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令和3年8月20日(第2738号)
「ななメンター」が人を育てる ~舞妓さんの教育制度から学ぶ~
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1836字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は7件のアポイント。
人に会いまくった1日でしたが、
オンラインだからこそ、こういうことができて
実に充実した1日でした。
*
さて、本日のお話です。
最近、「舞妓さん」の教育について
諸々調べております。
そしてその仕組をみて
いやはや、実によく出来ているなあ、
と学びになっております。
今日はそのお話からの学びと気づきを、
皆様にご共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【「ななメンター」が人を育てる ~舞妓さんの教育制度から学ぶ~】
それでは、どうぞ。
■京都花街。
舞妓さん、芸妓さんがいる
街として350年前から今に至って
栄え続けています。
そして、続くものには、
当然理由があります。
それには、
街ぐるみ、お客さんぐるみの
大いなる構造が一番でしょう。
どれか一つには絞れず、
有機的に繋がっているシステムの賜物、
といえるかと。
※参考:今週の一冊『京都花街の経営学』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3937420/
ただ、存続するには
「人と組織」をいかに作るかも、
やはり重要になってきます。
ゆえに、
「舞妓さんをどう育てるか?」
という仕組みも
長年の伝統を維持することに
深く加わっています。
■では、どんな仕組みがあるのか?
その仕組みの一つが、
「疑似家族関係」
と言われています。
舞妓さんは、体育会系の世界。
自分より1日でも先に
この世界に入った人は
みんな「姉」になるのです。
そして、新人の時に、
最初に面倒を見てくれる先輩は
「盃の姉」と呼ばれ、
より強固な関係を結びます。
これは会社で言えば、
”自分の直属の先輩(メンター)”
みたいなイメージかと。
■ですが、ふと思うのです。
舞妓さんの世界でも、
あるいは会社の世界でも、
・最初に教えを請う先輩が、
いい先輩だったらよい
・でも、貧乏くじを引いた場合(!)、
成長どころかストレスまみれになる”
というのは、
ままあるんじゃないか、
と思うわけです。
やはり、人は相性もあるし、
先輩にも力量の差もあるわけですから。
(実際に「最初の上司」が力のある人か否かが、
その人の10年後の出世に影響するという
データもあるのです)
■そういう意味で、
「直接の上下だけ」では、
少し心もとない。
その中で、舞妓さんの世界は、
よく出来ています。
もちろん、
直属の「盃の姉」は
しっかりと面倒をみる。
ですが、隣の置屋(お店)の、
舞妓のお姉さんも面倒を見る。
またまた別の置屋(お店)の
舞妓のお姉さんも、
仕事のことを教えてくれる。
、、、つまり、上下だけではなく
ナナメの教え合いがある、ということ。
すなわち、
『ななめのメンター』
(略してななメンター)
が機能しているようです。
■これ、言葉にすると
「あ、そうっすか・・・」
で終わりそうですが、
こと教育の効果を考えると、
実に大きい。
きっと皆さんも、
「隣の部署の先輩・上司から教わった」
という経験もあるのでは、と思いますが、
実際にこんな論文があります。
『フォーマルなメンタリングより、
インフォーマルなメンタリングの方が、
よりポジティブな効果が得られる』
(Chao, Walz, & Gardner, 1992; Ragins & Cotton, 1999)
なんだか横文字が多くて、
ややこしそうですが、
解釈してみます。
まず、
メンタリング=上位者からのサポートのこと、
です。
そして、
フォーマル(公式)なメンタリング、とは
上司からのサポートと考えられ
インフォーマル(非公式)なメンタリング、とは
隣の部署の尊敬できる先輩からのサポート
と考えられそうです。
そして、インフォーマルな方が、
よりポジティブな効果を発揮する、
と言うわけです。
■私(紀藤)も振り返ってみると、
ちょっと合わないな、、、
と感じる直接の先輩からだと、
なんとなく受け入れづらい話でも、
直接利害がない「ななめ」の関係の
尊敬する先輩から言われると、
スッと受け入れてしまうことがありました。
しかし、隣の部署の、
仕事ができてカッコイイ先輩から
「紀藤、それはこうした方が
いいと思うよ」
と言われ、そんな言葉から
自分の行動を戒め、変えてきたこと、
ままあるな、、、。
と振り返り、思いました。
そういう意味で、
上下だけに縛られない
ななめの師弟関係、
【「ななメンター」が人を育てる】
といえると思うのです。
■今の時代、求めさえすれば、
社外の人とも
繋がることができるようになりました。
自分が尊敬する人であれば
年齢、立場、組織を越えて師事することも、
決して難しいことではない、とも思います。
ということで、
ぜひ自分自身に対しても、
組織の仕組みとしても
「ななメンターを活用する」
こと、大切にしたいものですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
かたつむりに殻の様子を教えてやれるのは、
かたつむり以外の者だ。
エルバート・ハバード(米国の作家・教育者/1856-1915)
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【編集後記】
iPadの、MagicKeyboardなるものを買いました。
まるでパソコン。実に便利でございます。
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