配信日時 2021/04/09 12:23

成果をあげるチームを作るコツ~「もうこの方向でいいじゃね病」に気をつける~【カレッジサプリ】

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令和3年4月9日(第2606号)


成果をあげるチームを作るコツ~「もうこの方向でいいじゃね病」に気をつける~ 


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3034文字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は、新入社員研修の実施。
ならびに研修の企画作成。

夕方から大学院の
打ち合わせ1件でした。



さて本日のお話です。

私事でございますが
4月に入り、大学院が始まりました。

そして大学院の
”ウェルカムプロジェクト”なるものが
早速始まっているのですが、

その学びのプロセスを通じて
色々と気付きが起こっております。


ということで、今日は

大学院のプロジェクトと
そこにまつわる学びと気づきを
皆さまにご共有させて頂ければと思います。



タイトルは、


【成果をあげるチームを作るコツ~「もうこの方向でいいじゃね病」に気をつける~】


それでは、どうぞ。




■今月から通い始めた

立教大学大学院 経営学専攻
リーダーシップ開発コース。

経営学専攻に分類されるものの、
通常のMBAとは違うようです。

(MBA行ったことないので
 わかりませんけれど(汗))


実際にプロジェクトを立ち上る。

チームごとにワークショップを作る、
そして実施する。

皆で、振り返り
フィードバックをする。


ケースを学ぶ、理論を学ぶだけではなく、
実践をし続ける、

という意味でMBAと
(どちらが良いではなく)違っているんだとか。



■実際に参加してみて、

実に濃ゆそうな雰囲気が
すでに漂っており、大変そうだけども

実にワクワクしております。


同期のメンバーも、
人と組織に興味がある人なので
皆、いい人ですし。

 
 

■さて、そんな大学院。

4/3の入学式の夕方から、

初めてプロジェクトが始まり、
チームメンバー5名が決まりました。


我々のチームのテーマは

”高校生にリーダーシップを学んでもらう”

というお題。


そしてこのテーマについて、

・課題やゴールをどのように設定するか?
・いつまでに何をするのか?
・スケジュールは?
・役割どうする?

などなど、
自分たちで決めながら進めます。


当然、大学院生は社会人が中心なので
仕事を含め、様々な役割を持っています。

ゆえに無制限に、いつでもどこでも
ディスカッションするわけにもいきません。

限られた時間、
迫りくる締切。

その中で前に進めるのは
それなりに大変です。



■このような状況は

”私たちの日々の仕事”

と極めて似ています。


仕事とは、

・アウトプットとしての「品質」
・いつまでにやるのかという「締切」

が設けられているものを
”仕事”と呼ぶ、

なんてことを
聞いたことがありますが
実際、そうなのでしょう。


ゆえに、何か仕事でも大学院でも
プロジェクトが立ち上がった瞬間、

「前へ、前へ!」
「早く進ませよう」

という圧力が発生します。



■そうすると、

その圧力に負けて(?)
しばしばある事象が発生すると感じます。


勝手にネーミングすると、


『もうこの方向でいいんじゃね病』


みたいなもの。


早く決めたい、前へ進めたい。

だから、


「声が大きい人がいるから
 そこに従った方が効率的だな」

「ディスカッションするのもう疲れたから
 まあ、この方向でいいや」
 
「本当は別のアイデアがあるけど
 まとまりつつあるから言わないでおこう」
 
となって

「まあ、この方向でいいんじゃね?」

と話が進む。



■でも本当は納得していない、
自分の意見を正直に言っていない。

そうして、全員が納得、
腹落ちしていない中で


「この方向でいいんじゃね」
(実際、よくわかんないけど)


で進んでいくと(嫌な意味で)
後々ホディブローのように聞いてくるのです。


話が進んで、個別にタスクが割り振られたり
現実的に自分の時間がとられ始めた時に、

問題が表出してくるのです。


「いや、本当は納得してなかったんだよね」

「そもそもやり方に疑問があるんだけど」

「これ本当に意味あるの?」


、、、みたいな発言が出たり。


そんな露骨な言い方はせずとも、
暗にそんな想いが場に渦巻いていたり。



■つまり、関わる参加者全員が

初期段階にしっかり議論し、
コミットしていないと、

結局進むにつれボロが出てくる、

という話。



、、、ちなみに、
こんなデータがあります。


チームが「課題解決型プロジェクト」に
取り組む際に、


”「解くべき課題をどれくらい議論したか?」の濃淡が、
 
 「アウトプットの質」と「関係性の質」に、
 
 どれくらい影響を与えたのか?”
 

