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令和3年7月13日(第2700号)
自然科学と社会科学の違い
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1614字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
大学院の教授から聞いたお話で
心に残っているお話があります。
それが、
「自然科学と社会科学の違い」
というお話でした。
今日はこのお話について、
学びと気付きを皆さまにご共有させて
いただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【自然科学と社会科学の違い】
それでは、どうぞ。
■「無条件に当てはまる
社会科学の理論は存在しない」
組織行動論を学ぶ中で、
先生が語った言葉が
実に印象に残っております。
、、、というのも、
リーダーシップ理論や
モチベーション理論などを学ぶと、
「見方によって
どっちともとれるじゃん」
「結局、どっちが正解なのだ…?」
と、疑問に思うことが多いから。
■例えば、ある理論から見ると、
”関係性の質を高めることが
パフォーマンスを高める”
といいますし、
また別の理論から見ると、
”目標を明確にして、
役割と責任を認識することが
パフォーマンスを高める”
と言います。
「どちらも真なり」
なのでしょうが
ある観点から見ると
前者が特に問題に見えたり、
また別の観点から見ると
後者がより問題に見えたりします。
■あるいは、その人の
「リーダーシップスタイル」が
・関係重視型なのか
・率先垂範型なのか
・ビジョン型なのか、
なども、
どの部分を
どのように切りとってみるか、
によって、見え方が変わってくるのです。
、、、じゃあ、
結局どれが真実やねん、
となるわけです。
■そんな中、教授が言った話が、
(モチベーション理論や
リーダーシップ論などは)
「心理学や社会学などを背景にした
『社会科学』であるから」
といった説明が、
実に納得なのでした。
■「自然科学」と「社会科学」は、
同じ学問でも、違うのです。
「自然科学」は、
”因果関係が明確な世界”
とされます。
チューリップを植えたらチューリップが咲いて、
ひまわりを植えたら、ひまわりが咲く。
チューリップを植えたのに
ひまわりが咲いた、ということはないです。
数学・物理学・天文学・
化学・生物学・地球科学など
自然における観測可能な対象や
過程に関する科学または知識です。
■一方、「社会科学」は
”因果関係が不明確な世界”
とされます。
「江南の橘、江北の枳(からたち)となる」
ということわざがあります。
南に植えると甘い実をつける橘ですが、
北に植えると性質が変容し苦い実しかつけない枳と、
同じものでも変容する、ことから。
”場所によって、性質が変わる”という
たとえとして使われることわざです。
実際に、これが起こるのが「社会科学」。
政治学・政策科学・経営学・法学
経済学・社会学などで
客観的に社会の真実を探求することとともに、
人類にとっての有益を追求する学問
という定義です。
■そして、
リーダーシップ論や
モチベーション理論、
組織行動論などは社会科学に分類され
ゆえに、様々な理論が出ていますが、
”状況によって、当てはまるものもあれば
当てはまらないものもある”
のは仕方ない、ということになります。
なぜならば(繰り返しになりますが)
「自然科学と違って
社会科学は因果関係が不明確な世界」
だからです。
■それでもなお、
「社会科学」を知る理由は、
どこにあるのでしょうか?
それは、
私たち人間社会の起こる
様々な事象を、理論という視点から
”因数分解をして
理解することが可能になる”
からでしょう。
■前の部署では
マネジメントが上手く言ったのに、
違う部署になったら
自分のマネジメントが全然機能しない…
こういうこと、あります。
ただ、何かしらの原因があるけれど
理由がわからない。
そんな時に、
リーダーシップ理論でも
モチベーション理論でも、
理論を知ることで、
現場の状況に対応するために
役立つことが大いにあるのです。
完全な正解や方程式を
与えてくれることはなくても、
方程式の「X」に当てはまる、
部分的な答えくらいは与えてくれるのです。
■ゆえに、
『「理論」は現場の武器となる』
ということで、
改めて学びの大切さを感じた
というお話でございました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
人間は、他人の経験を利用するという
特殊能力を持った動物である。
R・G・コリングウッド(イギリスの歴史学者/1889-1943)
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【編集後記】
昨日は「大学院おすそ分け勉強会」の開催でした。
「モチベーション」をテーマに
学びを”おすそわけ”せていただきましたが、
モチベーションと言っても、
実に幅広い理論があるのだ…
と話しながら改めて感じました。
モチベーションは奥が深い!
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