配信日時 2021/06/27 21:58

今週の一冊『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』【カレッジサプリ】

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令和3年6月27日(第2684号)


今週の一冊『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3659字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、
朝から5キロのランニング。
また、大学院の授業でした。

また夕方からは、来週行う
高校生向けのワークショップの
デモ体験会の実施でした。

3ヶ月話をしてきた内容が
ようやく来週お披露目になります。
最後まで楽しんでいきたいと思います!



さて、本日のお話です。
毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。


今週の一冊は、

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『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』

田中研之輔(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07W45B5GT/ref=cm_sw_r_tw_dp_VZQNG9VHF4H51HHHB4K7

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です。



■プロティアン・キャリア。

これは、米ボストン大学経営大学院で
組織行動学や心理学の教鞭を執るダグラス・ホール教授が、
1976年に提唱したキャリアの概念です。


ちなみに、この言葉の語源は、
ギリシャ神話に出てくる、

”思いのままに姿を変える神プロテウス”

が元になっているとのこと。



■神プロテウスは、

火にもなり、水にもなり、
獣にもなり、

環境の変化に応じて
自由自在に姿を変えるそう。


そんな神プロテウスのように、
こと「キャリア」においても、

”変化に応じて、自分の意思で、
 自由に姿を変えることができる変幻自在なキャリア

を『プロティアン・キャリア』”

と読んだのが元だそう。



■さて、キャリアといえば、

私(紀藤)も仕事柄、
研修や勉強会、コーチングなどで

様々な年代の方と
お話をする機会があります。


例えば、
30代の半ばくらいで優秀な方などは、

組織の中での役割も大きく、
特に今後のキャリアについて明るく
重要な責任に邁進しています。


それらの大企業の中で
着実にキャリアを重ねる人々は、

「将来の不安より、
 今全力に走っている感」
 
が漂ってきます。


同時に同じ年代でも
所属する組織によっては

自分の力を持て余しており、
どこかで「もっと良い機会はないか」と
様子を伺っている人もいます。


いずれにせよ、30代で
少しアンテナが立っている人は、

必ずしも会社がこの先ずっと面倒を
見てくれるわけではない…
というのは共通認識のよう。

ゆえに、

・会社というフィールドを最大限
 活用して自分を伸ばす、
・自主的にスキルを磨く
・(時に)副業を行う、

という人もかなり
増えてきているように思います。



■そして、少し年代が上がって
40代半ばくらいの方。

この年代の方とお話をすると

口には出さないものの、

”自分がこれ以上のキャリアアップができるか、
 あるいはできないかも予測がついてくる”

といいます。

同時に、”ミドルの憂鬱”とも言われる、

「キャリアプラトー」
(=組織内で停滞を感じ、
  働くモチベーションが低くなる状態)
 
に差し掛かってくると言われるように、
また違った意味で力を持て余す方も、
いらっしゃるように見受けられます。


同時に、

年齢的に転職が少し考えづらいと、
果たして組織でどう自分の力を使うのか…

と、モチベーションの低下に繋がっている方も
いらっしゃるようす。

もちろん、これも人によります。



■もっと年代が進むと、
更に、人によってわかれます。

50代を過ぎて、
60代に差し掛かろうとされている方。

姿勢により、全然違います。


エネルギッシュな方は、

”60代から後、どのように
 自らを活躍させ続けるか”

を考えています。

このような方は、
休日を含めた自主的な社外勉強会に
参加するなどして、

コーチングや
キャリアカウンセラーの資格等を取ったり、
社外のコミュニティのつながりも育て

数年後の種まきをしつつ
現役の仕事にも邁進されている、
という方も見受けられます。


一方、組織の中で消化試合のように、
今ある役割を最低限こなして、、、

という方も確かに存在してるようす。。。

(そして扱いづらい年上部下、
 と周りに言われてしまったり汗)
 
繰り返しますが、人によります。



■いずれにせよ、

人が働いていく以上
「キャリア」に関する課題は、
どの年代でもつきまとう話のようです。


そして、キャリアにおける
モヤモヤの主な原因とは、


・キャリアを組織に預けてしまっている

・キャリアを昇進などの結果だけに依存している

・キャリアを自分で変えることができない

という、

”キャリアについて
 自分がどうにもできない感”
 
が一つのあるようです。

そしてこれらの

”組織に依存したり、
 外的キャリア(昇格昇進)などに
 大きく依存していた”
 
