配信日時 2021/05/18 09:40

”先生を教育する本”から学ぶ、オトナの学び方(=経験学習)の効果的な技法【カレッジサプリ】

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令和3年5月18日(第2645号)


”先生を教育する本”から学ぶ、オトナの学び方(=経験学習)の効果的な技法  


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2215字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、3件アポイント。
並びにランチ会食など。



さて、早速ですが本日のお話です。

”大人の最強の学び方”が何か?

それは「経験学習」と言われます。

つまり、自分が経験することから
学びを得る、ということですね。
(そのまんまですけど)


※参考バックナンバー:経験学習モデル
 ↓↓
学習心理学から「王道の学び方」を学ぶ ー学習転移モデルと経験学習モデルー
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/9742/

「経験学習」による能力向上と、社会人歴はどんな関係があるのか
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/9814/


そんな「経験学習モデル」について、
もっとも理論的かつ詳細に語っている本が、


『教師教育学』

というオランダで書かれた
先生のための教育の本である、

と最近大学院で学びました。


私自身、まだ
勉強途中ではありますが、

「経験学習モデル」を回すための
”効果的な質問”があり

実際に自分でもやってみたところ
大いなる気づきがありました。


今日はこの話について皆様に
学びと気づきをご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう。


タイトルは


【”先生を教育する本”から学ぶ、オトナの学び方(=経験学習)の効果的な技法】


それでは、どうぞ。



■経験学習とは

といい、

具体的経験(物事を体験する)

内省的観察(自分自身を振り返る)

抽象的概念化(上手くいく・失敗するパターンなど抽象化する)

能動的実験(行動をする)

というサイクルで

学びを深めていく
大人の学習の仕方です。


”「知っている」と「している」は違う”

なんて、研修で言うことがありますが、

理論を「知っている」ことだけでは
つゆほども役に立ちません。

それを”持論”、すなわち
自分ごとにして使えるようにしないと

結局、実生活では役に立たない、
ということになります。



■ちなみに、このメルマガも私(紀藤)の

「経験学習」

を回す仕組みになっています。


私が日々経験した学びや
成功や失敗など、

・どんな出来事があったのか
・そこから何を学んだのか

それを

・言語化し持論化する

・メルマガのバックナンバーとして
 タグ付けして記憶にピンどめする
 
ことによって、

仮に同じ事象が起こったときに、
良い選択をとることができる、

という影響があります。


振り返り、
気づきを言葉にすることは
実にパワフルな影響がある、

と感じます。



■、、、とはいいつつ、具体的に、

どうやって「経験学習モデル」を
回すと効果的なのか?

ここも気になるところ。


”振り返る”と言っても、
ただただ日記を欠けばいいのか、

というと違う気もする。



これを説明した

”経験学習モデルを回す技法(=効果的な問い)”

が、開発されております。


それがこんな問い。

(以下引用です)
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<省察のための質問>

◯第1&5局面

1,何を達成したかったのですか?
2,特に何に注意したかったのですか?
3,何を試してみたかったのですか?


◯第2局面(振り返り)

4,具体的な出来事はどのようなものだったのですか?
 ー 何をしたかったのですか?
 ー 何をしたのですか?
 ー 何を思ったのですか?
 ー どう感じましたか?
 ー 生徒たちが何をしたくて、何をしていて、何を思い、
   何を感じていたと思いますか?

   
◯第3局面(本質的な気付き)

5,質問4のそれぞれの答えの相互の関係性はどうですか?
6,文脈/学校が全体としてどのような影響を当てていますか?
7,あなたにとって、それはどういう意味をもちますか?
8、問題は何でしょう?(または、ポジティブな発見はありましたか?)


◯第4局面(別の選択肢)

9,別の選択肢としてどのようなものが考えられますか?
 (発見を生かすための解決策や方法として考えられるものは?) 
10,それぞれの選択肢の利点と欠点は?
11,次回はどのようにしようと決心しましたか?


※『教師教育学:理論と実践をつなぐリアリスティック・アプローチ』
 F. コルトハーヘン (著),学文社,2012

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


■これが、

”「経験学習」のための技法”

とのこと。


ちなみに、前提として
「先生」のためのものとして作られているので
生徒や学校という表現があります。
 
これはクライアントや部下などに変えれば
そのまま使えるか、と思います。
 


■そして、ただこの問いを例えば

・営業のプレゼンを行う時
・コーチングを行う時
・部下との1on1を行う時

などの出来事に当てはめても
十分に機能する内容になっているかと存じます。



■やってみるとわかるのが、


「自分が、いかに一方向からしか
 振り返りができていないのか」

ことに気付かされると思います。

・自分はその時、何を感じていたのか?

もそうですし、

・目の前にいた相手が
 何を感じていたのか?考えていたのか?
 
なんて問いは、一人で考えてみても
なかなか浮かんでこない質問だったりします。



■ただ、今回のご紹介したような

「経験学習の技法」

を広げて行うことによって

いろんな角度から
視点が拡がることになり、

自分が見えてなかったものが
見えてくる感覚が得られるはずです。


、、、ということで、
ぜひ皆様もよかったら

この「経験学習モデル」、
使ってみていただければと。


人事教育に関わる方は、
これをもとに研修の振り返りなどをやってみると
面白いかもしれませんね。


ご参考になれば幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。


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<本日の名言>

人間は一生に一度きりではなく、
一日ごとに気持ちを改めていかなければならないのです。

フローレンス・ナイチンゲール(イギリスの看護婦/看護教育学者/1820-1910)

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【編集後記】
ちょっと面倒臭さもありますけど、
とはいってもやってみると気づきになります。

とくに「その時相手は何を考えていたのか?」などは
うわー、自分のことしか考えてなかったー、

と思わされます。


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