配信日時 2021/08/10 09:11

「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(その2)【カレッジサプリ】

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令和3年8月10日(第2728号)


「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(その2)


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2653字/読了時間3分半)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は、大学院の4日間の集中講義
「ケースで学ぶリーダーシップ」の最終日。
贅沢な学びの時間で、実に幸せな4日間でした。

関わっていただいた仲間、
アシスタントの皆様も含め、改めて感謝。

こちらの気付きについては、
また後日ご共有させていただければと思います。



さて、本日のお話です。

昨日、

「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(前編)
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3931815/

とテーマでお伝えいたしました。

本日も続けてまいりたいと思います。


ちなみに、書いてみたら

前編と後編で全く終わらいことが
判明いたしましたので(汗)、
「その2」としてお届けさせてください。

(書く前に気づけよ…と
 自分で思いました、反省)


気を取り直して、早速まいりましょう!


タイトルは、



【「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(その2)】



それでは、どうぞ。



■いやはや「論文」というのは、

・小難しそう
・面白くなさそう

と思っていましたが、

じっくり読み解いていくと
結構面白いものです。


今回ご紹介している、

ペンシルバニア州立大学の
デイビッド・V・デイの論文、


『LEADERSHIP DEVELOPMENT:A REVIEW IN CONTEXT』
(リーダーシップ開発:文脈の中での見直し)


も大学院で紹介をされましたが、

へー、ほー、なるほどー、と
気付きを与えてくれます。


ということで、
昨日の続きでございます。



■まず、上記の論文では、

「リーダーシップを開発する
 一般的な、でも有望な実践方法があるんだよ」

ということで、
以下の6つを紹介しています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【リーダーシップを開発する有望な実践方法】

1)360度フィードバック 

2)コーチング 

3)メンタリング

4)ネットワーキング

5)仕事の割り当て(ジョブアサイメント)

6)アクション・ラーニング

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昨日は、

1)360度フィードバック
2)コーチング

をご説明しました。


本日は

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3)メンタリング
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

について解説していきたいと思います。




■メンタリング。

組織にも「メンター制度」、

などありますが、
まさにあれです。


「メンタリング」とは、

”指導・相談役を担う社員が
 新入社員や後輩をサポートする制度のこと”

とされています。


その特徴は、

・概要:アドバイス/開発的な関係性(多くの場合上位者)
・効果:より幅広い理解、教訓をな学ぶ、失敗を避ける
・強み:強い個人的なつながり


とのこと。



■さて、このメンタリング。


しばしば「コーチングとどう違うの?」等、
混乱されるところがありますが、
こんな風に説明されています。

まず、

”ほとんどの正式なメンタリングプログラムでは、
 ジュニアマネジャーと直属の上司以外の
 上級幹部とのペアが組まれている”
 (McCauley & Douglas, 1998)

という仕組みの違いです。

メンタリングは「上位者と組む」のが
前提になっています。



また「コーチングとのスキルの違い」もあります。

優秀なメンターが持つ
メンタリングのスキルは
以下の5つであるとわかりました。

・傾聴力とコミュニケーションスキル
・相手を読み解く能力
・誠実さと信頼性
・忍耐力
・組織や業界に関する知識

とのこと。
 (Allen & Poteet, 1999)
 
 
コーチングスキルに含まれる、

・傾聴力・コミュニケーション。
・相手を読み解く能力
・信頼性

などもありますが、

・組織・業界に関する知識
・アドバイス

などはコーチングには特徴的ではありません。

そうすると、

「メンタリングはコーチングより、
 より広いアプローチ」
(メンタリングの中にコーチングが含まれる)

と言えそうです。



■ここで、

メンタリングの特徴である、
「上位者とペアを組む」ことのメリットについて
考えてみたいと思います。


上位者と組むことで、
果たしてどのようなメリットがあるのでしょう?


、、、


論文では、以下のように
説明されていました。


『上級管理職のメンバーを観察し、交流する機会は、
 ”組織に対する、より洗練された戦略的な視点”
 (すなわち一種の対人能力)を育むことに役立つ』


とのこと。


「上位の人が、組織の問題を
 どのように捉えているのか?」
 
を知ることで、


”これまでの自分が
 見えていなかった視点が手に入る”

 
わけです。


同じ出来事を、
上位の人がどう捉えているのか。

、、、それをリアルに知ると、
違った景色を見るメガネが手に入ります。


視点の変化

違う選択肢・行動

違った結果


このように、
視点の変化は結果にまで影響し、
連鎖していくと言えそうです。



■ちなみに、私の例で恐縮ですが、

20代の営業時代、
「社長と営業同行」に来てもらった
もらったことがありました。

新規の社長との
アポイントだったのですが、

社長はそのオフィスの
エントランスにつくなり、

オフィスのエントランスの植物を
おもむろに注視し、

「ホコリが付いているかいないかで
 その企業の規律や文化が透けて見えるんだよ」
 
という”視点を共有”してくれました。

(=掃除を細かくしているような会社かどうか、なども
 その組織文化の一面を表している)
 
 
それを聞いて20代の私は、

「新規訪問のときも、
 そういう視点で見ているんだ・・・」

と目からウロコな気持ちがして、

それから営業において新規訪問の際に、
空間情報から色々なことを類推しよう、

という視点をもつようになったことを
覚えています。


組織内の話とは違いますが、これも、

”洗練された戦略的な視点”

をもたらしてくれた
一つの例かもしれません。



■おそらく、もっと直接的には、

・組織内の力関係
(あの人には先に根回ししたほうがいい)

・組織内の暗黙のルール
(公式ではないが守らないといけないルール)

などなど

社内の対人スキルにおけることが
主たるものになるのかもしれません。

いずれにせよ上位の方と交流することで
様々な視点が手に入る、

ということですね。



■その他にもわかったことは、


・フォーマルなメンタリングより、
 インフォーマルなメンタリングの方が、
 よりポジティブな効果が得られる 
(Chao, Walz, & Gardner, 1992; Ragins & Cotton, 1999)

とか、

・メンタリングによるグループ関係が、
 キャリアの成果にプラスの効果をもたらす
(Dansky, 1996)

こともわかっています。


公式な「メンター制度」だけでなく

”おせっかいお兄さん・お姉さんのような人に、
 自主的に教え・教えられる関係づくり”

がより機能する、ということですし、


メンタリング制度を活用することで
個人のキャリアにも良い影響がある。

実に素晴らしいことです。



■ということで、引き続き
明日も続けていきたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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<本日の名言>

他の人の書いたものを読んで、自己を向上させよ。
他の人が苦労して得たものをそれで容易に得ることができる。

ソクラテス(古代ギリシャの哲学者/BC469-399)

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【編集後記】
最近インプットの量が多く、アウトプットが追いつきません。
咀嚼しているうちに、どんどん新しい食べ物が入ってくる感じです。。。
口の中がいっぱいです。咀嚼力(解釈力、頭の回転)がほしい。


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