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令和3年4月26日(第2623号)
「エリクソンの8つの発達段階」から、人生のテーマを考える(前編)
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3154字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
さて、最近大学院関連で
「エリクソンの発達心理学」
を読んでおります。
エリクソンさんが書いた論文。
これまた理解がしづらく、読むたびに
眠りの魔法をかけられたようになりますが(汗)
とはいいつつ、読み進めてみると
やはり学びも多いものです。
ということで今日は、
「エリクソンの発達心理学」からの学びを
皆さまにご共有させていただければと思います。
それでは早速参りましょう!
タイトルは、
【「エリクソンの8つの発達段階」から、人生のテーマを考える(前編)】
それでは、どうぞ。
■エリクソン。
Wikipediaによると
こんな人物だそうです。
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エリク・ホーンブルガー・エリクソン
(1902年6月15日 - 1994年5月12日)は、
アメリカ合衆国の発達心理学者で、精神分析家。
「アイデンティティ」の概念、
エリクソンの心理社会的発達理論を提唱し、
米国で最も影響力のあった精神分析家の一人とされる。
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知る人ぞ知る、
心理学会の有名人です。
「アイデンティティ」という言葉は、
皆さまも馴染みがあるかと思いますが、
この概念を提唱した偉い方(?)
なのですね。
■さて、このエリクソンによると、
私達は生まれてから死ぬまでに
「8つの発達段階のステップを踏む」
と言われています。
そして、その全体像を、
「8つの発達段階」に分けて理解することで、
・赤ちゃん~幼児
・小学生
・高校生
・新入社員
・ミドル層
・シニア層
など、自分を含めて、
関わるそれぞれの人達のステージを尊重し、
適切な関わりをする上で
役に立つフレームだな、、、
と思ったのでした。
、、、ということで、
この「8つの発達段階」を
皆さまにご紹介したいと思います。
■ちなみに「8つの発達段階」にまつわる
エリクソンの基本的な考え方とは
1,人間の生涯は8つの段階に分かれる。
2,各段階で「危機」が発生する。
3,「危機」を上手に克服できれば、健康的に生きられる。
できなければ挫折を感じ、希望を失ったりする。
というものです。
では、どんな8つの発達段階があるのか。
早速見てまいりましょう。
(長くなるので、本日は
前半の4つだけとします)
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<<エリクソンの「8つの発達段階」(前半)>>
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【段階1:乳児期(0-1歳半)】
「テーマ: 基本的信頼 対 不信(trust vs. mistrust)」
*
基本的な信頼感を得られるかどうか。
望み通りに愛されること
母親との一体感を経験することが
この時期のテーマになります。
その体験を通じて、
”外の世界への信頼感”、そして
”自分への信頼感”を育むことができます。
失敗すると「誰からも助けてもらえない」という世界観に、、、。
不信感がベースになってしまうのが、
この時期の”危機”ですね。
、、、とすると小さい頃は、
「赤ちゃんの望みにできるだけ答えてあげる」
のが大事であるそうです。
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【段階2:幼児前期(1歳半~3歳)】
「テーマ: 自律性 対 恥・疑惑(autonomy vs. shame)」
*
いわゆる、イヤイヤ期。
ここでいう自律性(autonomy)とは、
「他人にコントロールされるなく行動し決定する能力」のこと。
・自分の足で立つこと、
・自分の意志と選択で移動すること、
そして、それまではほぼ一体に近かった母親との
身体的・精神的な分離を経験することなどを意味します。
ちなみに、”排泄にまつわる筋肉のコントロール”も
自律性に含まれますが、
筋肉や肛門の不能感(おもらしとか)や
自制心の喪失感、
親から過剰にコントロールされている感覚から、
「恥」と「疑惑」の感覚が生まれるのが
この時期の”危機”なのですね。
、、、たしかに、一番古い私の記憶は、
保育園の年少さんのときに、
「うんこ漏らして恥ずかしかった」でした。
恥の記憶ですね。
