配信日時 2021/06/16 09:32

ローキックは、eとxの間を狙うんですよ 【カレッジサプリ】

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令和3年6月16日(第2673号)


ローキックは、eとxの間を狙うんですよ 


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2876字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は、4件のアポイント。
また夕方からは、キックボクシングジムへ。



さて、本日のお話です。

昨日は夕方からの予定がなかったので
17時30分位にキックボクシングジムに行きました。


そうしたところ
ジムの会長(=一番偉い人&強い人)が、
ミット持ちをしてくれて、

かつ色々とキックやパンチの技術について
教えてくれて、大変勉強になったのでした。


今日はそのお話と学びと気づきを
皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、



【ローキックは、eとxの間を狙うんですよ】



それでは、どうぞ。




■「それじゃあ、何を狙っているのか
  わかんないですよ」


私の隣でサンドバッグを
蹴っている練習生に

ジムの会長がにこやかな表情をたたえつつ、
声を上げました。


ジムには早めの時間のため、
会長と、私を含めた2名。
合計3名しかいません。



■もともとキックボクシングの世界で、
チャンピオンにもなったことがある会長。

会長の言葉に対して、

「そうですね、ローキックのつもりで
 蹴っていたんですけど…」

とマスク越しに練習生。


「いやいや、ローキックは、そこじゃないですよ。
 文字で言うと、”eとx”の間くらいですよ。」


目の前には、地面から2メートル位ある
長いサンドバッグと、そこに書かれた

”t a i & t e x”

