配信日時 2021/06/13 08:48

今週の一冊『チームワーキング  ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方』 【カレッジサプリ】

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令和3年6月13日(第2671号)


今週の一冊『チームワーキング  ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方』


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3266字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、研修プログラムの作成。

午後からは大学院の授業
「戦略的人的資源論」なるものでした。

小難しいタイトルと打って変わって、
実に実用的かつ、面白い内容でした。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日はお勧めの1冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は


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『チームワーキング  ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方』

中原 淳  (著), 田中 聡  (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4820728741/ref=cm_sw_r_tw_dp_6TSMHZYJ1QER42DQ81CP

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です。



■皆さまの中にも、

「チーム」の中で動いていらっしゃる方
多いのではないかと思います。


一部の専門職の人を除いて、
1人だけで仕事をする人はあまりなく、

特に組織においては
誰もが誰かと共同して

チームとして仕事をする機会は
少なからずあるのではないかと。



■たとえ、個人事業主的な
「営業」だったとしても

上司や同僚、開発チーム
あるいはマーケティングの人と

一時的だとしても
「チーム」を組んで動くこともあります。


ゆえに、

「チームで成果を出す」

ことは多くの人にとって

”重要かつ必要なスキル”と
言えるのではないかと。





■さて、実際のところ、

”高い成果を上げるチーム”

を作るために、一体
どうすれば良いのでしょうか?



・目標を皆で握る?
・関係性の質を良くする?
・心理的安全性を保つ?
・コミュニケーションを大切にする?
・役割分担を明確にする?
・チームビジョンを掲げる?

、、、

なんだか色々ありそうですよね。。。

きっと、10人に尋ねたとしたら
それぞれの答えが返ってくるでしょう。


チームを機能させるためのポイントは
幅広いし、
ゆえにそれぞれの持論もありそうです。



■その中で、今回ご紹介する一冊は、

(今私が絶賛、学んでいる)

立教大学 経営学部 中原淳教授と、
田中聡助教授、

そして同大学の
データアナリティックス・ラボにて、


『成果を出るチームと
 成果が出ないチームのちがい』
 

について、

詳細なデータを大量に収集、分析し、
まとめた一冊となっています。



■何が特徴かと言うと、


「データを元に、
 成果が出るチームを分析している」
 

ところが何より説得力があるのです。


なんとなくこっちのほうが
成果が出そうだ or 出なさそうだ
という感じはあっても、

そこに根拠となるデータを基に、
必要な行動を示されることで、


「成果が出るチームを作るために
 私たちは何に気をつけるべきなのか」
 

というチェックポイントが
明確になるのです。



■例えば、

『目標設定』については、
このようなデータが示されています。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「Q、チーム全員が達成したいと思えるような目標を設定している」

・高成果チーム群 92.6%
・低成果チーム群 56.7%
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

つまり、

高成果チーム群は
「全員が目標にコミットし続けている」
といえるし、

対して

低成果チーム群は
「メンバーが目標にコミットしなくなる」
と言えそうです。



■あるいは、

「課題の認識合わせ」については
こんなデータが示されます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

全員が納得するまで十分に議論した = .367(正の関連あり)

ほとんど議論せずに決定し、
その後も特に修正する事はなかった =−.266

一度チームで決めた課題の方向性を見直すことを
面倒だと感じ、やり過ごしていた =-.302

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と、「十分に議論をすること」の重要性が
データで示されていたりします。



■また、

「チームのリフレクション(振り返り)の効果性」
についても、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「Q、私たちは、割り振られたタスクや実践した内容は、課題達成のために
  適切だったか、グループ内で相互に振り返り続けている」

・高成果チーム群 78.1%
・低成果チーム群 48.5%
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

というように、


高成果チームは、
”リフレクションをし続ける”事に対し

低成果チームは
”徐々にリフレクションしなくなる”

ことがわかった、というように


分析データを元に語られると
たいへん説得力を感じるのです。



■、、、なんていうと、

「小難しくて、
 面白くなさそう、、、汗」
 
と思いそうですが、

全くそんなことはなく

わかりやすいケースも一緒に加えて、
グラフで見やすく書かれているため

「何がチームの成果を出すための
 重要ポイントなのか」

が端的にわかるので、
読みやすい一冊です。



■ちなみに私も、今同大学院で
チームのプロジェクトをやっています。

その中で、この本も
とても役に立っています。

本を見ながら、自分のチームの
「チームワーキング度合い」を考えると


◯できていること
・自分たちのチームは関係性も良く、
 納得行くまでディスカッションはしている
  
◯更に!のポイント
・一方、「時間内に終わらせる」と言う意識は
 まだまだ“伸びしろ”がある(言い方が大事です)
 

と振り返り気づけて

大変実用的な一冊だな、と
私自身実感としております。




■詳細はぜひ読んでいただければと思いますが、

この著書で語っている、
”チームを動かすためのポイント”を
以下まとめます。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<「チームワーキング」に必要な「チームを見つめる3つの視点」>


1)チーム視点
… チームの全体像を常に捉える視点

2)全員リーダー視点
…自らもリーダーたるべく当事者意識を持ってチームの活動に貢献する視点

3)動的視点
…チームを「動き続けるもの、変わり続けるもの」として捉える視点

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

上記の視点をチームメンバーが
共通して持つことで、

「チームがワークする状態」に
近づいていきます。

これは、チームをワークさせる
『視点のルール』の話です。



■そして、続いて

チームをワークさせる
『行動のルール』は、以下の3つです。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<「チームワーキング」を生み出す3つの行動原理」>

1)Goal Holding(ゴール・ホールディング):目標を握り続ける

… チームの目標設定を行う事はもとより
  常に目指すゴールが何か、実現したい事は何かを
  皆で話し合い確認しあっていきます。。

2)Task Working(タスク・ワーキング):動きながら課題を探し続ける

…チームでの課題解決において「動きながら課題を探し続ける」ことです。
 そうしなければ、いつの間にか目標とずれてしまいます。
 やっては修正し、やっては修正する。そうして、課題の解像度を上げ、
 チームの行動の精度を高めていくのです。


3、Feedbaking(フィードバックキング):相互にフィードバックし続ける

…チームの中では、メンバーが、チームに対して様々なことを思っています。
 「チームの活動を通じて、それぞれが考えていること感じていることを
  チームメンバーに表明していくこと」がフィードバックです。
 それによって、活動やチーム内の関係性を改善することができます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


上記の内容は、言われてみたら当
たり前のことかもしれません。



■しかしながら、

データとケースを通じて、
1つのフレームで認識し直すことで、


”自分自身が持つ、
 チームで成果を高めるための「持論」”
 
 
を、さらに洗練させることにも
つながりるでしょうし、


これらの項目をチームで見直すことができれば


”チームの成果を高めるための共通認識”
 
も生まれるかと思います。



、、、ということで、是非

チームをワークさせたいすべての人に
高い成果を上げるチームを作りたいすべての人に

ぜひオススメしたい一冊でございます。

よろしければ、ぜひ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『チームワーキング  ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方』

中原 淳  (著), 田中 聡  (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4820728741/ref=cm_sw_r_tw_dp_6TSMHZYJ1QER42DQ81CP

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【編集後記】
最近中原先生の書籍ばかり紹介していますが、
自分が学んでいる場所を贔屓するわけではなく
データと読みやすさのバランスが素晴らしいなと思っています。

理論だけではなく、自分のエピソードだけではなく
それをうまく融合して伝えることができると、
わかりやすくかつ説得力を持つのだな、と思います。
そうありたいもの。


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