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【段階3:遊戯期(3歳~5歳)】
「テーマ: 自発性・積極性 対 罪悪感(initiative vs. guilt)」
*
幼稚園、保育園時期です。。
自発性(initiative)とは、
「誰かからすべきことを指示されずに、
自分で決めて行動する能力」
を意味し、それがこの時期のテーマになります。
他の人に対して、また
未知の世界・領域に積極的に足を踏み入れること、
自分の能力や「したい」という意志を、
ごっこ遊び、空想、手伝い仕事などに結びつけていきます。
(そして
「自分が主導権を取りたい」というニュアンスもあるので
段階2の自律より、一歩進んでいます)
*
同時に、好奇心のまま行動すると
親や周りに怒られたりします。
これが
「間違った行動をやってしまったと
気づいた時に生じる惨めな感情」
が「罪悪感(guilt)」です。
「あれもダメ、これもダメ」と言われ続け、
自発性より罪悪感が勝ってしまうと、
この時期の”危機”になってしまいます。
同時に「この罰せられるかも…」罪の意識により
個人の道徳観が育つそうで、放任もいけないけど、
でも、自発性を大事にしてあげるのが
この時期のポイントになるのでしょうね。
ごっこ遊びや、泥団子作る、基地を作るなど
色々やっていた記憶が私も(きっと皆様も)ありますよね。
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【段階4:学童期(5歳~12歳)】
「テーマ: 勤勉性(完成) 対 劣等感(industry vs. inferiority)」
*
学童期、小学生くらいの時期。
テーマは”勤勉性”とのこと。
エリクソンいわく、”勤勉性”とは、
「物事を作ることができ、しかも上手に作ることができ、
完璧に作ることさえできるという感覚」
で、
「絶え間なく注意を傾け、
目的を貫くまで勤勉に努力することを通じて
子供は仕事を完成させる喜びを味わう」
とのことです。
なんだか、ハードル高すぎやしないか??
とも思いもしますが、例えば、
・宿題のドリルを最後までやりとげる
・おつかい(お仕事)を自分の手でやりとげる
・レゴブロックの基地を作りきる
みたいなことでしょう。
そうやって「頑張ればできる!」を
いかに獲得していくか。。。
これが能力感(自己効力感)にもつながる
大切な時期と言えそうです。
、、、ちなみに、私も
小学校2年生(7歳)のとき、
「たんぽぽについて」の作文を
原稿用紙20枚、ひたすらに書いていた
記憶があります。
内容は稚拙極まりないし、
そもそもたんぽぽについて
何をそんなに書くんだという話ですが(汗)
「大量に書く」という行為そのものが
幼少期の私の「完成するまでやり遂げること」の象徴であり、
勤勉性を獲得しようとする、
試みであったように思います。
※後半段階5~8は明日に続けます
※参考:『アイデンティティとライフサイクル』
エリク・H・エリクソン 著/西平直・中島由恵 訳)
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ここまでが12歳の前半までになります。
■ただ改めて思うのが、
「エリクソンの発達段階」もしかり、
このような一つの
『参照枠』
を知っておくことで、
・自分がどのステージなのか
もそうですし、
・(特に子育てに代表されるように)
世代の違う相手のステージを尊重できる
ように思うのです。
■今、我が家でも、
生後3ヶ月の子供がおりますが、
おっぱいを飲んで、
寝て、泣いて、を繰り返す日々。
その行為を見ている傍らで
「うむ、今は『基本的信頼(段階1)』を
獲得することがテーマだもんね」
と理解していると、
よし存分に愛情を注ごう、
と確信を持って思えたりする
(ような気がします)
■エリクソンの発達段階、実に興味深いです。
、、、ということで、後半の
特にメルマガ読者の皆様に関わる
青年期から老年期にかけては
明日に続けたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
われわれは、長く生きるほどに、
何とわずかなことしか知らないのか、と教えられる。
成長して年を重ねるということは
面白い冒険であり、驚きにみちている。
エリク・ホーンブルガー・エリクソン Erik Homburger Erikson
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【編集後記】
今日もいい天気。
色々と世の中の動きが気になるところですが、
心は常に「晴れ」でいたいと思います。
<皆様の、ご感想お待ちしています!>
ぜひ、率直なご意見など、
皆さまのご感想、ぜひお聞かせください。
皆様の言葉が、力になります。
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