のが「これまでのキャリア論」と
著者が呼ぶものだったようです。



■それに対して、今回の

『プロティアン・キャリア論』。

これは、上記であげた話と
逆になります。

つまり、


・「キャリアは組織に預けるものではなく、
  自分で育て、形成する」

・「キャリアは昇進などの結果ではなく、
  生涯を通じた全過程である」

・「キャリアは変化に応じて、
  自分で変えることができる」


という視点にたったキャリア論。

それが『プロティアン・キャリア』として

個人の寿命のほうが組織の寿命よりも
長くなりつつある現代に置いて、
再評価されるべきときに来ている、

と語るのでした。



■、、、ここまでは
まあ、わかる、として。

その中で疑問が出てきます。

それは

「どうやってキャリアを育てるのか?」

ということです。


ちなみに少し横道にそれますが、
「個人事業主が増えた」といっても、

法人経営者は170万人
個人事業主は240万人で、
合計約410万人となり、

「人口の3%程度が
 組織に属さず自分でやっている人」
 
であるそう。


正規雇用・非正規雇用関わらず、
97%の人は現場では、何かしらの組織に所属し、
そしてキャリアを育てている、

というのが現状のようです。

※参考:日本の企業数など
https://www.syachou-blog.com/others/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%81%E6%A5%AD%E6%95%B0%E3%81%AA%E3%81%A9/


組織に属しているけれど、

その現状の中でどうすれば、
自分が納得するキャリアを

・組織に預けずに
・生涯を通じて
・自分で変える

ことができるのだろうか?

これは気になるところではないかと。



■この疑問に対して、

今回の『プロティアン・キャリア』では、

法政大学の教授であり、
キャリア論や組織分析論の専門家である
著者の田中研之輔氏が、

多くの研究や論文を引用しつつも、
非常に読みやすい切り口で

”変幻自在なキャリアの必要性と作り方”

を語ります。



■ポイントとしては、

プロティアン・キャリアは、

・昇格昇進以上に、
 心理的な成功を得ることが大事

・自分自身の「無形資産」を見直すこと。
 無形資産が有形資産に変わる

・「キャリア資本」は目減りしない。
 まず、キャリア資本構築することが重要。


という文脈で語ります。


その上で、

”プロティアン・キャリアに必要な
 3つの「キャリア資本」”

として、

1)「ビジネス資本」:知識やスキル他
2)「社会関係資本」:人の繋がり・ネットワークの集積
3)「経済資本」:金銭・財産など

などを挙げて、

それらをどのように高めていくのか、
を具体的に例示をしていきます。



■結論から言うと、

一つ一つの
「キャリア資本」の高め方は、
実に、地味で地道です。


例えば、「ビジネス資本」で言えば

・日頃のルーティンを見直すこと
・歴史書籍を読むこと
・専門書をレベル順に読む

とか、

あるいは「社会関係資本」で言えば

・異業種での交流を行うこと
・自分と異なる世界にいくこと

とか、

・自分自身のキャリアの過去・現在・未来を
 分析して、自己認識をする
 
など。

ある意味、どこかで聞いたことがある
話ではないでしょうか。



■しかし、結局、

キャリア論の研究からも、
その道の大学教授も、
言い換えれば、

「王道。それしかない」

と言っているとも思えます。


3年後、5年後を見越して、
着実に無形資産を積み上げるのみ、


この大切さを改めて
突きつけられているように思います。



■この本を読むと、

”自分自身がどれくらいの
 キャリア資本があるだろうか?”
 
とか、

”今のペースはどれくらい
 キャリア資本を積み立てられているのか?”

を考えさせられます。


おそらく、自分の将来を
不安に感じてしまう理由とは、

「自分の将来の見通しを明るくするための
 ”行動”が何かわからない」
 
こと、そして

「自分の未来に向けて、
 種まきの”行動”をできていない」
 
と無意識に自覚していることが
挙げられるのでは…

と私は感じます。



■これまでのように

全体として成長するわけではなく、
よって大きな流れにのって
自分が引き上げられる時代ではなくなります。

(というかすでにそうなっている)


ゆえに、ますます

一人ひとりの力や、
一人ひとりの成功の定義が
問われる時代になってくるはず。


そんな中、

「いつでも変わり続けられる自分」

でいるための指針として、

・どんな視点を持てばよいのか、
・どんな計画をすればよいのか、
・そして、何をすればよいのか、

のヒントを与えてくれる
貴重な情報になるかと思います。


長く活躍し、仕事でも
心理的な成功を収め続けたい人には、
特にオススメの一冊です。


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<今週の一冊>

『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』

田中研之輔(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07W45B5GT/ref=cm_sw_r_tw_dp_VZQNG9VHF4H51HHHB4K7

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【編集後記】
キャリアも結局、運というのもあると思います。
でもそのために少しずつ準備をしておくこと。
準備し続けることが大事なのだ、と思います。

準備している意識がないくらい、
学び、ご縁を大切にすることを習慣にしたい、
と思いました。


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