配信日時 2021/08/23 17:26

「きらきら星」から、熟達とはなにかを考えた【カレッジサプリ】

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令和3年8月23日(第2741号)


「きらきら星」から、熟達とはなにかを考えた


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2213字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日日曜日は
月1で習っているピアノのレッスン。
その他昼寝やら、2件の打ち合わせなど。



さて、本日のお話です。

先日ピアノのレッスンに行きました。

その中から「熟達をすること」について
感じることがありましたので、

本日はそのお話からの学びと気付きを
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは早速参りましょう!

タイトルは、



【「きらきら星」から、熟達とはなにかを考えた】



それでは、どうぞ。



■半年前から通っている
ピアノのレッスン。

大人の習い事は、楽しいものです。

自分から選んでやっているので、
やらされ感はゼロで、学びもいっぱい。

学びは日常に転がっていることを
教えてくれています。


※これまでも多数、メルマガに紹介してまいりました。
 以下いくつかご紹介までに…

◯ピアノは肘と脇で弾くんですよ
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◯たかが問い、されど問い 。ピアノの先生から学ぶ「伸びる教え方」
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/10092/

◯25年ぶりに、ピアノ教室に通い始めました
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/10049/



■そんな中、弾いている曲も
若干飽きてきたので、

「先生、お勧めの曲ありませんか?」

と聞いたところ、

「”きらきら星”とかどうです?」

と勧められたのでした。



■きらきら星か、、、。

さすがに簡単すぎじゃね?

と思いきや、詳しく
聞いて見ると違いました。


『きらきら星変奏曲』

といって、モーツァルトが
作曲した曲でした。

曰く、

実はきらきら星は、1778年当時
フランスで流行していた恋の歌が元であり、

それが日本では童謠の「きらきら星」として
知られるようになった、とのこと。


シンプルなあのメロディ、

ド・ド・ソ・ソ・ラ・ラ・ソ・・・

が合計12の変奏曲になっており
演奏時間は12分間。

後半に行くほど難しくなってく、
ロールプレイングゲーム的な曲です。


※Wikipedia「きらきら星変奏曲」より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8D%E3%82%89%E3%81%8D%E3%82%89%E6%98%9F%E5%A4%89%E5%A5%8F%E6%9B%B2



■ということで、
練習を始めてみました。

そして、その曲を
早速、レッスンで弾いてみました。

まずは「レベル1」。

めちゃ簡単です。


しかし、一番簡単な
シンプルなところを弾いた時に、

先生より、

「うーん、ちょっと重たいかなあ・・・」

と問われました。

「ちょっと重い感じがします。
 もうちょっと軽く弾けますか?」

と先生よりリクエスト。



■その後、何度かトライしてみて

・もうちょっと響かせる感じ

・もうちょっと柔らかい感じ

・右手のメロディが主になる感じ

と、いろいろな表現を持って
弾き方のリクエストを頂き、

手汗を書きながら、
弾こうとしてみたのでした。


、、、ただ、正直なところ

「ぶっちゃけ”柔らかい感じ”が
 よくわからない」
 
というのが本音。


「先生、どんな感じが、
 ちょろっと弾いてもらえます?」
 
と思わずいいます。



■そこで、先生がちょろっと

「こんな感じですかね」

と弾いてくれました。


すると、同じ楽器なのに、
まるで違った響きを持って聞こえる。


(え、こんな表情豊かに
 ド・ド・ソ・ソ・ラ・ラ・ソが
 聞こえるのか・・・)
 
と驚きを覚えます。

すごいっすね、と私がいうと、

「シンプルなメロディほど
 難しいし、奥が深いんですよねー」
 
と先生。

私はいたく、感激しました。


「先生なんだから、
 そりゃ当たり前だろ」
 
と言ってしまえばそうなのですが、

私はその様子を見て、
プロフェッショナルと素人の差を、
まざまざと認識させられた気がしました。



■話は変わりますが、

「エスキモーは雪の表現を
 20種類以上持っている」

という話があります。

例えば、

・「降雪=カニク」
・「溶かして水にする雪=アニウ」
・「積雪=アプト」
・「きめ細やかな雪=プカク」
・「吹雪=ペエヘトク」
・「切り出した雪塊=アウヴェク」

など。

これを「語幹」として、
派生語を含めると20種類強ある、
とかなんとか。

(参考:宮岡伯人『エスキモー 極北の文化誌』)


その”道のプロ”は、
表現が多彩なのです。



■あるいは、お魚の「ツナ(tuna)」。

まるっと、マグロ属の魚を
総称する英語です。

魚がさほど親しみがない人は

「マグロ=ツナでしょ。
 ツナ缶にすれば全部同じ」

となるかもですが、
魚好き、漁師から言わせれば愚の骨頂。


マグロと言っても、

・クロマグロ(本マグロ)、
・タイセイヨウクロマグロ、
・ミナミマグロ(インドマグロ)
・メバチマグロ、
・ビンナガマグロ(ビンチョウ)、
・キハダマグロ、
・コシナガマグロ、
・タイセイヨウマグロ

と8種ある(そうです)。

そんな中で、

「マグロ=ツナ」と一括にされると、
「そりゃ、違うわい!」

と言いたくなるでしょう。

なぜならその道のプロ(?)は
「違いがわかるから」です。



■これらの話と、

ピアノの話をかけ合わせて、
要は何が言いたいのか。

それは、


”その道のプロは
 「繊細な違いを見分ける目」を持つ”


ということです。

マグロの違いもそう。

雪の違いもそう。

ピアノの音色の違いもそう。

ワインも盆栽も、全部そう。

「その道のプロと素人は、
 違いを見分ける目を持つ」。


このことは、
以前からも認識しておりましたが

ことをピアノの先生との対話の中で、
改めて感じさせられたのでした。



■とすると、
道を極めるステップとは、


『「繊細な違いを区別する目」を
  獲得していくこと』


です。

当時わからなかった、

微細な違いが
以前よりわかるようになっているかどうか。

それが

”大人の成長”

というやつだと思います。



芸術の世界だけでなく、

営業でも、
研修講師でも、
文章の執筆でも、
マネジメントでも、

あらゆる領域に
同じことが言えるのではないかと。



■ゆえに、
過去の自分と比べて


『「繊細な違いを区別する目」を
  獲得しているか』


これを、
成長のマイルストーンとすること。

この視点が、自らを磨いていく上で
とても大事なのだな、

と改めて思った次第でございます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

ゆうゆうと焦らずに歩む道にとって長すぎる道はない。
辛抱強く準備する者にとって遠すぎる利益はない。

ラ・ブリュイエール(フランスの思想家/1645-1696)

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【編集後記】
コーヒー豆を挽いて飲んでいます。
エチオピア(アフリカの方)はコロンビア(南米)に比べて
ワイルドな感じがします。地域の違いがあって面白いです。
(飲みすぎて胃が持たれております・・・汗)


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