配信日時 2021/09/30 08:24

育て上手のマネジャーは「感情」に配慮する【カレッジサプリ】

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令和3年9月30日(第2779号)


育て上手のマネジャーは「感情」に配慮する


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2006字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、4件のアポイント。
ならびに、1件のコーチングの実施。



さて、本日のお話です。

コーチングの技術の中に、
「感情を反映する」
という技術があります。

今日はある理論と研究事例から、

(部下指導において)
”「感情」に触れることの大切さ”

について学びと気づきを、
ご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!


タイトルは、



【育て上手のマネジャーは、「感情」に配慮する】



それでは、どうぞ。



■「そのとき、何を感じましたか?」


、、、このように、
コーチングの手法で

”感情に触れる”

という質問があります。


しかし人によってはこの

”感情に触れること”が苦手である
(理由がわからない)

という方もいるようす。

ちょっと曖昧だし、
何のためにやるのかよくわからない、
ということかもしれませんね。



■一方、リフレクション研究における
有名なモデルの一つ、


『リフレクティブ・サイクル・モデル』(Gibbs,1988) では

1,事実の記述(何が起こったのか)
 ↓
2,感情(何を感じたか)
 ↓
3,評価(何が良くて何が悪かったか)
 ↓
4, 分析(どのように状況を理解するか)
 ↓
5,結論(他に何ができたか)
 ↓
6,アクションプラン(同じことが再び起こったらどうするか)


が、
人のリフレクション(経験による学び)を促す、
と語ります。


■注目していただきたいのが
事実の記述(何が起こったのか)の後に、

「2、感情(何を感じたか)」

が入っていること。

1988年の当時の研究から、
「感情」に触れることを伝えており、

他のリフレクション研究(Korthagen et al (2001))でも
同様に「感情」に触れるプロセスを強調しています。

、、、ということで、
理論的にも「感情に触れる」ことは
大事なんだろうなあ、と感じますね。


■ちなみに、
「感情(何を感じたか?)」の質問とは、
何かの出来事が起こった際に、
以下のような質問を通じて振り返るのです。

例えば、

「その時、どう感じて(思って)いましたか?」

「自分の感情や信念、価値観が
 どのような影響を与えたと思いますか?」
 
「他の人はどんな気持ちだったと思いますか?」

「その後、この出来事について
 どう思われましたか?」  

などなど。

見てみると、事実よりも
より深いところに突っ込んでいる感じがしますね。


■さて、もう一つこんなお話もあります。

43名の多業種のマネジャーに対して、
「マネジャーの部下指導能力」における、
とある調査が行われました。


それによると、
部下指導における成功例と失敗例で
以下のことがわかりました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<成功事例>
・定期的にコミュニケーションを取り、
 話しかけやすく安心感のある雰囲気を醸成していた。
 
・部下の思いや考えを確認していた。
 一方的な指導を避けていた。
 
<失敗事例>
・コミュニケーション不足により、
 話しかけやすく安心感のある雰囲気を醸成できていなかった。

・部下に考える余地を与えず、
 一方的な指導をしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。



■ここでわかったことは、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<部下指導の成功例の特徴>

1)話しかけやすさと安心感を醸成する、
  思いや考えを聞くなど、感情部分に配慮していた。

2)このことによって、
 『心理的安全性』が確保されていた

3)自由に話が出来る雰囲気になり、結果
 「部下が主体的に考える」ことを促し、
  部下の成長を助けた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ということでした。


■その他、

・期待を明確にし、合意する
・具体的な業務指導をする

等の大切な要素も見つかりましたが、
そもそも対話において、

「安心して心を開けない」
「本音を言えない」

という状況では、

深い対話もできず、
問題の真因に触れることはできません。

そうすれば、必然的に、
表面的な話に終止することは、
想像に難くありません。



■ポイントは、

”経験を振り返ることから学ぶ”
(=リフレクション)

とは、表面的な事実ではなく
深く潜っていくプロセスであるということ。


その中には、

・その行動をしようと思った思い
・恐れ・不安・悲しみ・恥などの感情

もセットで起こっているはずであり、
そこはまた、繊細な領域でもあります。


人は機械のプログラムで
出来ているわけではありません。

そんな中で「感情」を配慮せずに、
ロジックだけで理解し、動くかと言うと
決してそんなことはない、

、、、と私は感じます。



■ということで、

Gibbsのリフレクティブ・サイクル・モデル、
マネジャーの成功事例と失敗事例

などから振り返りつつ、
『感情に触れる』というプロセスは
大事だよなあ、、、

と思った次第です。


ということで、
もし部下指導に悩むマネジャーの方がいらっしゃれば、

「その時、どう思っていましたか?」

「自分の感情や信念、価値観が
 どのような影響を与えたと思いますか?」
 
「他の人はどんな気持ちだったと思いますか?」

「その後、この出来事についてどう思われましたか?」  
 
など、感情を深堀りする質問を
新たな武器として揃えてみると、

より深い気付きを引き出す、
きっかけになるかもしれませんね。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

有能なリーダーを目指すなら、
コミュニケーション能力と温かい心の
両方を持たなければならない。

アニータ・ロディック(ザ・ボディショップ創業者/1942-2007)

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【編集後記】
最近座りっぱなしで、腰がおもためです。
凝ってくると、押すと痛いではなく”くすぐったい”と感じます。
日曜日はマッサージに行きたいなあ、と思いました。

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