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令和3年7月22日(第2709号)
チームの力を考える(3)
~「タックマンモデル」とは?/チームが発達する5つのステップ~
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2652字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
4連休の開始。
大学院の課題を進めつつ、
夏から始まる企画の準備など。
さて、本日のお話ですが、
引き続き「チームの力を考える」コーナー。
今日は「チームの形成」について、
有名なモデルをご紹介させて頂きます。
それでは早速参りましょう!
タイトルは、
【チームの力を考える(3) ~「タックマンモデル」とは?/チームが発達する5つのステップ~】
それでは、どうぞ。
■チームが生まれ、成長し、
そして、機能するためには
ステップがある、と言われます。
この
”チームが発達していく過程”
をわかりやすく説明したモデル。
それが、
『タックマンモデル』
と呼ばれるものです。
1965年に心理学者のタックマンにより、
提唱されました。
■これがシンプルなのですが、
実に納得感があるものでして。
簡単に概要をお伝えすると、
”チームの発達には、
避けられない5つのフェーズ”
がある、と言います。
そして、これらのフェーズは
チームが生まれるときに
基本、避けられないもの。
ゆえに、
この5つのフェーズの「特徴」や、
乗り越えるための「成功への鍵」を
理解しておくことで、
「チームの形成に役立つ」
(=チームビルディングに役立つ)
と言えるかと。
■では、5つのフェーズとは
一体どのようなものでしょうか?
以下、特徴ならびに、
成功への鍵をまとめてみました。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【タックマンモデル ~チームが発達する5つのステップ~】
<1,形成期(forming)>
◯特徴
・チームが立ち上がったばかりのタイミング。
・メンバーが知り合いとなり、お互いに遠慮がち。
・コミュニケーションの仕方や、チームとしての目標や課題を
探っている段階である。
・チームメンバーとしての意識が芽生える。
◯成功への鍵
・意図的にメンバーを選ぶ
・チームの目的・ビジョンを特定する
・共有メンタルモデルを作る
(例:共通言語、共通のルール決め等)
<2,混乱期(storming)>
◯特徴
・チームに慣れてきて、信頼を獲得し始める時期。
・同時に、チームの目標や、各自の役割・責任等について
混乱や対立が起こる。
・チームとしての目標ではなく、”各メンバーの言動や考え方”に
意識が向きがちになる。。
・ただ、この時期を乗り越えることで、チームメンバーが
お互いの違いを理解し、快適に参加できるようになる。
・チームが機能するための重要な時期、とされる
◯成功への鍵
・相互信頼を築く(関係性の向上)
・チームメンバーの役割と責任範囲を明確にする
・取り組み方のルールを決める
(例:情報共有の仕方、アウトプットの出し方など)
<3,統一期(norming)>
◯特徴
・チームの目標、役割など共通認識が生まれる。
・メンバー同士の相互理解や尊重が生まれ、
相手をそのまま受け入れ、先に進む努力をする時期。
◯成功への鍵
・相互にフィードバックをする
・リーダーシップを発揮する人を変えていく
・チームの計画や関わり方を話し合う時間を作る
<4,機能期(perfoming)>
◯特徴
・チームが成熟し、理想的な状態。
・メンバーが自律的に各々の役割を果たし、
目的に向かって衝突せずに進めている状態。
◯成功への鍵
・チームの役割に柔軟性をもたせる
<5,離散期(adjourning)>
◯特徴
・目標が達成したり、時間的な制約で
チームが解散をする時期。
・メンバーはチームから離れていく
◯成功への鍵
・将来のリーダーシップの機会を創出する
・新しいメンバーの選出をサポートする
※「Tuckman's stages of group development」より一部引用し作成
https://en.wikipedia.org/wiki/Tuckman%27s_stages_of_group_development
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■さて、いかがでしょうか。
確かに自分のこれまでの
職場やその他の”チーム”を思い返してみても、
まさに、
「形成期」→「混乱期」→
「統一期」→「機能期」→「離散期」
という流れだったなあ、、、
と思い出されます。
■ちなみに、某タイヤ工場にて
”討議集団(=チーム)が発達する過程”
を観察した研究があるのですが(関,1976)
そこでは、こんな様子が見られたそうです。
討議集団ができると、
・メンバーが討議テーマを
何にしたらよいか暗中模索の状態が見られた(1.形成期)
↓
・発言の多い2人のメンバーの対立と葛藤。
トレーナーに対する攻撃的な態度が見られた(2.混乱期)
↓
・メンバー間で相互理解の必要性が認識される。
少数意見を引き出そうとする試みも見られた(3.統一期)
↓
・メンバーが互いに自己露呈が必要と認識する。
討議が活発に進められる(4.機能期)
↓
・メンバーはそれまでのプロセスを
振り返り解散した(5.離散期)
という流れで、
チームが発達し、
そして離れていったそうです。
(釘原直樹(2011)『グループ・ダイナミックス 集団と群衆の心理学』.有斐閣より)
、、、まさに、ですね。
このような流れは、
皆さま自身を思い返してみても、
例えば、
修学旅行でのグループワークも
文化祭での実行も、
部活でのチーム形成も、
大学院でのチームづくりも、
みんな、みーんな
似たようなプロセスを歩んだのでは、
ないでしょうか。
■そして、チーム形成の肝は、
”3,混乱期(storming)”
なのです。
基本的には
大なり小なり「混乱期」は
やってくるもの。
そして、混乱期を乗り越えるための
対策(=成功の鍵)も見つかっていますから、
これらを予習(?)しておくことで、
”訪れる混乱期(storming)”における
嵐の大きさや、長さ、破壊力を
変えることができる、
と言えそうです。
■そのために、
(上記に記載した内容の
繰り返しになりますが)
チームの「形成期」には、
・チームの目的・ビジョンを特定する
・共有メンタルモデルを作る
(例:共通言語、共通のルール決め等)
そして、「混乱期」に向けて、
・相互信頼を築く(関係性の向上)
・チームメンバーの役割と責任範囲を明確にする
・取り組み方のルールを決める
(例:情報共有の仕方、アウトプットの出し方など)
などを行う。
そして、「統一期」に入ったとて、
また混乱期に戻る可能性もあるので、
・相互にフィードバックをする
・チームの計画や関わり方を話し合う時間を作る
・役割に柔軟性をもたせる
ことをしていく、、、
これが、チームを形成するための、
成功の鍵、と言えるのでしょう。
■タックマンモデルは
一つの考え方であり、参照枠です。
しかし、これらを知っておくと
「チームを作るための傾向と対策」
ができるようになりますから、
とっても便利です。
知っていれば、チームの初期段階に
お互いのことを深く話し合う重要性も
十分理解ができるはず。
■ちなみに余談ですが
私(紀藤)は、「新しいチーム」になったときは
1)自己紹介にめちゃくちゃ時間をかける
(こんなに!というくらい毎回やりたい口です)
2)ストレングス・ファインダーを使って
自分の強みと弱みの自己開示をする
3)どんなチームにしたいのか、
チームの目的とグラウンドルールを決める
ことをやります。
しかし、お互いのこだわりなどわかると、
仕事もしやすいので、おすすめです。
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<本日の名言>
まったく違う知識や考えを持った人と、
まず対話できることこそが大事だ。
盛田昭夫(SONY創業者/1921-1999)
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【編集後記】
最近、近所でハゼ釣りができることを知り、
ハゼ釣りをしたところ、30分で10匹釣れました。
そして天ぷらにして食べました。命を頂いているなあ、と
実に豊かな気持ちになった次第。
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