配信日時 2021/11/19 06:03

「なぜ今、人事にデータ・アナリティクスか」を考える【カレッジサプリ】

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令和3年11月19日(第2829号)


「なぜ今、人事にデータ・アナリティクスか」を考える


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2875字/読了時間3分半)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件の研修の実施立ち会い。
並びに夜は大学院の打ち合わせでした。



さて、本日のお話です。

大学院の授業にて

「データ・アナリティクス演習」

なるものがあります。

私、データとか分析、
客観性とかファクトという言葉は
大変苦手なのですが

考えれば考えるほど、
これからの人事は
「KKD(勘・経験・度胸)」
では通じなくなるだろう、

と再認識させられております。。。


そんな背景もあり、

本日もデータ・アナリティクスの大切さを
(120%の自戒を込めて、むしろほぼそれ)
皆様におすそ分けできればと思います。

それでは参りましょう。


タイトルは



【「なぜ今、人事にデータ・アナリティクスか」を考える】



それではどうぞ。



■世の中には
「大きな流れ」があるものですね。

もう今では何でもかんでも

”語尾に「DX」”

がついているとも感じるほど。
(いいすぎかもですが)


しかしあらゆるデバイスが
インターネットに繋がり
データが膨大に集まってきて、

かつデータも気軽に取れるようになれば
それを活用する人材が必要になるのは
当然の流れ、、、というのはまあ、

私でもなんとなく想像はできます。


データサイエンティストが
受容が高い仕事というのも、納得です。



■ちなみに、

「人事のデータ分析の活用」の
2016年と2019年の比較について
こんなデータがあります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<人事データ分析の活用に取り組み済/予定ありの企業割合>

◯回答企業全体

2016年 44%
 ↓
2019年 51%


◯従業員5000名以上の企業

2016年 64%
 ↓
2019年 85%

※出所:PwCピープルアナリティクスサーベイ2019調査結果
 日本企業236社対象

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とのこと。


大企業では85%が、
全体でも半数以上が

「データ分析に取り組み済&予定あり」

なのですね。



■ちなみに、活用領域は


・従業員意識調査(従業員満足度/エンゲージメント調査など)

・キャリアプラン情報(希望職種、勤務地など)

・スキル情報(マネジメントスキル・専門スキルなど)

が、

「3年後に活用していたいデータ」

として挙げられています。


そして上記は2019年ですが
コロナ禍での影響やリモートワークの流れで

採用面接も、1on1もオンラインになって
データ分析の活用も、更に背中を押されたのでは、

とも感じます。



■…とこんな情報を見ていると、
「人事のデータ分析」の流れは


「大きな流れであり、必ず起こる未来」


であろう、というのは
想像に難くありません。



ある意味、これからの
「人事のデータ分析」とは

今のパソコンでの

エクセルの計算とか
パワポをまとめる技術くらい

身近なものになっていくのかもしれません。


「データ」自体が手軽に手に入り、
それらをまとめていこうという動きがあるからこそ、

データを活用することが
求められる頻度も高まるのだろう、

…と思ったのでした。



■これは、
ある側面から考えると、


「新しいこと覚えなきゃいけなくて、
 面倒くさい・・・」
 
「データ活用とか大変そう、
 しんどそう、難しそう(汗)」
 
 
というネガティブな捉え方もできます。


…しかし別の側面から、
ちょっと強引に考えると、

これは
人事領域にいる人にとって

そしてこれから
専門性を確立したい人にとっては

「大いなるチャンスである」

とも言えるの(かも)、
とも思ったのです。

一言でいうと

『まだ探求されていない領域で
 専門性を高めるチャンス』
 
です。


■データ・アナリティクスの授業で
こんな話が紹介されていました。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<定量化は、人事の専門性を確立させるための「武器」になる>

定量化とは、力を持つ部外者が
専門性に対して疑いを向けた時に、
その適応として生じる。

政治的圧力さえなければ客観性が保てるのではなく、
政治的圧力があるからこそ、客観性がつくられる。

アカウンタビリティ(説明責任)によって
客観性が弱体化されるのではなく、
アカウンタビリティによって客観性が作られるのである。


引用:セオドア・M・ポーター『TRUST IN NUMBERS(邦題:数値と客観性)』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


とのこと。



■そうなのです。

これ、本当にそうだな、と思うのです。

非常によく聞く例が

人事の方が経営層から

「この研修の成果ってどう測るの?」
 
と聞かれたり

「今回の研修テーマを◯◯にした根拠は?
 何を成果指標にしているの?」
 
と問われるという話です。


まさに

”力を持つ部外者”(経営層)が
”専門性”(人事)に対して、疑いを向けた時
 その適応として定量化(データ)を揃える

ことに繋がる流れ。

本当に多くの組織で起こっています。



■ただ、5年前は、

「とはいっても、そんなデータないし
 まとまってもないし、調べようもないし」
 
で済まされていたのが、

ここ2~3年位で一気に、


「いや、それ調べようと思えば
 調べられるんじゃね?」
 
「データ分析をして、
 誰もが納得できるようにまとめねば」
 
 
という空気になってきたように
私は感じております。



■それは自分がたまたま
そういった情報に触れている、
という可能性もありますが、

とはいっても明らかに、

・Googleフォームとかサーベイモンキーとか
 簡単かつ無料で調査できる手法ができた
 
とか、
 
・パルスサーベイなども安価に手間がかからず
 提供するベンダーも増えてきた

という動きは顕著になってきました。



■、、、とした時に、

まさに今が分かれ目、
と言えそうです。

人事として

「データ・アナリティクスの観点を
 持っているかどうか」
 
があるかないかは、
これからの大きな波に乗れるかどうかを分ける
大変大事なことなのでは、、、

と思ったのでございました。



■そして話が飛ぶようですが

改めてドラッカーの
この言葉を思い出します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
多くの領域において卓越することはできない。

しかし成功するには、

多くの領域において並み以上でなければならない。

いくつかの領域において有能でなければならない。

一つの領域において卓越しなければならない。

出典:「創造する経営者」 P.F.ドラッカー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここで重点を置いているのは、

「1つの領域において卓越すること」

ではあります。

しかし、成功する、すなわち
より多くの成果を出そうとするならば

”多くの領域において並以上”

そして、

”いくつかの領域において有能”

と書かれていることも
着目すべき点なのでしょう。



■自分自身の

コアの専門性は高めつつも、
その周辺も高めること。


文系だから
理系だからではなく、
どちらも見ること。

経験や直感も、
数字や客観性も、
どちらも基本的なスタンスを身につけること。


本当に一芸で突き抜けているなら別ですが、

50人に1人が持つスキルを
5つ6つ持つことで、
差別化できることもあるはず。



今回の
データ・アナリティクスを学びながら、
自分自身苦手とはいえ、

”これからの並以上”を目指すのは
大事なことだろうな、

と考えた次第でございます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

自分が感じていることは正しくないかもしれない。
だから、常に自分をオープンにしておくんだ。
あらゆる情報や、たくさんの知識を受け入れられるように。

アイルトン・セナ(ブラジルのレースドライバー/1960-1994)

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【編集後記】
プロになることは無理ですが、
基礎を押さえるくらいならできるはず。
頑張りたいと思います(と言い聞かせる)


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