロセスで行えばよいのか?

”見える化→ガチ対話→未来づくり”

という大まかな型はあるとて、

具体的な手法として
どのような「正攻法」があるのか、、、

というのが人づくり組織づくりに
関わる人にとっても、

実に悩ましいテーマである
と思っております。



■そんな中、今回の合宿において、
その代表的な手法、

『診断型組織開発』

というプロセスを学んでおり、
その「基本の型」が、

人と組織に関わるあらゆる方、
お役に立つのではなかろうか、

と思ったのでした。



■ちなみに、

『診断型組織開発』とは

「データを収集し、分析し、
 フィードバックをした上で
 当事者(関係者)での対話がされる」
 
※中原・中村(2018)『組織開発の探求』P300

という手法となります。

そしてその流れが、
以下のようなプロセスとなっています。


(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<「診断型組織開発」の流れ>

1)エントリーと契約:
・クライアントのニーズを把握し、
 進め方やお互いの役割を合意する。
 
2)データ収集:
・インタビュー、質問表、観察などで
 プロセスに関するデータを収集する。
 
3)データ分析:
・データを整理する
 (診断モデルに基づいて整理がなされる場合がある)
 
4)フィードバック:
・データをクライアントにフィードバックし、
 対話を通じてプロセスについての気付きを促進する。
 
5)アクション計画:
・焦点づけられ、共有されたプロセスを変革するための
 アクションを計画する
 
6)アクション実施:
・計画されたアクションを実行する

7)評価:
・合意された変革目的が
 どれくらい達成できたかを評価する
 
8)終結:
・変革目的が達成された場合は集結する

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)


■こう並べてみると、
少し複雑なようですが、

通常の人材育成や研修と、
組織開発で一番違うのは、

「クライアントとコンサルタントが
 共に作り上げていくプロセス」
 
が組織開発であることです。



■ゆえに、

”何かしらのプログラムを
 一方的に教えたり伝えていくもの”
 
ではないわけです。

、、、とした時に、
最初のポイントは、

「エントリーと契約」

において、

「組織開発提供者が
 何か提供してくれるんでしょモード」

ではなく、

「共に目的を合意して、
 そこに向けて共に歩む」

ことを、心理的に握っておくことが
重要となります。



■「目的を共に握る」となると、

クライアントにとって
「目的」の定義がしっくり来る必要があり

そのためには、
言葉もクライアント自身が語ったものであること
も大切となりますし、

・表現の重さ・軽さ、
・ポジティブ、ネガティブ、
・抽象度と具体度のバランス

などなど

微妙なニュアンスを
言葉として包み込む技術も必要となり、
これもまた難しさを感じるのでした。



、、、しかし、この最初の

「エントリーと契約」

が上手く言っていないと
結果的に”ほぼコケる”となってしまい、
非常に慎重かつ力を入れてやることが必要、

そんなお話を学んだのでした。

(この話は、本当に納得です。
 私も痛い経験をいくつかいたしました)




■ということで、今回は

・組織開発とはなにか
・診断型組織開発の全体像
・エントリーと契約

のお話をご共有させていただきました。

また、

「”基本の型”を身につけること」
「何事も最初が肝心である」

そんなことを、ひしと感じた次第です。



※より深く知りたい方はこちらの書籍をどうぞ。

『組織開発の探求 理論に学び、実践に活かす』
(中原淳、中村和彦/著)
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/9707/


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

私は現実をしっかりと見据えた
理想主義者でありたい。

ロバート・ケネディ(米国の政治家/1925-1968)

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【編集後記】
改めて型にそって学ぶと大いなる気付きがあります。
大学院にはいって、こういった学びが無料で受けられることに
感動を覚えております。本当にありがたい限り。
自分の血肉にせねば、、、と切に思います。


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