というアルファベットを崩した文字が
書かれています。



■「eの上だとすると、それは金的ですよ(笑)
 ローキックは、eとxの間くらい。

 そこをブレずに同じように
 蹴れるようにしないとですよ」


練習性は、eとxの間を
狙うように蹴ってみます。


「なるほど…、このサンドバック、
 そんなふうに使うんですね。」


練習生が、マスク越しの表情から
驚いたような顔を見せつつ、
答えていました。


そして私も隣で聞いていて、
「そうなんだなぁ」
とふんふんと頷きました。



■新しい知識に色めき立つ
練習生2人を見て

ジムの会長は、続いて
嬉々として更に教えてくれます。


「ちなみに、ミドル(キック)ですけど
 taiの”a”のあたりを狙うんですよ。
 
 自分が構えたときの、肘あたりですね。」
 

「それがミドルの単発だったら、
 水平に”a”を狙うイメージ」

 
「もし、パンチからのコンビネーションだったら、
 ”a”のちょっと下くらいを狙う。

 それは、なぜか?
 パンチを打った後は相手と距離が近いから
 必然的に、下から打ち上げる感じになりますし、

 パンチでカードが上がっているでしょうから、
 ”a”の下からでも、隙間を狙えるわけです」
 

、、、

怒涛のように語る、
会長の説得力がある話に、

練習生2人(私を含む)は
「勉強になります」とただただ
うなずくばかりでした。



ミット打ちの際に、会長からの
ごく軽いローキックをガードした際の
アツい痛みを持っている脛感じつつ、

ローキックの奥深さを感じたのでした。



■そして、この話を振り返って

「より本質的な学びはなにか?」
と考えてみました。


そこから思った事。

それは、


【経験から生まれた持論と
 理論をもとに、
 
 解像度高く、
 自分の言葉で語ることができる】


こそがプロフェッショナルである、
という気づきです。



どの世界の、どの分野でも
同じことが言えますが

同じような行動でも、
そこにかけるこだわりや工夫
細かなテクニックを、

そのシーンごとに切り分けて
”解像度高く言語化できる”ことは

プロフェッショナルの証であろう、
と思うのです。



■例えば、今回の会長の

ローキックやミドルキックや話などは
まさにそう。


素人が、
なんとなくでやっていたところを
深い解像度で捉えられる。

そして、違う視点を
素人でもわかるような説明で、
なぜそうなのか?も含め、論理的に伝えられる。

かつ、自分自身もそれを体現してきたからこそ
言葉に重みがある。

、、、

これぞまさに
「プロフェッショナル」だなぁ
と思ったわけです。



■そして振り返ると
私たちの日仕事でも
同じことが言えると思います。


それが営業であれ、
マーケティングであれ
研究開発であれ、
なんの職能であれ、


【経験から生まれた持論と
 理論をもとに、
 
 解像度高く、
 自分の言葉で語ることができる】


ことは、

その領域における価値を提供できる
プロフェッショナルの証左であるはず。



■そして、私も、
自分自身のことに当てはめて
考えてみます。


「人材開発・組織開発」の
領域で仕事をしていますが、

「研修をする」とか
「ファシリテーションをする」だけなら
見様見真似で、ぶっちゃけ誰でもできます。

では、プロフェッショナルとは、
一体何なのか?


それはやはり、


【経験から生まれた持論と
 理論をもとに、
 
 解像度高く、
 自分の言葉で語ることができる】

 
レベルにあることだよな、と
思ったわけです。



■研修のデリバリー、
ファシリテーション技術も、

”それっぽい”ものもあれば
”ホンモノ”もあります。

本当にピンキリ、有象無象です。

その違いを分けるものとは、
例えば、


・事務局の方とのチームづくり
・研修全体のテーマ決め
・効果的なツール作り
・事前・事後の巻き込み
・当日の環境設定
・参加者との心理的距離を縮める工夫
・「参加者の状況」にあった言葉選び

、、、


等の工夫もあり、それらも
より”解像度高く”見ている必要も
あるでしょうし、

「参加者の状況」を
理解し想像するためには続いて


・対象者の課題をより明確に理解する
・そのために組織の構造や制度を知る
・悩みの傾向を類推できるように、社会や人間について知る

ことも必要になる。

さらにそこをもっと理論的に
裏付けをとるようにするならば


・人の合理的&非合理な行動を解き明かす
 「組織行動論」

・人事制度や評価制度にまつわる
 「公平理論」

・人のやる気について理解する
 「モチベーション理論」


などの理解も大切な知識となるでしょうし、

さらにさらに言えば、
そこに紐作くより深い根源的な
社会と人への理解として


・心理学や社会学
 社会心理学や人類学など
 

を学び、構造的に
人と組織、社会を理解することも、



【経験から生まれた持論と
 理論をもとに、
 
 解像度高く、
 自分の言葉で語ることができる】
 

ことを、研ぎ澄ませていくための
重要なプロセスでは、と思うのです。



■こんな名言があります。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どんな分野の知識でも、それに熟達するには、
隣接するものについて学ばねばならない。

したがって何かを知るには、
全てを知らなければならないのだ。

オリバー・ウェンデル・ホームズ
(米国の作家・詩人・医師/1809-1894)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一つのことを深く知るために、
多くのことを知る。

穴を深く掘るためには、
周辺も掘り下げていく必要がある。


ジムの会長が、
整体師でもあり体についての
プロフェッショナルでもあることも知り、

更にそんなことを思いました。



■、、、と話がローキックの話から
大きくなってしまいましたが、


【経験から生まれた持論と
 理論をもとに、
 
 解像度高く、
 自分の言葉で語ることができることが
 プロフェッショナルである】
 
と言うこと、

そして、その領域に
近づくためには

数多くの経験を積み
数多くの理論を学び、
自分の言葉にしていくと言う道のりを、
粛々と歩み続けることが重要なのだろう、

自分の事を振り返りつつ、
そのように思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

偉業は一時的な衝動でなされるものではなく、
小さなことの積み重ねによって成し遂げられるのだ。

フィンセント・ファン・ゴッホ(オランダの画家/1853-1890)

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【編集後記】
プロの人の脛って、本当にぎっしりつまった
鉄パイプのように固いのですよね。
ちょっと触っただけで脛が腫れてしまいました。


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