配信日時 2021/10/18 05:38

「自分は50%間違っている」と思ってみる【カレッジサプリ】

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令和3年10月18日(第2797号)


「自分は50%間違っている」と思ってみる


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2058字/読了時間2分半)


■おはようございます。紀藤です。

昨日日曜日は朝からカフェにて読書。
また家族で散歩、そして打ち合わせ1件でした。



さて、本日のお話です。


先日「知的な三角測量」というテーマで
メルマガをお送りいたしました。

内容は

”一つの観点からではなく、
 多様な観点から課題を見ること”で、
 課題分析の精度も高まるよね、

というお話。


※参考バックナンバー:課題を見極めるには「知的三角測量」が役に立つ
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3996041/



…ただ、
もう一つ大事なことがある、と
書きながら思っておりました。


それが、

「自分の視点を手放す」

という話です。

今日はこのお話について
気づきと学びを皆さまに
ご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!


タイトルは、



【「自分は50%間違っている」と思ってみる】



それでは、どうぞ。



■「群盲像を評す」、

という寓話があります。


どんなお話かと言うと、

目が見えない人の集団(群盲)がいて、
象の色んな部分を触って、
皆が口々に、言うのです。


しっぽを触っている人は
「これは縄だ」という。

鼻を触っている人は
「これはホースだ」という。

足を触っている人は
「これは太い柱だ」という。




そうして皆が、

”それぞれの視点における正しいこと”

を言うというお話。



■しかし、その

”それぞれの視点における正しいこと”

とは全体を俯瞰した部分にしか過ぎず、

「象の一部」についてしか
語られていないわけです。

つまり、誰もが

「象”全体”」

という視点を持てずに
事象(=問題)を語るに終止する。


…設定が
「群盲」なので全体を見ることは
難しいかもしれませんが、


”それぞれの視点を理解し合うこと”


こそが問題の全体像を見るために
大切なことのはずなのに、

それがなかなかできないこと
人間同士だとあるよね



という教訓を
この寓話は教えてくれます。



■そして、この状況は、

「あらゆる人間関係」

で多く起こります。

・夫婦のすれ違い

なんて、そこら中の世帯で
起こりまくってそうですし、

(自分を棚上げして言います(汗))


・上司部下のすれ違い

などは、多くのチーム、組織においても
露骨に言葉にされていなくても、
起こっている可能性もあります。



■実際、私も

様々な組織でお話を聞きますが、
(誰が良い悪い、正しい間違っているではなく)

本当に上下、左右、ただただ
見ているものが違っていることを感じます。


うーん、なんとも悩ましき
「群盲像を評す」現象。

これが、どこかしこで
起こっているのだな

と思わされます。



■では、果たして、
どうすれば「群盲像を評す」から

皆で共通の視点を持つことが
できるのか?

皆で同じ風景を見ることが
可能になるのでしょうか?

、、、それが

「自分の視点を手放す」

ことだと思うのです。



■というのも先日大学院にて、
ある尊敬を集めている先生が


「僕は『自分が50%くらい間違っている』
 と思うようにしている」
 

と語っていたこと。

そのことから改めて
「自分の視点だけにこだわらない」
ことの大切さを、学んだように思ったのです。



その先生は
経験もあるし、知識もある。
客観的な視点も持っている。

多分、一番知識があるから
正しい判断もできると思います。


傍から見ると

「先生がいうなら、
 きっとそうなんだろう」
 
と思ってしまう存在。



■でも当のご本人は、

「経験や知識が増えるほど
 人の話を聞けなくなる」

という客観的にも認識しており
(研究者なので)


それがゆえでしょうか、


【自分は50%間違っている】
 と、言い聞かせている



、、、といったのでした。


そして、その話を聞いて、
私自身も見習いたいと思うと同時に、

多くの人にとっても、
それは大切にすべきスタンスでは、

と思ったのでした。



■もちろん、

”自分なりの意見”を提案する、
主張することは

とても大事なことです。


「自分は50%間違っている」
からといって、ただ黙しているのは、
やっぱり違います。


それは

勇気がないのか、
依存的になっているのか
はたまた言いづらいのかは状況によりますが、

あまり望ましいとは考えません。


周りとの調和を重んじて
自分の意見を言わないほうが”安パイ”と
思われる傾向がありますが、

それで創造的な意見が交わされないとしたら、
チームや組織においてはマイナスです。

 

ゆえに、特に人と人の間で

相互作用をもたらし、
より良いものを生み出すために
大事なこととは、


1)自分なりの意見を持つ、

2)一方、自分は50%間違っている、と思う

3)自分の視点を手放し、
  他者の意見を取り入れられるスペースを持つ


ことだと思うのです。



■それは

「意志と柔軟さのバランス」

とも言いかえられます。


そして、もし皆が
そんなスタンスいられたとしたら

主体性を持ち
相互作用を与え合える、
強く、成果を出すチームになれる、

そんな風に私は感じます。


自分の意見を持ちつつ
が間違っているかもと思う。

冷静と情熱の間のような
絶妙な思考ですが、

(特に経験が増えるほど)


【自分は50%間違っている】


という視点を忘れないようにしたい、

そう思った次第。

いつまでも、柔軟で、
学び続けられる人でいたいものですね。

自戒を込めて。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

人は運命に囚われているのではない。
自分の心に囚われているのだ。

フランクリン・ルーズベルト(第32代米国大統領/1882-1945)

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【編集後記】
グループ討議でも、絶対こうに違いない!とか思っていると
大体他の人の視点のほうが的を射るものだったりするのですよね、、、。
本当に一部しか見えていないんだな、と自分を振り返り思います。


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