配信日時 2021/04/22 09:03

「イケてない7つのタイプの論文」から学ぶ、説得力のある伝え方【カレッジサプリ】

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令和3年4月22日(第2619号)


「イケてない7つのタイプの論文」から学ぶ、説得力のある伝え方


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  3058字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。

ならびにコーチ仲間と
ランチ(もんじゃ焼き)でした。



さて、本日のお話です。

私事ですが、

大学院が始まり、生活や自分の思考にも
変化を感じています。

大きな変化は、
”学ぶ内容と深さ”かもしれません。

今日はその中で出会った一つの学びについて、
皆様にご共有させて頂ければと思います。

それでは早速まいりましょう!


タイトルは、



【「イケてない7つのタイプの論文」から学ぶ、説得力のある伝え方】



それでは、どうぞ。



■4月から大学院に入りました。

私は全くアカデミックな人間ではなく、

情熱70%:情報30%

くらいの比率で、

思い&勢いを芸風に
お仕事をしてきた傾向がございます。

(いいか悪いかはおいておいて)



■ただ、環境が変わると
人もやり方が変わるもの。

思い&勢いだけでは、そろそろ
通用しなくなってきているようです(汗)


大学院の仲間たちと話をしていると
皆、論理的で知的。

話す内容も、
データや論文を元に調べた
根拠ある話であったりして、


「ああ、自分って
 かなり感覚的・部分的な情報で
 これまで話をしていたんだなあ」


と反省させられている今日この頃。


■そして、それに関連して、

「読む本が変わった」

こともあります。

読みやすいキャッチーな本だけではなく
論文なども目を通すようになりました。


教授始め、

「せっかく大学院生なんだから
 「入門」じゃないやつ読もうよ」

というお勧めがあり、

これまでは絶対に手に取ることが
なかったであろう本を読み始めています。



■例えば、最近買った本。


『質的データ分析法』とか、

『MーGTA 実践の理論化をめざす質的研究方法論』とか

『教師教育学 理論と実践をつなぐリアリスティック・アプローチ』 

などなど。


タイトルを見ていても
全くワクワクしてこない(汗)

しかも高いし。
一冊3,000円(涙)


でも、

大事というから大事なんだろう!
食わず嫌いはいけない!

ということで購入し、

泣く泣く(色んな意味で)
読み始めました。



■ただ、面白いものです。

これらの本も、読んでいく中で

「確かに、その通りだなあ、、、」
「うーん、勉強になる」

と感じることがままあり、
刺激になっております。



例えば、先日読み始めた


『質的データ分析法―原理・方法・実践』
 佐藤 郁哉(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4788510952/ref=cm_sw_r_tw_dp_T3BD227D7B27QS48NZ2B


なる本があります。


めちゃくちゃ教科書的タイトルで
読む前から心折られそうでしたが、
見てみると、意外と面白い。


研修などで
関連する人事方も少なくないと思うので、
少しだけご紹介します。



■まず、

「調査」なるものには
2種類あります。

1つが

・質的データ= 文字テキスト
 (インタビュー/日記・日誌など)

もう1つが、

・量的データ= 数値
 (サーベイデータ/企業の財務諸表など)

です。


研修のアンケートでも

「フリーコメント(自由に答えて下さい)」=質的データ

「内容は満足でしたか?(1~5で回答)」=量的データ

という違いですね。



■当たり前ですが、物事は必ずしも
「数字」で図れるものばかりではない。

それは、フリーコメントに書かれた
「文字情報」から見えてくることも
当然ながらあります。


例えば、「満足じゃない(評価2)」と
書かれていても、

その背景にある”意味”は
一つに特定できるものではありません。

数字の奥にある
「文字にふくまれた意味」にこそ
価値があることも、ままあるわけです。



■では、その

”「文字情報」をどのように読み解くのか”

を考える際に、


・『質的データ分析法』なるものが役に立つ、

・じゃあ、どうやったらいいのさ?


