配信日時 2021/09/07 07:43

「組織開発」の実践者が学ぶべきものは”倫理”だった!?【カレッジサプリ】

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令和3年9月7日(第2756号)


「組織開発」の実践者が学ぶべきものは”倫理”だった!?


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1913字/読了時間2分半)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は6件のアポイント。



さて、早速ですが本日のお話です。

大学院の授業にて

「組織開発の倫理」

について学びましたが、
考えさせられるものでした。


今日は人事の方向けの話ですが

この「組織開発の倫理」について、
学びと気づきを皆さまに
ご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう。

タイトルは、



【「組織開発」の実践者が学ぶべきものは”倫理”だった!?】



それでは、どうぞ。



■「組織開発」とは、何か?


どうやらこの
「組織開発」なる言葉自体が、
曖昧模糊としているようです…


定義を調べて見ると、
ベックハード、フレンチ&ベルいわく、

”27通りの組織開発の定義の中に、
 60もの変数が存在している”

とのこと。

定義すら、
めちゃくちゃ曖昧(汗)

(そりゃわからないですよね)



■ただ膨大な定義の中に
4つの共通項があることもわかりました。

それが以下の4つです。


<組織開発の4つの共通項>

1,計画的な変革であるということ
2,行動科学の知識を用いること
3,組織の中で起こるプロセスを対象にすること
4,組織が適応し、革新する力を高めること。


とのこと。


つまり、

・何となくじゃなく(計画的で科学の力を使っていて)、
・一過性のものではなくプロセス(過程)が大事で、
・結果、組織自身の力を高まるという状態

を組織開発と呼ぶ、ということかと。



■もうちょっと噛み砕いて言うと、

『組織開発=
 組織をWORKさせるための意図的な働きかけ』

ともいえます。


・人を集めてもてんでバラバラで、チームの成果が出せない場合に
・あの手この手を使って
・組織を(成果を出せるように)workさせる意図的な働きかけであり
・そのことでメンバーにやり取りが生じ
・チームの共通の目標に動き始める手助けをすること

※引用:中原淳、中村和彦(2018)『組織開発の探求』(ダイヤモンド社)と


こんな表現で捉えると、
組織開発のイメージが付きやすくなるかと。



■そして、そのための手法として

・アプリシエイティブ・インクワイアリー
・フューチャー・サーチ
・ホールシステム・アプローチ
・OST

、、、みたいな、
下を噛みそうな横文字な手法がある、

となります。



■もっというと

『組織開発=
 組織をWORKさせるための意図的な働きかけ』
 
ですから、そういう意味では

・会社の運動会
・シリアスな会議の後の懇親会
・読書勉強会

なども「組織開発」である
とも言えるのかもしれません。



■さて、そんな「組織開発」。

実はそれらに携わる
組織開発実践者にとって
極めて重要なものが「倫理」、

と言われます。


世界的な組織開発の教科書のごとき書籍

『Organization Development』

においても、その冒頭は
「組織開発の倫理」について
書かれています。



■では、一体
どんな倫理なのでしょうか?


これについて
Anderson(2017)の定義より、
以下見てみたいと思います。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<組織開発の6つの倫理>

1)参加すること
 (自分たちの未来に参加・関与すること)
 
2)チーム(職場)を重視すること
 (組織変革は職場から始まる)
 
3)発達・学習を信じること
 (最も重要な価値観)
 
4)人間を「全人格」で見ること
 (職業でみない/相互尊重/違いを認める)
 
5)対話を重んじること

6)真摯さ、オープンさ、信頼を重んじること

Anderson(2017)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

、、、とのこと。



■さて、いかがでしょうか。


流し読みすると、
「あー、そうね」で終わりそうですが、

一つ一つ見てみると、
実に重みがあります。



■例えば、

「発達・学習を信じる」

こと。

組織開発実践者、
つまり組織をWORKさせようと働きかける人は、

目の前の人・組織の可能性を
徹底的に信じることが倫理である。


また、

「人間を全人格でみる」

こと。

社長だから、若手だからといって
ラベルで見るのではなく、
一人の人間の意見としてきちんと受け止めること。

これも持つべき倫理。


あるいは、

「真摯さ、オープンさ、信頼を重んじる」

組織開発実践者が
信頼に足るべき人物として
誠実でオープンでいること。



■一つひとつの定義を
噛み締めてみると、

組織開発実践者とは、


『人間として
 成熟をしていこうとする意志』


がなければ、
組織開発には携われない、

と言っても過言ではない、
とすら思います。



■技法も大事です。

しかし、その根底にある
「倫理」はそれ以上に大事。


「組織開発」とは、

ベトナム戦争のPTSD患者に向けた
集団精神療法から発達してきたという歴史を、
持っています。

ゆえに、「人の心」と関わるのが、
組織開発とも言える。


すると、それらに携わるときは、
こちらもその繊細さ、そして危険性を
十二分に理解し進めること。



■”それっぽいこと”が増えている今だからこそ、

根底に立ち戻って
大切な事を忘れないようにしたい、

そのように私自身、
感じた次第でございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

現実とは、あなたの外側にあるだけでなく、
あなたの内側にもあるのです。

ドロシー・ロー・ノルト(米国の家庭教育コンサルタント/1924-2005)

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【編集後記】
昨日は連続したアポイントで、
夜は気絶するように眠っておりました。
1日の体力には限界があるものだな、と思った1日。


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