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令和3年10月15日(第2794号)
コミュニケーションのコツは「言葉の裏にある風景」を共有すること
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1919字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は1件のアポイント。
また午後からは組織開発のワークショップ。
夜は大学院の打ち合わせでした。
*
さて、本日のお話です。
昼の組織開発のワークショップ、
そして大学院の打ち合わせの中で、
”対話の難しさ”
を感じる瞬間がままありました。
特に、
「言葉の定義」
の奥深さでございます。
今日はこのお話についての学びと気付きを
皆さまにご共有させていただければと思います。
それでは参りましょう!
タイトルは、
【コミュニケーションのコツは「言葉の裏にある風景」を共有すること】
それでは、どうぞ。
■「言葉」とは
実に難しいです。
言葉は自分の思考の一部を
切り取って記号にしたものですから
自分の考え方や知識を
短い言葉で説明しきることは
なかなかに難しいものです。
■加えて誰かと言葉を交わす時は、
たとえ同じ話題を話していても、
自分と他者で
・価値観の違い
・知識の違い
・前提条件の違い
など”違っている”前提で始まるので
同じことを話していても
なんとなく微妙にズレる、
ということが起こりるものです。
身近な夫婦や、
上司部下でも起こるのですから
それまでの時間を
共有してこなかった人同士であれば
なおさら”ズレ”やすいでしょう。
■例えば、
「『信頼』って大事」
なんて話をしたとします。
しかし、その
「信頼」の示す重さや意味が、
人によって違うわけです。
「信頼」とは
・家の鍵を渡せるレベル
・預金通帳と暗証番号を教えられるレベル
と想定する人もいれば、
・特定分野で能力がある
・知識や結果を出してきた
という「能力の高さ」から
信頼を類推する人もいる。
はたまた、
・嘘をつかない人
・真っ直ぐな人
みたいな「誠実さ」等の観点から
”信頼”をイメージする場合もあるでしょう。
「『信頼』できる」
というキーワードをおいても、
細かくみれば、人により違うわけです。
■そして、”言葉”でも、
「信頼」
「主体性」
「協力」
・・・
等々の抽象度が高いビッグワードは
実に、守備範囲が広いです。
ゆえに、3人の人が同時に
それらのビックワードについて
語ったとしたら
”まずもって認識にズレがある”
と見たほうが良いだろう、
と思いましたし、
ゆえにちょっと
(理解が弱いように見えたとしても)丁寧に、
「その言葉は何を意味しているのか?
具体的にどういうことなのか?」
を言葉にして伝え合う、
そして理解し、合意し合うことは
とても重要なことなのだろう、
…と思ったのでした。
■先日も大学院での打ち合わせで
「経営に資する理念浸透」
という話題が出ましたが、
対話を進める中で、
”「経営に資する理念浸透」とは
何を意味するのか?”
の粒感が違っているような
ワンシーンがありました。
*
ちょっとマニアックな話ですが、
例えば、
・中長期ビジョンに
書かれている施策が形になること
(女性活躍推進、イノベーションとか)
を「経営に資する理念浸透」ができている
とする人、
あるいは、
・理念浸透によって、
顧客へのコミュニケーションが変わり
信頼関係構築が進み、営業部全体の成果が高まる”
を「経営に資する理念浸透」ができている
とする人、
またあるいは、
・理念浸透により、
組織コミットメントや職務満足(ES)が高まることで
明確に何に影響を与えたかはわからずとも
風が吹けば桶屋が儲かるように、プラスの影響がある”
を「経営に資する理念浸透」ができている
とする人、
など、それぞれの捉え方、
そしてその粒感が違っている…
というイメージ。
■これも、それぞれにおいて
「経営に資する理念浸透」
と同じ言葉を使いながらも
微妙に捉えているものが違う、
ということが起こっているように
感じたのでした。
■私(紀藤)の場合ですが、
ミーティング等で
「こういうことだよね」
「なるほどね!」
「うんうん」
と皆が盛り上がっていると
「それって一体
何を意味しているのだろう?」
と、ふと疑問に思っても
自分の理解が足りないだけかもと、
なんとなく聞きづらい、ということが
しばしばあったりします。
実際、
自分の理解力が足りず、
自分だけが理解できていないということも
あるものですが、
確認してみると
「実は周りの人も
曖昧なまま進めていた」
ということも結構あったりします。
■そういった意味でも、
誰かとともに協働するとき、
プロジェクトを進めるときは、
「きっとこういうことだろう」
と当て推量をするのではなく、
疑問に思ったら(ちょっと面倒でも)
言葉の定義を一つずつ聞いていくこと。
ゆえに、コミュニケーションのコツは
【「言葉の裏にある風景」を共有する】
ことなのだと思います。
そしてそのスタンスが、
結果的にお互いのすれ違いをなくし、
コミュニケーションのスピードを
高めてくれるものだろう、
と思った次第。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
自然は人間に一枚の舌と二つの耳を与えた。
だから人は話すことの二倍だけ聞かねばならない。
ゼノン(古代ギリシャの哲学者/BC490-430)
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【編集後記】
たぶん、自分がコーチングをやっているので、
その”言葉の背景”が、気になってしまうクセがあるのかもなあ、
と思いました。でも大事なことだと思います。
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