という話が語られているのでした。



■そしてこの本に、
「これは役に立つな」と感じる情報がありました。


ちなみに著者は、

多くの論文や書評などの詳しく読み、
そして評価する立場であった大学教授。

そんな著者が、


<イケてない7つのタイプの論文の特徴はなにか?>


について言及していました。


そしてその内容は、
普段の我々の仕事にも大いに役立つと感じたのでした。


例えば、

・説得力のある資料作り

・バランスの良い視点を持つ

・隙のない意見の主張

などに効果がありそうです。



■ということで以下、
簡単にまとめてみました。


※私(紀藤)の言葉で翻訳しているので
 詳しくは原著をお読みください

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<イケてない7つのタイプの論文や著作>


1,「あなたの感想ですよね?」(=読書感想文タイプ)

  自分の印象や感想が中心である。


2,「都合がいいところだけ引用してません?」(=ご都合主義引用型)

  自分の主張に当てはまる証言だけ断片的に集めている。
 
 
3,「流行りのキーワードばかり使ってません?」(=キーワード偏重型)

  よく言われる言葉を並べるけど、薄い内容である。
 

4,「モデル図書いてるけど、それホント?」(=要因関連図型)

  わかりやすく全体像を示すが、その繋がりに説得力がない。
  

5、「丁寧なのはいいんだけどさ、、、要はなに?」(=ディティール偏重型)

  詳しく言い過ぎて、全体像がわかりづらい。
 

6,「あなたの解説が聞きたいんだけど、、、」(=引用過多型)
 
  「生」の引用が多すぎて、わかりづらい。
   それを踏まえたあなたの解説が聞きたいんですけど。。。


7,「ちょっとアピールしすぎじゃないっすか?」(=自己主張型)

  著者の体験談や主観的体験が前に出過ぎている。
  研究対象の姿が見えてこない。


※参考『質的データ分析法―原理・方法・実践』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



■上記を参考に、

我々の日常生活に当てはめてみると


「1、読書感想文型」であれば、

ワイドショーの芸能人コメントは
こういうの多い気がしますし


「2,ご都合主義引用型」であれば

メディアや雑誌(大衆向け週刊誌)は
そんな視点で編集されていることも
少なくないと感じます。


あるいは、

「3,キーワード偏重型」であれば、

とにかく”関係性の質”が大事だ!”
”エンゲージメントこそ重要だ!”の一点張りで、
前後の文脈が考慮されていない、とか。



このメルマガを
自戒を込めて振り返ってみると

「7,自己主張型」

で私の体験によっている傾向が
強い感じがしますね(苦笑)



■もちろん、著書においては、

「もし正式な論文として発表をするのであれば
 ”最終完成物”としては抑えたほうがよい」

といっています。
 
ゆえに

別に全部抑えないとダメ、
という話ではありません。


ただ、

”偏っておらず、バランスがあり
 説得力がある主張”

には上記の7つの項目は
含まれているように感じることも事実。



■ゆえに、上記の”参照枠(視点)”を持つことで


「自分が発信されている
 その情報を信頼してよいか?」

という

”情報の信頼性のフィルター”

の観点が自らの中に生まれますし、


あるいは自分自身で、

記述でなにかを書くときでも、
あるいは口述で主張するときでも

「ああ、自分の話には、
 この視点がまだ足りていないな」
 
と、

”論理的な発信のフィルター”

を持ち、自らを冷静に見つめる、
一つの指針にもなるかと思います。



■一冊の本、
特に専門書というのは

とっつきづらくて、
読みづらいイメージもあります。

でも、しかと読んでみると、


”専門家である当人が全身全霊をかけて
 己の中にある知見・経験を詰め込んだもの”
 

であるのだ、と感じます。

時間はかかるし、
タイトルも面白くないけれど(苦笑)

可能な範囲でしっかりじっくり
対話をするように読み進めることで

学ぶことも多いのだろうな、

そんなことも思った次第です。


学ぶこと、まだまだたくさんあるなと思う
今日この頃です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
独創力とは、思慮深い模倣以外の何ものでもない。

ヴォルテール(フランスの作家/1694-1778)

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【編集後記】
一昨日のボクシングクラスの夜の追い込みで
前進が筋肉痛になっています。

1日遅れでやってくるのが
年輪を重ねたことを感じます(汗)


<皆様の、ご感想お待ちしています!>
ぜひ、率直なご意見など、
皆さまのご感想、ぜひお聞かせください。
皆様の言葉が、力になります。
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