配信日時 2021/09/14 09:29

パーソナル・ビジョンの研究  ~鮮明で挑戦的な個人のビジョンを持つことの価値ってなんだ!?~【カレッジサプリ】

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令和3年9月14日(第2763号)


パーソナル・ビジョンの研究 
~鮮明で挑戦的な個人のビジョンを持つことの価値ってなんだ!?~


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2656字/読了時間3分半)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は5件のアポイント。
また1件のコーチング(受けるほう)。



さて、本日のお話です。

「ビジョンを持つこと」は
しばしば大切と言われます。

、、、が、実際のところ、
「ビジョンを持つ」ことは、
どんな効果があるのでしょうか?


このことについて先日、
調べてみました。


そんな中、
とある興味深い論文が見つかりました。

今日はそのお話を皆さまに
共有させていただければと思います。

それでは、早速まいりましょう!


タイトルは、



【パーソナル・ビジョンの研究 
 ~鮮明で挑戦的な個人のビジョンを持つことの価値ってなんだ!?~】



それでは、どうぞ。



■「ビジョンを持ちましょう!」

「夢を持ちましょう!」

「高い目標を持ちましょうー!!」


、、、と、言葉は違えど、

「こうなれたらいいな」という
ビジョンを鮮明に描くことは、

(特に自己啓発的な文脈では)

100%といっていいほど登場する、
主役級のメッセージです。


ぶっちゃけ

「ビジョンを持とう!」

といっても、眉唾な人も
少なくないのでは…と思います。

ちょっと青臭いし、
それが今期の数字達成につながるのかよ!?

というツッコミも想像されそうです。



■実際

「個人的なビジョンを持つ」

ことが、

”現実世界の課題
(例えば、学業や仕事など)に対して、
 どのような影響を与えるのか?”

についての研究は、
これまでなされていなかったようです。


そんな中、先日、
こんな論文が見つかりました。

(ちょっとタイトルが長いのですが)


『鮮明で挑戦的な個人のビジョンが
 目標の階層化に果たす役割』

(Aline Masuda.Thomas Kane.Carol F.Shoptaugh.Katherine Minor(2010),
 The Role of a Vivid and Challenging Personal Vision in Goal Hierarchies)
 

なるもの。

ミズーリ州立大学などによる研究です。



■端的に研究の趣旨を伝えると


1)ビジョン(遠位目標)は近い目標(近似目標)に
  どのような栄養を与えるのか?
  
2)それを見極めるために、
 「鮮明で挑戦的な個人ビジョンを持つ学生」と
 「ビジョンを持たない学生」を比較する
 
3)目標へのこだわり、努力に対しての影響を調べる


というシンプルなものです。



■結果からすると、


「挑戦的で鮮明な個人的なビジョンを自然に設定した学生は、
 ”より困難で具体的な大学の目標を設定”した。
 
 生き生きとした個人的なビジョンを概念化した学生は、
 ”学期ごとの目標に対してより熱心に取り組んだ”」


という論文の結論に至っています。


想像すると、
普通のことに見えるかもしれませんが、

「ビジョンを描くと、
 近しい目標へのコミットが高まる」
 
という事実は、
改めて注目に値するかと。



■ちなみに、

「挑戦的で鮮明ビジョン」とは
一体どのようなものなのでしょうか?


一つ、鮮明なビジョンの例として
以下のように紹介されていました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<鮮明なパーソナル・ビジョン(例)>

私の職業人生のビジョンには、人生の様々な分野が含まれています。
私は、米国の外交的前哨基地で海外勤務をしたいと考えています。
特に、国務省の政治分野で働くことを楽しみにしています。

将来的には、フランス語、中国語、ドイツ語など、
さまざまな外国語を話せるようになりたいと思っています。

世界中を旅して、イギリス、フランス、イタリア、
日本、中国の「文化」を吸収したいと思っています。
芸術や音楽への情熱を持ち続けたいと思っています。

私は、フランスの混雑したビジネス街のカフェに行ってワインを飲み、
人生を楽しむような男になるでしょう。

山登りやキックボクシングなど、
冒険性の高いスポーツに参加している自分がいます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


