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令和3年6月1日(第2658号)
ものすごーくゆっくり、弾いてみてください
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2305字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
また夕方からキックボクシングジム。
夜からは、オンラインツールを活用した
システムコーチングの勉強会でした。
*
さて、早速ですが本日のお話です。
また、習っているピアノネタでございます
隙間時間に1日15分ぐらい練習しています。
その時に思い出すのが、2週間に書いている
ピアノの先生の言葉です。
その言葉を、昨日ピアノを弾きながら
ふと思い出しました。
今日はその話と、
そこからの学びと気づきについて
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【ものすごーくゆっくり、弾いてみてください】
それでは、どうぞ。
■大した腕前ではない私のピアノ。
一番長く弾いている
未完の曲があります。
それが『幻想即興曲』という曲。
それなりに難しい曲ですが
ずっと弾いていると
一応譜面に従って鍵盤を押すことが
できるようにはなるもの。
前に、メルマガで
「漁師 ラ・カンパネラ」の動画を見て、ピアノを衝動買いした話
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/9549/
書きましたが、
50歳の漁師が、ラ・カンパネラという
超絶難しい曲を弾いた話が話題になりました。
この話は想像を越えていますが
「同じ曲を8年弾き続けた」ことで
偉業を成し遂げた素晴らしい事例です。
比較するのも恐縮ですが、
人間、同じ曲を何回も弾けば
弾けるようになる、というお話。
■しかしながら、です。
ピアノのレッスンをスタートしてから、
先生に見てもらう機会がありました。
すると、
”音がずれている、あるいは
揃っていけないところが揃っている”、
と言うことで優しいダメ出し。
「まだまだ改善の余地がありまくり」
とわかり、
それからというもの
一番始めの小節から、
初心に戻ってやり直しています。
実に、地味で地道。
■そんな中、直近のレッスンで、
先生にこんなことを言われました。
「ものすごーーく、
ゆっくり弾くことできますか?」
言われた通り、
ものすごーくゆっくり弾こうとします。
、、、あれ?弾けない。
「あれ、あれ、、、
早く弾くと指が覚えてできますけど、
ゆっくり弾こうとすると
全然できなくなりますね(汗)」
そして先生。
「ゆっくり弾く、ができないと
先に進みませんよー(笑)」
先生はさらりと言いました。
、、が、その言葉がずっと残り、
それからゆっくり、
極めてゆっくり弾く練習を行っています。
■そんな練習の中、
はたと気づくことがありました。
それは、
「ゆっくり弾く」
事とは、言い換えるなら、
『「弾くというプロセス」を
丁寧に”言葉にする”ことだ』
という気づきでした。
どういうことか、というと、
例えばこんな感じ。
ゆっくり弾くと、
「この音の次には、
これくらいの間をおいて
左手の次の音を弾くんだ」
とか
「小説の前半部分はよいけど、
後半部分の左手は速くなりがちだ」
とか
「全部粒が揃っていると思いきや、
真ん中の2つの音が転びがちになる」
とか、
「ゆっくり弾く」ことで
”粗”が見えてくるのです。
ゆっくり弾くと
”粗”が言語化・見える化するのです。
そうすれば、改めて
言葉して丁寧に改善することもできる。
そんな気づきです。
■こんな名言があります。
『6歳の子供に説明できなければ、
理解したとは言えない。』
(アインシュタイン)
ぼやっと全体としては
できているように見える。
でも細かく見ると、
丁寧に見るとできていない。
それは
「ゆっくり、解像度高く
見ていないから」
なのです。
「何ができていて
何ができていなくて、
どうすれば、上手くできるのか?」
これをシンプルな言葉で
説明ができるか、できないか。
ここに熟達のヒントがあるのです。
■もちろん、言葉で説明が
難しいこともあります。
抽象度が高く、
概念と概念、理論と理論を行き来する
複雑な話は言葉にするのは極めて難しい。
しかしながら、
「ピアノの一小節の弾き方のポイントを
言葉で説明する」
くらいは誰でも努力すればできる。
それができないということは、
まだまだ深堀りが足りない、
ということです。
■そして、これは
他のことにも同じことが言えます。
「仕事のプロセス」
なんか、まさにそう。
*
例えば、「営業」。
「自分がどのように
新規獲得から、関係構築、
そして受注までつなげているか」
というプロセスを、
言葉にできるか、できないか。
・新規アポイント獲得のポイント
・初訪問のときのポイント
・関係を深める際のポイント
・提案時のポイント
を明確に言葉にできるか?
出来ていれば、それは
「再現性の高い勝ちパターン」
が自分に落とし込まれている
と言えますし、
言葉にできていなければ、
再現性がまだまだ低く、
まだまだ感覚に頼っている状況である
と言えるでしょう。
スランプ等で自分がうまくいかないときに
元に戻すことが難しくなるともいえます。
■かのイチローは
「僕は天才ではありません。
なぜかというと自分が、
どうしてヒットを打てるかを説明できるからです。」
イチロー(鈴木一朗)
といいました。
「自分はなぜ、
この球が打てるのか説明できる」
それは、努力の積み重ねと
弛まない試行錯誤と振り返りの証左です。
ある分野で熟達していく事は、
自分が”意識して”
行動に移せることの多さ、
ではないか、思います。
そしてそれは、
試行錯誤と振り返りの
愚直な一歩一歩の
積み重ねに他なりません。
■試行錯誤と振り返りを重ね、
「どうしたら
より上手くいくのか」
を思考し、
言葉でタグ付けをし、
意識して行動できるようにする。
冒頭のピアノの話から
だいぶ話が広がりましたが、
「ゆっくり弾く」ことによって
『「弾くというプロセス」を
丁寧に”言葉にする”こと』
という気付きから、
気づきを得た次第です。
意識し、言葉にする。
そして再現可能性を高め、
自分のレベルを上げていく。
そんなプロセスを大切にしていきたい、
そのように思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
進歩とは反省の厳しさに正比例する。
本田宗一郎(HONDA創業者/1906-1991)
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【編集後記】
人づくりと組織づくりも、
実に言葉にするのが難しいですが、
これを言語化する道をひたすら歩みたいと思います。
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