配信日時 2021/11/30 09:20

『赤ちゃん本部長』から学ぶ、助け合いの文化づくり【カレッジサプリ】

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令和3年11月30日(第2840号)


『赤ちゃん本部長』から学ぶ、助け合いの文化づくり


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1984字/読了時間2分半)


■おはようございます。紀藤です。

最近、とある漫画が
仕事の合間に癒やしになっております。

その名も

『赤ちゃん本部長』
https://www.amazon.co.jp/dp/B07BF963NY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_6NYK2Z9VCR6G73XQ3VDH

なる漫画。




タイトルから想像して
ちょっとゆるそうな感じですが、
(実際ゆるいんですけど)

意外と侮れないのです。


職場のダイバーシティや、
リーダーシップについても
考えさせられる教養本であり、
良質かつ笑えるギャグ漫画でもあります。

NHKのアニメにもなっているくらい
名作でございます。


今日はこの漫画のご紹介と、
そこから感じたことについて
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、



【『赤ちゃん本部長』から学ぶ、助け合いの文化づくり】



それでは、どうぞ。



■『赤ちゃん本部長』。

この漫画のストーリーは、

”株式会社モアイに勤める武田営業本部長47歳。

 ある朝目覚めると、中身はそのままで身体だけが赤ちゃんに!
 どうやら生後8ヵ月ぐらいの大きさらしい。

 部下の坂井部長、天野課長、平社員の西浦を巻き込んで、
 前代未聞の社内育児が開幕!”
 
 
というお話です。



■1巻の冒頭1発目から

「ある日、本部長(47歳)が
 生後8ヶ月の赤ちゃんになってしまいました」
 
という唐突な設定からスタート(!)。

なんの予兆も、理由もなしです。



■武田部長は生後8ヶ月なので、
一人で歩けません。

しかし、流暢に喋れるし、
知能も記憶も47歳のまま。

武田営業本部長は

「仕事でみんなに
 迷惑をかけるわけにはいかない」

ということで、赤ちゃん本部長として
出社をして、メンバーに育児をしてもらいながら働く、

という設定です。



■部下が本部長を育児するという、
なんとも面白い設定。

すると職場で色々起こります。

例えば、

・本部長に、ミルクを
 定期的にあげないといけない

・本部長が意志とは関係なくう◯ちがでる
(そして部下がおむつを替える)
 
・会議が終わったら昼寝をしてしまう

・基本、移動は部下のだっこ

・ストレスがかかると泣いてしまう

…等々。


それまで強面だった本部長が
赤ちゃんになったことで

”本部長という
 部下を率いる立場であると共に
 同時に守られる存在”
 
となり、お互いの関係性が変わっていくのです。



■その設定を

普通に受け止めている
周りの部下たちも面白いのですが、

そこでは、

本部長が赤ちゃんになることで
部下との関わりが変わるところが
実に興味深いのです。


姿形が、赤ちゃん。
かわいいフォルムになっている。

仕事はテキパキするのだけど
ふいに寝てしまったり、泣いてしまったり、、、。

「上司が弱みを見せると
 部下も安心できるようになる」

なんていいますが、
まさにその極みです。

営業部内に心理的安全性が
自動的に発動します。



■本部長もが周りのサポートを
積極的に受けるがゆえに

組織成員も自分のことをさらけ出して、
自然体でいられるようになっていく。

仕事だけではなく、
色々なことがあることも
本部長自身が理解していく。

業務ではサポートができないから
赤ちゃんとして抱っこされながら
お話を聞いたり、寄り添ったりする。



■そうして皆が、

自分たちで出来ることを
本部長の育児を通じてサポートしあっていく

そしてそれらを通じて、
自然とお互いが助け合う職場として
活性化していく。

この動きが、実に興味深い、、、

と思ったのでした。



■さて、これらの話から、
とある「職場学習」のお話を思い出しました。

それは


『互酬性規範』


というヤツです。

ちなみに、互酬性規範とは、

”「もし職場メンバーのAがBを助けたとしたら
 AはBに限らず、職場の他の人から返報されるだろう」
 という社会的期待である。”(小林・池田2006)
 
とのことです。


つまり、

”職場内でのサポートが日常的に行われていると、
 自分も助けてもらえるだろう、と思えて
 相互支援の組織文化が生まれる”

というお話です。


今回の話で言えば

”本部長が積極的にサポートを受け、
 また部下の話を積極的に聞くことで
 職場の互酬性規範が高まった”

とも言えるな…と思ったのでした。
 


■リーダーの存在は
想像以上に大きいものです。

その言動が部下や職場の雰囲気に、
知らず知らずに、影響を与えるもので、

「リーダーは組織の文化を創る」

といわれたりします。



今回の
『赤ちゃん本部長』から思うことは、

”必ずしも、威厳を保って
 テキパキ指示をするだけが
 上司の仕事ではない”
 
ということでしょうし、同時に

”職場の助け合い、
 お互いに補い合える文化を創ること”

もとても大切な要素なのだろう、
と考えさせられたのでした。


強くて、頼もしいだけが
リーダーではなく、

時に弱みも見せながら
お互いに助け合い、補い合い、

そして皆がイキイキと活躍できる場所を創ることが
とてもリーダーとしてのとても大切な
役割なのかも知れない、、、

そんなことを思った次第です。



■本書では

ダイバーシティを考える実に多くのテーマが、
コミカルな視点で描かれています。

とても面白いし、考えさせられます。

ということで、お仕事の息抜きに
よろしければ、ぜひ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆様にとって、素晴らしい1日となりますように。


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<本日の名言>

理性をむき出しに表さないで、
愛嬌というか、人情というか、
ともかくそうしたたぐいの衣装を着せて出すことが必要である。

本田静六(林学博士・造園家/1866-1952)

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【編集後記】
本当に時代が変わってきたなあ、と思います。
働くという考えも、利益をあげるではなく、どのように貢献していくのか、に
ますますフォーカスされるのだろうな、と思います。
私も改めて存在意義を見直したいと思います。


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