対して、

<鮮明”ではない”パーソナル・ビジョン(例)>とは

私は、自分が楽しめる専攻を選び、
自分の稼ぎで自分と家族を支えられるような仕事を
見つけたいと思っています。

、、、みたいなもの。


こう見てみると、

”鮮明なパーソナル・ビジョン”

なるものを描いている人は
ごく一握りのようにも思えます。



■そして、ビジョンが目標達成に繋がる
メカニズムとしては、こうなります。


1)鮮明かつ、挑戦的なビジョンを持つ
 ↓
2)学生の学期目標への愛着、
 目標を下げたくないという気持ちに繋がる
 ↓
3)目標達成のための努力をする
 ↓
4)より高いパフォーマンスにつながる


と連鎖するのです。


よって、

個人的なビジョンを持つと、
結果的に、近い目標に対してこだわりが生まれ、
より高いパフォーマンスが得られる、

となる。



■さらに言えば、

現実のキャリアにつながる話として、
こんな話も紹介されていました。


”Howard and Bray (1988)は、
 AT&Tの管理職を対象とした25年間の縦断的研究において、
 キャリアの抱負のレベルがキャリアの進歩を予測する
 唯一の最良の要因であることを明らかにした。
 

とのこと。

これ、面白いですよね。

「キャリアの抱負のレベルが
『キャリアの進歩を予測する
 唯一の最良の要因』である」
 
というわけです。


言い換えれば

「高いキャリアのビジョンを持つことは
 本人の出世を予測する要因になっている」
 
と言えます。

そして、別の角度から見れば、

”鮮明で挑戦的なビジョンを
 意図的に持つ”

ことによって、

・自らの出世に繋がる
・より望ましいキャリアが開かれる
・目標達成の確率が高まる

とも言えそう。



■、、、と考えてみると、です。

少なくとも、

「個人的なビジョンを持つことで、
 損することはない」

と言えるかと。



■もちろん、皆が皆、
ビジョンを描いたから
必ずしもそうなるとは限りません。

あるいは、この研究でも、
「鮮明で挑戦的なビジョンを描いてください」と
指示しても、描けない人もいました。

つまり、

”描けるか描けないかは
 個人の特性による”

という結論に至っていました。

それは本人のこれまでの経験
自己効力感、あるいは年齢などの要因があり、
ビジョンを描けるか、また、描きたいかは変わります。

ゆえに、

”誰も彼もビジョンさえ描かせておけば
 なんとかなる”
  
みたいな強引な話にはなりません。



■ただ、です。

繰り返しとなりますが、
もし「鮮明で挑戦的なビジョン」を
描こうとして描けるのでれば、


”目標に対してコミットし
 より良い結果につながるという研究結果”

はあるわけですから、やっぱり、

「個人的なビジョンを持つことで、
 損することはない」
  
といえるし、否、

宝くじを買うよりも
個人の成功に対して
よほど相関関係はありそうなので、


『鮮明で挑戦的なビジョンは、
 積極的に描くべし!』


と言えるのでは、

と私は思いますが、
いかがでしょう。



■青臭いようですが、

ビジョン、やっぱり大事。


皆さまは、
鮮明で挑戦的なビジョン、
お持ちでしょうか?


年を重ねると、
現実が見えてきたりもしますが、

いくつになっても、
ワクワクする、鮮明かつ、挑戦的なビジョン
描いていきたいものだ、

と思った次第。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

あなたができることを、
あるいはでいるようになりたいと夢見ることを、
今すぐに始めてみるといい。
大胆であること自体に、力や魔法がある。

ゲーテ

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【編集後記】
母に7ヶ月の子供(母からすると孫)を会わせたら、
完全に警戒をしていました。
その様子は、サバンナの虎を警戒して
遠目から見るシマウマによく似ていました。


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