という調査データです。


結果は以下の通り。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◯「全員が納得するまで議論して決定した」

  ★アウトウットの質 .367**(正の関連あり)
  ★関係性の質 .513**(正の関連あり)
 
 
◯「ほとんど議論せずに決定し、
  その後も特に修正することはなかった」
  
  ・アウトウットの質 ー.266
  ・関係性の質 ー0.126 


◯「一度チームで決めた課題の方向性を見直すことは
  面倒だと感じ、やり過ごしている」

  ・アウトウットの質 ー.302
  ・関係性の質 ー0.194 


(引用:中原淳,田中聡.『チームワーキングーケースとデータで学ぶ「最強チーム」の作り方』(2021).
    日本能率協会マネジメントセンタ)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。


つまり、


【解くべき課題を十分に議論することが、

 アウトプットや関係性の質にプラスの影響を与える】
 
 
ことがデータとしてもわかりました。



■ちなみに、

上記書籍の中では、チームで
「解くべき課題」を設定するために、

以下の指針を示しています。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<「解くべき課題」を設定する3ステップ>

1,まず「問題」が何かを正しく定義し(問題の再定義)、

2,次にその問題を構成している「課題」を洗い出し
 (課題の洗い出し)、
 
3,いくつかある課題の中で、
  解く必要のある課題を特定する(解くべき課題の設定)

(引用:中原淳,田中聡.『チームワーキングーケースとデータで学ぶ「最強チーム」の作り方』(2021).
    日本能率協会マネジメントセンタ)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  
とのこと。


うーん、当たり前だけど
めちゃくちゃ大事な内容ですね。


「時間がないから!」
「効率大事だから!」
「サクッといっときましょ!」

と、効率性だけを重視しても、

その間の”プロセス”を大切にしなければ、

結果的にゴールへの足取りは
遅くなってしまうのもの。



タスクには効率性を、
人には効果性を、

なんていいますが、

チームづくりについてはまさに、
”急がば回れ”なのです。



■そして同時に思うことがあります。

私が今回大学院の仲間と
プロジェクトを進める中で思ったこと。


それは


”【解くべき課題を十分に話し合うことの重要性】を
 お互いが理解をしていると進め方が変わる” 
 

ということ。



■今回のプロジェクトの大学院の仲間は、

受験をして人や組織についての
知見を一定以上持っている人たちです。

ゆえに、普段関わる人以上に、


「皆が納得して進めることが大事」

「一人ひとりが思っていることを
 きちんと伝える事が大事」
 
という前提を、

理論的背景や
データも含めて理解をしている、

と私は感じています。


結果だけではなく、

”チームが機能するプロセス”

にも皆が目を向けている。


そうすると、なんとなく
集まって話をするよりも、

実りがあるディスカッションになる、
と思うのです。




■チームを機能させるために、

たくさんの理論や考え方が
明らかになってきています。


それらのことを学ぶ価値とは、

「より良いチームを
 意図して作ることができる」

ことに相違ありません。


今回の、

【解くべき課題を十分に話し合うことが、
 成果を出す良いチーム作りのために大事】

という知見を含めて、

改めて学びとは役に立つものだな、

そんなことを
しみじみ思った次第です。

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<本日の名言>

相手を黙らせたからといって
相手の意見を変えたわけではない。

バーナード・ショー(劇作家)

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【編集後記】
大学院のプロセスも、
これからも色んな気付きがありそうですが
後悔なきよう真剣かつ楽しんで進めたいと思います。
 

<皆様の、ご感想お待ちしています!>
ぜひ、率直なご意見など、
皆さまのご感想、ぜひお聞かせください。
皆様の言葉が、力になります。
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