配信日時 2021/08/13 11:03

「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(その5)~アクティブ・ラーニング~【カレッジサプリ】

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令和3年8月13日(第2731号)


「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(その5)~アクティブ・ラーニング~


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3653字/読了時間5分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
その他、コーチング(受ける方)など。



さて、本日のお話です。

先日に引き続き、


『LEADERSHIP DEVELOPMENT:A REVIEW IN CONTEXT』
(リーダーシップ開発:文脈の中での見直し)
デイビッド・V・デイ


の論文から、学びと気づきを
ご共有させていただければと思います。

気づけば全5回(序編を入れて6回)という
濃厚なシリーズになってしまいましたが(汗)
今日が最終回となります。

それでは早速参りましょう!


タイトルは、



【「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(その5)~アクティブ・ラーニング~】



それでは、どうぞ。



■「リーダーシップを開発する
 一般的な、でも有望な実践方法があるよ」

と、ペンシルバニア大学の
デイビッド・V・デイは、
以下の6つを述べていました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【リーダーシップを開発する有望な実践方法】

1)360度フィードバック

2)コーチング

3)メンタリング

4)ネットワーキング

5)ジョブ・アサインメント(仕事の割り当て)

6)アクション・ラーニング

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、昨日まで

1)~5)をご紹介してまいりました。

※過去バックナンバーはこちら↓↓
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3931815/



今日は最後の

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
6)アクション・ラーニング
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

をご紹介したいと思います。




■「アクション・ラーニング」。


人材開発・組織開発に関わる方であれば
耳にしたことがある言葉だと思います。


この言葉の定義は、

以下のように「2つの意味」で
説明されています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アクション・ラーニングとは・・・

1,小グループで現実の問題に取り組む中で、
  行動を起こし、内省することで学習していくプロセス
 
2,個人、チーム、リーダー、そして組織が学習し、
  それぞれの場で変革を起こすダイナミックな機会を
  生み出すプログラムである


※日本アクション・ラーニング協会より
 https://www.jial.or.jp/about/detail/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ちなみに、このアクション・ラーニングが
注目されている背景は、

「人は組織のリアルタイムな問題に取り組むときに
 最も効果的に学ぶことができる」
(Revans, 1980)

という仮説に基づいているとのこと。

「学びは会議室で起きてるんじゃない!
 現場で起きているんだ!」

的な感じでしょうかね。
(ちょっと古い・・・汗)



■加えて言えば
こと「リーダーシップ」について言えば、


”講義を中心とした伝統的な教室でのトレーニングは、
 21世紀の問題に対応するリーダーを育成する上で、
 せいぜい部分的にしか効果がないことを認識している”
 (Dotlich & Noel, 1998)
 

と言われております。


確かに考えてみれば、

自分が他者との関わりで発揮する
「リーダーシップ」を学んだのは

「講義」で学んだかというと、
決してそんな事はなかったな、

と振り返り思います。


リーダーシップとは
”砂場から始まる”ともいいますが、

人と人とのリアルな交わり
誰かを巻き込む関わりで生まれる、

なんて言われます。

例えば、

・修学旅行の班長をやった、とか
・高校の文化祭で実行委員長をやった、とか
・学級委員長をやった、とか

仕事に関わらず
何かしらのコミュニティでの
小さなチームを率いたリアルな経験こそが

”最も大きなリーダーシップの学びになる”

ことは、きっと皆様にも
想像がつくのではないかと思います。



■さて、そんな前提で、
リーダーシップ開発にも役立つ


「アクション・ラーニングを機能させる」

ための、いくつかのポイントがあるのです。


以下の3つ、順に
ご紹介したいと思います。



■まず1つ目が、


<1)参加者の選定は、丁寧に行うこと>


です。


時間も労力もかかるプロセスが、
「アクション・ラーニング」です。
 
ゆえに、その中で参加者が
「自ら能動的に取り組む」ためには、

・本人がそのプロセスに十分にコミットすること
・そのために、誇りや特別感を感じること

を意図して、
丁寧に設計することが
重要な要素と言えます。




例えば、シティバンクでは、

・参加者がグローバル&社内の人材目録の審査に合格している
・各事業者の責任者やCEOによって推薦される
・事業を通じてシティバンク全体のパフォーマンスに影響を与える人であること

という明確な基準で選んでいます。


多分、この基準で選抜をされたら、
参加者は「選ばれた感」が強く、
積極的に取り組めそうな気もしますね。
 
 
 
