配信日時 2021/06/09 09:33

「幸福感と自己決定」の論文から学ぶ、幸せな人生を送るためのポイント【カレッジサプリ】

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令和3年6月9日(第2667号)


「幸福感と自己決定」の論文から学ぶ、幸せな人生を送るためのポイント  


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2462字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

先日、大学院の授業で

「自己決定感が高い人は、
 幸福度も高い」

という話を、教授から
紹介されました。


へー、そうなんだ、

と思いながら、何気なく
元の論文を読んでいたら、

非常に面白く、改めて

「自分で決めるって、
 めっちゃ大事やん!」

と勝手にテンションが上っておりました。


※ちなみに、今回のお話の元の論文はこちら↓↓
 『幸福感と自己決定ー日本における実証研究』
  https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/18090006.html


ということで、今日は
「幸福感と自己決定」の論文のまとめと学びを、
皆様にご共有させていただきたいと思います。

それでは早速まいりましょう!


タイトルは、



【「幸福感と自己決定」の論文から学ぶ、幸せな人生を送るためのポイント】



それではどうぞ。



■幸福にまつわるあれこれ。


ギリシャの哲学者アリストテレスは

「”幸福”を人生の究極目的」

と捉えていたそう。


また、フランスのサルコジ大統領が
「幸福継続指標」についての報告書を出し、
幸福度の測定に力を入れる国も出てきたり。


また最近は、
「ウェルビーイング経営」と言われ
人・組織・社会の幸福度に注目する経営の考え方も、
注目されてきています。


そして、私の大学時代の
素敵な女性の先輩は、

「人って何のために生きるのか?」
という私の若干モラトリアムな質問に対して

「”幸せになる”ために
 決まっとるやろ」
 
と北九州弁で答えていました。

(これはどうでもいいか、、、)



■「幸せになる」ことに
興味がない人はいないと思います。


では、そんな「幸福度」に
影響を与える要因とは一体何なのか?

これ、大変気になるところでございますね。


この幸福度について
日本における実証研究として
2万人の日本人の調査を行い、


「所得」
「学歴」
「健康」
「人間関係」
「自己決定」


が幸福度に
どのような影響与えるのかを調べた論文。

それが、上述でご紹介した内容です。



■その結果が、なかなかに興味深く、

”「幸せな人生」をおくるためのヒント”

が入っているようにも思えました。

データですから、
実に説得力があったのです。




まず、この大規模な研究では

”幸福感の因子”として、
「前向き志向」と「不安感」と設定しました。

「前向き志向」が高いと、幸福感も高い。
「不安感が高い」と、幸福感は低い。

ざっくり、そんな認識かと。



では、

所得、学歴、健康、人間関係、自己決定

のそれぞれの違いで、
前向き志向と不安感に、
どんな影響があるのか、

それを調べたとのこと。



■まず、「所得」です。


基本、世帯年収は高いほど
「前向き志向」が高くなりました。

ちなみに、世帯年収が650万円~750万円の間で
「前向き志向」が「不安感」を逆転します。

しかしながら、少し指標をかえて
”主観的な幸福度”で見ると、

年収1100万円を上限に、
それ以上年収が増えても
主観的な幸福度が高まらない

という結果になりました。


つまり、

『所得が高ければ高いほど
「幸福度」が高いわけではない』
 
ということ。




■次に、「学歴」です。


高卒では「不安感」が
「前向き志向」をやや上回っており、

大卒 低難易度(偏差値50未満)は
「不安感」が非常に高い結果でした。

大卒 中難易度(偏差値50~60)は
「前向き志向」が上回り、

大卒 高難易度(偏差値60以上)になると
「前向き志向」がさらに高まることがわかりました。



一方、興味深いのが

「就職先を自分で決めたかどうか」(自己決定の質問)
に対して、イエスと答える人が多い場合は、

大卒未満であっても
「不安感」は「前向き志向」より
やや上回っている(=ほぼ差がない)状況でした。


学歴に関わらず、
「自分で決める」ことが
「前向き志向」に影響を与えているようです。

つまり、

『学歴が高いほど
 幸福度が高いわけではない』
 
ようです。




■次に、「健康」。


これは、想像どおりかと思いますが、

・健康でない
・どちらかと言えば健康でない

は「不安感」が強く、
普通でも不安感がやや勝ります。

・どちらかと言えば健康である.
・健康である

と健康状態が高まるにつれて、
正比例的に「前向き志向」は
高まることがわかりました。


すなわち

『「健康」は、
 幸福度に強く影響する』

と言えます。



■そして、次に「人間関係」です。

これはもう、言うまでもなく
想像通りです。

・配偶者、パートナーとの関係
・職場の仲間との関係
・上司との関係

それぞれについて

・全く満足していない
・どちらかと言えば満足していない

は「不安感」が強く

・どちらでもない

でもやはり「不安感」の方が
やや勝っています。


・やや満足している、
・大いに満足している

に従って、これまた正比例的に
「前向き志向」が高まっていきます。


ゆえに、

『「人間関係」は
 幸福度に強く影響する』
  
と言えます。



■そして最後に「自己決定」。

これが、興味深い。

点数ごとに

・低い自己決定
・中くらいの自己決定
・高い自己決定

となるに従って、

健康や人間関係と同様に

「前向き志向」が正比例的に
高まっていくことがわかりました。


ゆえに

『「自己決定」は
 幸福度に強く影響する』

と言えそうです。



■、、、と、非常に
説明チックになってしまいましたが、

まとめると、
今回のお話のポイントは以下のとおり。



1、幸福感を決定する要因は
 「健康」「人間関係」が大きい。

2、それに次ぐ幸福感を決定する要因は「自己決定」。
  所得・学歴を上回っている。

3、ゆえに、自分で人生の選択をすることで、
 人生の満足度が高まり、幸福度も高めることにつながる


とのこと。



ということで、


「幸せな人生を目指すなら
 
 健康と人間関係を大事にしつつ、
 
 ”自己決定”をしよう!」
 
(もちろんお金もあったほうがいいけどね)


というメッセージと
私は受け取りました。



■ちなみに、

国連の世界幸福度報告書において、

日本の国際ランキングでは、
日本は幸福度がそれほど高くなく、

国全体で見たときにも
「人生の選択の自由」が低い国であるそうです。


ゆえに、この日本だからこそ、意識して
「自分で決定すること」が重要である、

とも言えるかなと思います。


「自己決定」、とっても大事ですね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

毎日が休日だったら、
遊びも仕事と同じように
退屈なものになるだろう。

ウィリアム・シェイクスピア(イギリスの劇作家/1564-1616)

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【編集後記】
私も独立をしてから幸せだなあ、
と感じることが増えています。

よく言われるように、安定感や保障などはなくなっても
そう感じられるのは、まさに時間の使い方、
やる仕事やらない仕事、働き方も予算も全部、
「自己決定をしているから」だと思いました。

「自己決定が幸福度に影響を与える」
という話は実に納得。


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