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令和3年4月9日(第2606号)
成果をあげるチームを作るコツ~「もうこの方向でいいじゃね病」に気をつける~
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3034文字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、新入社員研修の実施。
ならびに研修の企画作成。
夕方から大学院の
打ち合わせ1件でした。
*
さて本日のお話です。
私事でございますが
4月に入り、大学院が始まりました。
そして大学院の
”ウェルカムプロジェクト”なるものが
早速始まっているのですが、
その学びのプロセスを通じて
色々と気付きが起こっております。
ということで、今日は
大学院のプロジェクトと
そこにまつわる学びと気づきを
皆さまにご共有させて頂ければと思います。
タイトルは、
【成果をあげるチームを作るコツ~「もうこの方向でいいじゃね病」に気をつける~】
それでは、どうぞ。
■今月から通い始めた
立教大学大学院 経営学専攻
リーダーシップ開発コース。
経営学専攻に分類されるものの、
通常のMBAとは違うようです。
(MBA行ったことないので
わかりませんけれど(汗))
実際にプロジェクトを立ち上る。
チームごとにワークショップを作る、
そして実施する。
皆で、振り返り
フィードバックをする。
ケースを学ぶ、理論を学ぶだけではなく、
実践をし続ける、
という意味でMBAと
(どちらが良いではなく)違っているんだとか。
■実際に参加してみて、
実に濃ゆそうな雰囲気が
すでに漂っており、大変そうだけども
実にワクワクしております。
同期のメンバーも、
人と組織に興味がある人なので
皆、いい人ですし。
■さて、そんな大学院。
4/3の入学式の夕方から、
初めてプロジェクトが始まり、
チームメンバー5名が決まりました。
我々のチームのテーマは
”高校生にリーダーシップを学んでもらう”
というお題。
そしてこのテーマについて、
・課題やゴールをどのように設定するか?
・いつまでに何をするのか?
・スケジュールは?
・役割どうする?
などなど、
自分たちで決めながら進めます。
当然、大学院生は社会人が中心なので
仕事を含め、様々な役割を持っています。
ゆえに無制限に、いつでもどこでも
ディスカッションするわけにもいきません。
限られた時間、
迫りくる締切。
その中で前に進めるのは
それなりに大変です。
■このような状況は
”私たちの日々の仕事”
と極めて似ています。
仕事とは、
・アウトプットとしての「品質」
・いつまでにやるのかという「締切」
が設けられているものを
”仕事”と呼ぶ、
なんてことを
聞いたことがありますが
実際、そうなのでしょう。
ゆえに、何か仕事でも大学院でも
プロジェクトが立ち上がった瞬間、
「前へ、前へ!」
「早く進ませよう」
という圧力が発生します。
■そうすると、
その圧力に負けて(?)
しばしばある事象が発生すると感じます。
勝手にネーミングすると、
『もうこの方向でいいんじゃね病』
みたいなもの。
早く決めたい、前へ進めたい。
だから、
「声が大きい人がいるから
そこに従った方が効率的だな」
「ディスカッションするのもう疲れたから
まあ、この方向でいいや」
「本当は別のアイデアがあるけど
まとまりつつあるから言わないでおこう」
となって
「まあ、この方向でいいんじゃね?」
と話が進む。
■でも本当は納得していない、
自分の意見を正直に言っていない。
そうして、全員が納得、
腹落ちしていない中で
「この方向でいいんじゃね」
(実際、よくわかんないけど)
で進んでいくと(嫌な意味で)
後々ホディブローのように聞いてくるのです。
話が進んで、個別にタスクが割り振られたり
現実的に自分の時間がとられ始めた時に、
問題が表出してくるのです。
「いや、本当は納得してなかったんだよね」
「そもそもやり方に疑問があるんだけど」
「これ本当に意味あるの?」
、、、みたいな発言が出たり。
そんな露骨な言い方はせずとも、
暗にそんな想いが場に渦巻いていたり。
■つまり、関わる参加者全員が
初期段階にしっかり議論し、
コミットしていないと、
結局進むにつれボロが出てくる、
という話。
、、、ちなみに、
こんなデータがあります。
チームが「課題解決型プロジェクト」に
取り組む際に、
”「解くべき課題をどれくらい議論したか?」の濃淡が、
「アウトプットの質」と「関係性の質」に、
どれくらい影響を与えたのか?”
