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令和3年8月1日(第2719号)
今週の一冊『学校と社会』(後半)
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2032字/読了時間2分半)
■こんにちは。紀藤です。
週末で疲労が溜まっていたのか
合計15時間の睡眠の日曜日でした。
明日からまた頑張ろう!
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナーです。
今週の一冊は、
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『学校と社会』(後半)
デューイ (著), 宮原 誠一 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4003365224/ref=cm_sw_r_tw_dp_83M7Z1V2JBCQCSS7Q3DV
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です。
※ちなみに「前半」はこちら↓↓
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3917690/
■先週もご紹介させていただきました
『学校と社会』。
現在、大学院にて
課題本として読んでいますが、
色々と考えさせられます。
*
内容について、
前回のおさらいも含めて簡単にご紹介です。
◯デューイ(1859~1952)とは?
・哲学の研究者。
バーモント大学→シカゴ大学の教授になりました。
・アメリカの哲学
『プラグマティズム』に影響を与えた一人です
・プラグマティズムとは、
”役に立つことが重要”とする考えです
(めちゃざっくりですが…)
◯『学校と社会』とは?
・シカゴ大学附属小学校にて、
”人間の精神が発達するための社会生活”を
研究する教育を行う
・7年間の実験を行い、
最初の3年の報告を記述したのが『学校と社会』である
というものでした。
■ちなみに、デューイが行った功績とは
20世紀アメリカにおける
「新教育運動」への影響です。
元々、当時のアメリカでは
・権威的
・教師中心
・教科書中心
・記憶中心
というものでしたが、
新しい教育の考えに変わっていきました。
20世紀初頭で
アメリカ全土で普及して、
・権威主義 →自由表現
・教師中心 →学習者中心
・教科書中心 →生活経験
・記憶中心 →問題解決重視
という思想を
小学校~高校まで影響を与えた、
と言われています。
■そうして、
デューイの功績として
1)経験学習 =
主体と客体の相互作用で学ぶ
(自分と環境の両面から学ぶ)
2)問題解決学習 =
教師が予め用意した授業案に沿って学習するのではない。
与えられたテーマについて考え、仮説を立て学ぶ。
試行錯誤のプロセス中にこそ、重要な学習の要素がある。
という考えを広げました。
これは今で言う、
”「経験学習」+「問題解決学習」=
『アクティブ・ラーニング』”
に繋がっている考え方です。
そんな意味で、デューイは
「現代の教育の考えにも
大いなる影響を与えている」
とも言えるかもしれません。
■、、、ただし、
「じゃあ、デューイが
全面的に素晴らしいのか?」
というと、必ずしも、
そうとも限らないのかもしれません。
私(紀藤)なぞは単純なので
「100年前からアクティブ・ラーニング!
まじ、デューイすげー!!」
くらいに捉えておりましたが
大学院の仲間と話したり、
他にも調べてみると、
色々な意見があることを知りました。
■例えば、デューイの思想は、
”戦後日本の義務教育に
多大な影響を与えた”
とされています。
敗戦後、GHQが入ってきて
米国教育使節団によりデューイの思想が
導入されたそうです。
確かに、日本の小学校も
デューイの思想にならって
美術室、図工室
家庭科室、図書館(実験と科学を統合させる場所)
などの「形」は
模倣されたと思われます。
しかし、デューイが語る
”学習者主体、暗記ではない
「経験学習」+「問題解決型学習」”
が今、実現されたと言うと
少なくとも私の小学校時代を思い出すと、
そうではありませんでした。
むしろ
権威的で、教師中心で、
教科書中心で、記憶中心だった、
とさえ感じます。
つまり、
「確かに思想には影響を与えたかもだけど、
100年経っても実現できてないじゃん?」
というツッコミもあります。
■あるいは、
確かに教育としては
「学習者主体」+「問題解決」とは、
美しい考え方かもしれない。
しかし、
”戦後の高度経済成長において
教科書的に規律重視の教育の方が
使い勝手が良かったから浸透しなかった”
という
「時代の要望にあっていない教育だった」
という考え方もありますし、
他にも、
”古典教育を軽視したことによる、思考力の低下
民族性の喪失もあったのでは”
という
「過去を軽視することにより
日本人の文化に対する尊重や誇りを失った」
という意見も見られました。
■他にも、現場の先生の意見からは
「子ども中心って言ったって、
じゃあ具体的に、どんな「問題」を投げかけるのか?」
「1クラス40人いる中で、
それぞれの興味に応じて、どのような
カリキュラムでそれを導くのか?」
「先生の質はどう担保するのか?」
という
”理想と現実の大いなる壁”
についてはまだまだ、
考えるべきこともあるのではなかろうか?
、、、というお話もありました。
■きっと、これらのことは
デューイが別の書籍でも
語っていることなのかもしれません。
しかし、このような
普段読まない本を読んで、考えてみると
例えば、学校教育などについても、
「これまで考えてこなかった
新しい視点で世界を見ることができる」
と感じます。
自分も、こういう本を読んで
また自分の無知さを全面に感じますが、
その”知らなかった”という
無知さを含めて、
学びのプロセスを楽しみたいものだ…
と思わせられる一冊でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『学校と社会』(後半)
デューイ (著), 宮原 誠一 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4003365224/ref=cm_sw_r_tw_dp_83M7Z1V2JBCQCSS7Q3DV
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【編集後記】
教育心理学、発達心理学、哲学、、、、
ざっくり、ごちゃっと理解していましたが、
最近それぞれの分野があるんだなあー、と
知り始めています。本当に学びって広くて深いです。
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