■そして2つ目。それは、


<2)個人やグループの振り返りの機会を設ける>


ことです。


アクション・ラーニングとは、

1,小グループで現実の問題に取り組む中で、
  行動を起こし、内省することで学習していくプロセス

と定義をお伝えしました。

ポイントは、

「行動を起こし、内省すること」で人は学習する

ことです。

そう、”内省(振り返り)”がないと
経験を学びに変えられません。


自分がプロジェクト内で、
何かしらの「行動」を行ったとき
何かの「結果」が出た、とします。

それは、

”周りが納得して賛同してくれた”
という結果かもしれないし
 
”一人だけ突っ走って不満が生まれた”
という結果かもしれません。



■ただどんな結果であり、
立ち止まって振り返り、

「どのような学びや気づきがあったのか?」
「行動と結果にはどんな繋がりがあるのか?」
「次はどのように活かしていくのか?」

という機会がなければ、

成功も失敗も、
ただ流れてしまう可能性が高くなる、

とも言えるでしょう。


『アクション・ラーニングにおいて、
 振り返りの機会はめちゃ大事』


ということですね。



■そして最後。3つ目が、


<3)現実でありつつ、安全であるプロセス設計をする>

 
ことです。


現実的な小さな世界で、
挑戦してこそナンボなのです。

 
しかしながら、
 
”参加者が新しいことに挑戦し、
 自分や他人を信頼し、思考や行動を伸ばす”
 
ためには、安全・安心が
必要になります
 

逆を考えればわかりますが、 

・失敗したらプロジェクトなのに、
 けちょんけちょんに責められる、とか

・取り返しがつかないダメージを追う、

・その後の仕事の人間関係に
 著しいダメージを負い、仕事がしづらくなる
 
などあったとしたら。

当然”新しい挑戦”をしようと思えません。
(痛いのは嫌ですからね、、、)
  

ゆえに、現実的な問題を取り扱う
アクション・ラーニングにおいて、

「心理的安全性も大事にしたプロセス設計」

が大事なのです。

”チームの心理的安全性が高ければ、
 「柔軟性」「学習目標思考」も促進する”

という研究結果もあります。

安全・安心の環境は
学びを促してくれるのです。
 
 
 
■、、、ということで
特にリーダーシップ開発という文脈において

「アクション・ラーニングを機能させる」

ためのポイントを3つ、
お伝えさせて頂きました。


これらを踏まえて、一つ
シティバンクのアクション・ラーニングのプロセスを
ご紹介します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<アクション・ラーニングのプロセス例 ~シティバンク編~>


1,参加者を明確な基準で選定する
 ↓
2,3日間オフサイトでのチームビルディング
 ↓
3,2~3週間かけてのデータ収集、
  1週間かけてのデータ分析と提言のまとめ
 ↓
4,CEOと事業責任者の前でプレゼン、
  60分の集中ディスカッション
 ↓
5,プレゼン後、コーチによる1日の報告会と振り返り
  チームのプロセス、個人の成長の機会
 ↓
6,プレゼンテーションから1~2週間以内に
  シニアマネジメントによるフォローアップ
 ↓
7,プロジェクトについて実施の決定

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。

こう見てみると、

1)参加者の選定は、丁寧に行う

2)個人やグループの振り返りの機会を設ける

3)現実でありつつ、安全であるプロセス設計をする

それぞれ行われている事に
気づきます



■人は、現実の問題に
取り組むときに成長する。

ゆえに、これからは
更にこういった学び方が
重要視されてくるように思います。


失敗しても大丈夫な環境で
大いに挑戦すること。

大切にしたいものです。



■、、、ということで、
序編も含めて全6回でお伝えしてきた


【リーダーシップを開発する有望な実践方法】


いかがでしたでしょうか。


以下6つの要素がありました。

1)360度フィードバック
2)コーチング
3)メンタリング
4)ネットワーキング
5)ジョブ・アサインメント(仕事の割り当て)
6)アクション・ラーニング


ただ、興味深いことに、
この論文のオチで、

”・・・以上の6つは一般的で有望だが、
 評価を証明するものはほとんどない(!)”
 
などと言っております。


ただ、一つ言えるのは

「意図して6つを活用することこそが
 効果と意味をもたらす」
 
とは言えるようなので、

企画側もきちんと意図をすることが
重要なのでしょうね。



私も論文を精読することなど、
これまで全くありませんでしたが、

こうやって一つずつ解説していくと
その面白さを感じつつあります。

また色々ご紹介したいと思います。


改めて、最後までお読み頂き、ありがとうございました!


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<本日の名言>

ぼくは見たり、聞いたりするが、
それ以上に試すことをやっている。
種を明かせばこれ以外に無い。

本田宗一郎(HONDA創業者/1906-1991)

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【編集後記】
最近ホイップクリームを泡立てて、
コーヒーに入れることにハマっております。
スタバのラテのようになって、実に美味しい。
かつコスパもよい。おすすめです。


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