という調査データです。
結果は以下の通り。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◯「全員が納得するまで議論して決定した」
★アウトウットの質 .367**(正の関連あり)
★関係性の質 .513**(正の関連あり)
◯「ほとんど議論せずに決定し、
その後も特に修正することはなかった」
・アウトウットの質 ー.266
・関係性の質 ー0.126
◯「一度チームで決めた課題の方向性を見直すことは
面倒だと感じ、やり過ごしている」
・アウトウットの質 ー.302
・関係性の質 ー0.194
(引用:中原淳,田中聡.『チームワーキングーケースとデータで学ぶ「最強チーム」の作り方』(2021).
日本能率協会マネジメントセンタ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とのこと。
つまり、
【解くべき課題を十分に議論することが、
アウトプットや関係性の質にプラスの影響を与える】
ことがデータとしてもわかりました。
■ちなみに、
上記書籍の中では、チームで
「解くべき課題」を設定するために、
以下の指針を示しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<「解くべき課題」を設定する3ステップ>
1,まず「問題」が何かを正しく定義し(問題の再定義)、
2,次にその問題を構成している「課題」を洗い出し
(課題の洗い出し)、
3,いくつかある課題の中で、
解く必要のある課題を特定する(解くべき課題の設定)
(引用:中原淳,田中聡.『チームワーキングーケースとデータで学ぶ「最強チーム」の作り方』(2021).
日本能率協会マネジメントセンタ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とのこと。
うーん、当たり前だけど
めちゃくちゃ大事な内容ですね。
「時間がないから!」
「効率大事だから!」
「サクッといっときましょ!」
と、効率性だけを重視しても、
その間の”プロセス”を大切にしなければ、
結果的にゴールへの足取りは
遅くなってしまうのもの。
タスクには効率性を、
人には効果性を、
なんていいますが、
チームづくりについてはまさに、
”急がば回れ”なのです。
■そして同時に思うことがあります。
私が今回大学院の仲間と
プロジェクトを進める中で思ったこと。
それは
”【解くべき課題を十分に話し合うことの重要性】を
お互いが理解をしていると進め方が変わる”
ということ。
■今回のプロジェクトの大学院の仲間は、
受験をして人や組織についての
知見を一定以上持っている人たちです。
ゆえに、普段関わる人以上に、
「皆が納得して進めることが大事」
「一人ひとりが思っていることを
きちんと伝える事が大事」
という前提を、
理論的背景や
データも含めて理解をしている、
と私は感じています。
結果だけではなく、
”チームが機能するプロセス”
にも皆が目を向けている。
そうすると、なんとなく
集まって話をするよりも、
実りがあるディスカッションになる、
と思うのです。
■チームを機能させるために、
たくさんの理論や考え方が
明らかになってきています。
それらのことを学ぶ価値とは、
「より良いチームを
意図して作ることができる」
ことに相違ありません。
今回の、
【解くべき課題を十分に話し合うことが、
成果を出す良いチーム作りのために大事】
という知見を含めて、
改めて学びとは役に立つものだな、
そんなことを
しみじみ思った次第です。
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<本日の名言>
相手を黙らせたからといって
相手の意見を変えたわけではない。
バーナード・ショー(劇作家)
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【編集後記】
大学院のプロセスも、
これからも色んな気付きがありそうですが
後悔なきよう真剣かつ楽しんで進めたいと思います。
<皆様の、ご感想お待ちしています!>
ぜひ、率直なご意見など、
皆さまのご感想、ぜひお聞かせください。
皆様の言葉が、力になります。
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