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令和3年12月14日(第2854号)
「恋だとか愛とか」を統計で示してみる
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2045字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
最近、「統計学」について
大学院で学んでおります。
この学び自体が難しく、
私もまだまだ道半ばではありますが、
”説得力をもたせ、
人を巻き込むことができる
可能性に満ち溢れた学問である”
ということは感じております。
今日はそんな
「統計学(特に心理統計)」の魅力について
皆さまに学びをご共有させていただければと思います。
それでは参りましょう。
タイトルは、
【「恋だとか愛とか」を統計で示してみる】
それでは、どうぞ。
■「心」という見えないものは、
手触り感が持ちづらいものです。
「私のこと、どれくらい好きなの?」
(手をめいっぱい広げて)
「これくらい好き!」
なんて言っても、
やっぱりよくわからない。
(何だか90年代のトレンディドラマみたいな
表現ですが・・・)
それはひとえに、
「心」が見えづらいものだからでしょう。
■しかし、
心理統計(心理学×統計学)を用いると、
”「心」を数字で表す”
ことができるようになります。
そして手触り感ができ、
説得力をもたせる事ができる。
ここが、心理統計の
面白いところでございます。
■例えば、恋愛感情を測定する
『恋愛感情尺度』(Rubin,1970)
というものがあります。
ルビンという人が、
1970年に開発をしました。
以下の項目がその内容となります。
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『恋愛感情尺度』(Rubin,1970)
1.〇〇が元気がなかったら、何をおいても励ましてあげたい
2.〇〇を、全面的に信頼している
3.〇〇の欠点は気にならない
4.〇〇のためなら、どんなことでもしてあげるつもりだ
5.〇〇を独り占めしたい
6.もし〇〇と一緒にいることができなくなったら、私はとても不幸になる
7.寂しいとき、〇〇に会いたいと最初に考える
8.私にとって一番関心があるのは、◯◯が幸せになることだ
9.〇〇がどんなことをしても、私は許すことができる
10.私は、〇〇を幸福にすることに責任があると思う
11.〇〇と一緒にいるときは、ただ〇〇を見つめているうちに時間が過ぎる
12.〇〇から打ち明け話をされると、とても嬉しく思う
13.〇〇と仲良くしないでいるのは、できないくらいつらい
※〇〇は相手の名前が入ります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これらの項目を、
5 大いにあてはまる
4 あてはまる
3 どちらともいえない
2 あてはまらない
1 全くあてはまらない
という5件法(リッカート尺度ともいいます)
で数字にしてみるわけです。
そしてスコアが大きくなると
「LOVEの大きさが
数値化される」
となるわけです。
(もちろん、上記も主観なので
厳密にその大きさを測ることはできませんが、
大まかに見ることができる、というイメージかと思います)
■対して、こんな尺度もあります。
これは
『好意尺度』
と呼ばれるものです。
同じく1970年にルビンさんが
開発をいたしました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『好意尺度』(Ruvin,1970)
1.私は〇〇と一緒にいると、いつも同じ気分になる
2.〇〇は、非常に適応力がある
3.〇〇を責任のある仕事に、強く推薦することができる
4.〇〇は、人間的に成熟している人物だと思う
5.〇〇の判断力には、絶大な信頼を置いている
6.〇〇に会って話をすれば、誰もが好意を持つと思う
7.〇〇と私は、とてもよく似ている
8.クラスやグループで選挙があれば、〇〇に投票する
9.〇〇は、人から尊敬されるような人間だと思う
10.〇〇は、とても知的な人だ
11.〇〇は、私の知人の中で、最も好ましい人物の1人だ
12.〇〇のような人物になりたいと思う
13.〇〇は、賞賛の的になりやすい人物だと思う
※〇〇は相手の名前が入ります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
たくさん当てはまると、
「LIKE」の好意感情を示している、
となります。
■上記の内容は、
「恋愛感情」とか「好意感情」という
目に見えないものを”尺度”と呼び
『ものさし』
として数値化をしたわけです。
こうすることで、
「彼/彼女のことを
好きなんだろうか?」
という感情を見える化したり、
あるいは
「どれくらい相手のことを
(恋愛として)好きなのだろうか」
という”ものさし”が手に入り、
周りからも見えるようになる、
となるわけです。
■そして、このような尺度は、
他にも、たくさん開発されています。
『心理測定尺度集』
という本でそれらものが
幅広くまとめられていますが、
・自尊感情尺度(山本・松井・山成,1982)
・自己嫌悪感尺度(水間,1996)
・ユニークネス尺度(山岡,1994)
・夫婦関係満足尺度(諸井,1996)
・友人関係尺度(岡田,1995)
・生きがい感スケール(近藤・鎌田,1998)
・学校ぎらい感情測定尺度(古市,1991)
・学習動機尺度(市川,1995b)
・・・etc.
100以上の種類の尺度が
開発、紹介されています。
■このように、
見えないものを
”尺度”というものさしを使い、
そして数値化する。
そのことで手触り感、説得力を
もたせることができる。
これが
「統計(心理統計)」
の興味深く、有用だと
感じるところでございます。
■そして、この”尺度”は
もちろん、組織にも活用できます。
今よく言われる、
・エンゲージメント
・心理的安全性
・ウェルビーイング
などの見えないものも、
このように”尺度”として表し、
活用されつつあります。
■見えないものを見える化する。
説得力をもたせ、
そして人を巻き込む。
そのために統計学は
非常に有用な学問である、
と感じている次第です。
(勉強、頑張ります、、、と
言い聞かせるために書いてみました)
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<本日の名言>
ものごとを正しく見るには、
たった一つのやり方しかない。
ものごとの全体を見ることだ。
ジョン・ラスキン(イギリスの思想家/1819-1900)
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【編集後記】
統計学、この年末年始に気合をいれて、
どこかで学びたい、と思っております。
自信がないですが、これを使いこなせたら
きっと新しい世界がみえる(はず)。
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