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令和3年8月9日(第2727号)
「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(前編)
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1653字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は大学院の集中講義の3日目。
「ケースで学ぶリーダーシップ」というテーマで
Yahoo常務取締役である本間浩輔氏が客員教授として
学ばせていただいていますが、実に濃厚な時間。
こういった環境にいられることが
ありがたいなあ、、、と噛み締めております。
*
さて、本日のお話です。
先日
”「リーダー開発」と「リーダーシップ開発」ってなんだ”
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3931104/
というテーマで
メルマガに書かせていただきましたが、
本日も「リーダーシップ開発」をテーマに
お話を続けたいと思います。
(※本日のお話は、以下の論文を参考にしています。
『LEADERSHIP DEVELOPMENT:A REVIEW IN CONTEXT』
David V. Day The Pennsylvania State University)
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(前編)】
それではどうぞ。
■「リーダーシップを開発する」。
この定義だけでも
色々な考え方があるようです。
自分で言うのもなんですが、
研修会社により色々ですし、
その切り分け方も凄まじく広く、
”何が何やら感”も感じてしまいますね。
■ただ、
アカデミックな観点から見ると、
「リーダーシップ開発」とは
”対人関係能力の構築と活用に
主軸を置いているアプローチ”
と言われるようです。
ゆえに、鍛える能力も、
”社会的認識(共感、サービス志向、他者の育成)と
社会的スキル(協力、協調、絆の構成、紛争処理など)”
(Goleman, 1995; McCauley, 2000)
等、
「誰かと関わる際に発動される能力」に
やや、よっていると思われます。
■確かに、
”人の力を通じて、何かを成し遂げる”
わけですから、
リーダーなる立場の人にとって
こうした対人面の能力は、
意識的に鍛える必要がある、
というのは、否定できないことでしょう。
■ということで、
「じゃあ、リーダーシップ
どうやって鍛えるのか問題」
について、
今回参考にしている論文、
『リーダーシップ開発:文脈の中での見直し』
デイビッド・V・デイ(ペンシルバニア州立大学)
において、
「リーダーシップ開発を促す
一般的かつ有望な実践方法がある」
といっておりますので、
その内容をご紹介していきたいと思います。
ちなみに、以下の6つが
大まかな項目です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【リーダーシップを開発する有望な実践方法】
1)360度フィードバック
2)コーチング
3)メンタリング
4)ネットワーキング
5)仕事の割り当て(ジョブアサイメント)
6)アクション・ラーニング
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とのこと。
なんだか横文字が多い、、、
そして6つもある、、、
落ち込まず、紐解いて
行きたいと思います。
■以下、内容について、
簡単な解説も含めて
まとめていきたいと思います。
(ちなみに31ページの論文なので、
今日は2つだけのご紹介です)
まず、
ーーーーーーーーーーーーーーーー
<1)360度フィードバック>
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ですね。
特徴は、
・概要:周囲による評価&フィードバック
・効果:自己認識、行動変容を促す
・強み:アセスメント
とのこと。
「360度フィードバック」は、
その名の通り、
上司、同僚、部下、顧客、、、
周りの人々からフィードバックをもらうものです。
確かに「あなたこう見えてまっせ!」という声は
何にも増してインパクトがあるものです。
そう、時に耳が痛く、心も痛い。
、、、だからこそ「効く」
とも言えるのでしょう。
いわく、
”「おそらく1990 年代の最も注目すべき経営革新」と
賞賛されている(Atwater & Waldman, 1998a)”
とも言われるほど、
パワフルなアプローチです。
■ただし、取り扱い注意の側面もあります。
フィードバックは
防衛本能が働きます。
ゆえに、
「誰が言ったんだ!」とか
「俺の一部分しか見てない」
と反発・拒否という動きに繋がること、
ままあります。
実際、
「1/3はパフォーマンスが低下させる」という
データもあるようです。
(Kluger & DeNisi, 1996)
ゆえに、その内容を、
・見つめて
・受け取り
・どうするか考える
という連動が必要であり、
『「360度フィードバック」は
コーチングと連動していることが重要』
と言われております。
■では、2つ目。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
<2)コーチング>
ーーーーーーーーーーーーーーーー
です。
特徴は、
・概要:1on1の実践的で目標に焦点を当てた学び
・効果:自己認識、行動変容、キャリア開発を促す
・強み:チャレンジ、サポート
とのこと。。
さて、もうだいぶ知られたコーチング。
今更感もありますが、
色んな流派があり、
その考え方も微妙に違っているようです。
一応定義を紹介すると、
”コーチングは、一対一の学習と
行動変容を目的とした実践的なものである”
(Hall, Otazo, & Hollenbeck, 1999; Peterson, 1996)
だそうです。
これも、色んな人が、
色んな事言ってるので、
ざっくり理解をするとしましょう。
■ちなみに最近は
「コーチング大事」という空気があり、
様々な組織にも導入されていますが、
「どんなときにも
抜群に機能する施策などない」
わけであり、
コーチングもそれは同様なのです。
■例えば、ある研究においては、
「コーチングの参加者の
4分の3は脱線する危険性があった」
という報告があったり(Thompson, 1987)
「コーチングはケーススタディ以外での
実証研究はほとんど発表されていない」
などもあるそう(Kilburg, 1996)。
個人でコーチを雇う人は、
前向きで意味を感じますから
ほぼ機能するでしょう。
でも、例えば組織において、
ある役員が人事から、
「役員、コーチング受けて下さい」
と言われても、
「は、なんで?」となっても
おかしくありません。。
そして、
「なんで自分が選ばれたのかわからない」
「コーチと相性が合わない
(何でアンタに話さなきゃいけないの?)」
「別に自分変わる必要ないし」
という心境だったとしたら、
いくらコーチが
頑張ってコーチングをしても、
当然効果は高まらいわけです。
■とすると、考慮すべきは
『コーチングの効果は、対象者が慎重に選ばれ、
相性の良いコーチとマッチングされ、
かつ変化することを望んでいるほど高まる』
という”条件”でしょうし、
そのためには、普段からの
『組織と個人の関係の良し悪しも、
コーチングの効果に影響する』
と言うことも、
抑えておく必要がありそうです。。
そう、文脈が大事なのです。
■他にも、コーチングは、
対話を通じてなされることも多いので、
”個人の自信と
対人関係の能力を高める”
ことが期待され、それによる付加価値として
上位層がコーチングを受けて、
それが機能したとすると、
「チーム全体のネットワークが構築される」
という影響もある、とも言われています。
ネットワークが構築されると
・尊重・信頼が生まれる
・相談もしやすい
・情報交換もされやすい
・知識が共有される
などいい影響もある、とのこと。
ゆえに、
『コーチングにはまだ見ぬ可能性もある』
と言えそうです。
■、、、と、
2つまとめてみましたが、
まだまだ終わらなさそうです。
こうやって分析すると、
「良い」と言われているものも、
まだわかっていないこともあったり
違う視点でみることができて
実に面白いものです。
続きは明日に続けたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
経営者に役立つのは、耳ざわりな直言である。
安藤百福(日清食品創業者/1910-2007)
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【編集後記】
最近iPadプロをノートにしていますが、
紙よりも書く力がいらず、データ化もできて、
拡張もできて、すごく便利だと思いました。
ZOOMとか共有しながらやるとなお便利。
テクノロジーって、本当に便利ですね。
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