配信日時 2021/03/01 09:22

ピアノの体験レッスンを通じて思う「伝え方って大事」という話【カレッジサプリ】

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令和3年3月1日(第2567号)


ピアノの体験レッスンを通じて思う「伝え方って大事」という話 


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2254字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

さて、先日の話ですが、
「ピアノの体験レッスン」に
行ってまいりました。

小学生時代を含め
10年位(一応)やっていたのですが

6ヶ月前に電子ピアノを衝動買いしたことを
きっかけにピアノを再開しました。

そんな流れで
2種類のピアノ教室に
体験レッスンにいったのですが、

その際の先生の関わり方から
気づきと学びがありましたので、

皆さまにご共有させて
いただければと思います。


タイトルは、


【ピアノの体験レッスンを通じて思う「伝え方って大事」という話】


それではどうぞ。



■ピアノを再開して6ヶ月経ちます。

話題の「鬼滅の刃」の曲(炎)を
一人粛々と弾いておりましたが、

「やっぱり目標とかフィードバックがないと
 こりゃ上手くならんな」
 
と、先日ふと思いました。



■物事を上達させるには、

1)目標を掲げること

2)他者を介在させて
   次までに何をするかを決める
 
と仕組みを設けることが
極めて効果的でございます。

ここについては、
仕事もピアノも運動も、
なんでも一緒です。



■ということで
Googleで近所のピアノ教室を
いくつかピックアップして、
通ってみようと思いました。

1ヶ月に1度、30分くらいであれば、
特に仕事にも家庭にも影響はなさそうです。

そうして色々調べると
2つくらい候補が出てきました。



■1つ目は、近所に根ざした、
伝統的なピアノ教室。

よくありそうな(?)ピアノ教室です。


もう一つは、講師派遣型の
今どきなピアノ教室。

こちらは登録しているピアノの先生が
近所のピアノスタジオにやってきて
教えてくれる、というスタイルです。



■まず、前者の
近所にある大きめのピアノ教室に
いってみました。

レッスン時間は1時間。

そして、事務所に行き

「体験に来た紀藤です」

といって早速部屋に入ってみると、
そこにはちょっと派手目の女性の先生がいました。

(腕にいっぱい石を付けていて
 なんだか見た目が怖そうだな)

と思いました。


今日はよろしくおねがいします、
そう挨拶をすると、先生はこう言います。

「どうぞ。好きに弾いてみてください。
 楽譜、持って来られたと思いますので」



■大したことがない腕前であることは
わかりつつ、目の前のグランドピアノで
一通り弾いてみました。

そして先生はいいます。

「うーん、なんていうか、
 勢いでやってますよね」

「三連符とか音を揃えちゃいけないところが
 揃っちゃってたりとか」
 
「あと、P(ピアノ)のところが
 ff(フォルテッシモ)くらいになってたり」
 
「譜面通りきちんと弾くことが
 まずは大事ですかね」


などなど。

はい、おっしゃる通り。

ぐうの音も出ないほど
ご指摘の通りだったので、

「はは、そうですよね。
 わかりました」

と乾いたごまかし笑いと共に
答えました。



■そしてもう一度弾いてみましょう、
ということで弾いてみると、

「ほら、そこ!
 また指が上がっちゃってる」
 
と指摘がはいります。

しかし、クセはなかなか抜けない。

ゆえに、弾くと指摘される→萎縮するという
パブロフの犬的条件反射が、
わずか数回で構築されていきました。

30分で弾くことが億劫になってきました。
帰りたくなってきました(汗)



■確かに正論なのです。

ですが、心の中で感じた
このモヤッとした感じ。

言葉にするのであれば、


”「言い方」が率直すぎて凹む”
(& ちょっとくらい褒めてよ)


です。


指摘は確かにその通り。

そしてそこを直せば
確かに上達はするかもしれない。

ただ、そこには

”相手(私)が、
どう受け取るのかという視点が
おざなりになっている感じ”
 
が拭えないのでした。


ああ、「言い方って大事だな」。
としみじみ思いつつ、教室を後にしました。



■そして他方。

その後行った、
ピアノの先生派遣型の教室の
体験レッスンがありました。


レンタルスタジオに入ると、
グランドピアノのそばに、
スラリとした女性の先生(登録ピアノ講師)がいます。

同じように、グランドピアノを指して、

「どうぞ好きに弾いてみてください」

と促されました。


そして、また弾いてみると、
先生はまずこういいます。

「基本はちゃんとできてますね。
 、、、ちなみに、どうしていきたいですか?」
 
と聞かれました。

「もうちょっとカッコよく
 弾けるようになりたいですね」
 
と私。



■先生は答えます。

「であれば、一言でいうと
 ”歌ゴコロ”かもしれませんね」
 
「細かいタッチのミスとかは
 ゆっくり練習することですが
 
 やっぱり盛り上がるところ、
 そこに向けてどう流れを作るかが
 全体として大事だと思います」
 
「たとえば、こんな感じで、、、」
(とピアノを弾く)



■そして一通り話をしてみて、

前者の先生と、後者の先生、
基本的に言っていることの全体像は

どちらも同じような話でした。


ただし、私の感覚としては、

”「言い方がキツい」前者の先生では
 言葉を受け取れなかった”
 
あるいは、

”「また指摘されるんだろうな」という
 気持ちで弾くので楽しくない”
 
という主観的事実がありました。


後者の先生は、

”できているところは認めつつ、
「更に言うのであれば」という言い方であったので
 受け取ることができた”

という感覚を持ちました。


そして、

どちらか選べと言われれば、
迷わず後者の先生の方に自分は教わりたい、

と思ったのでした。



■この一連の体験を通じて思ったこと。

それは、


【「言い方」の大切さ】


です。

どちらの先生のスキルが高いか低いかは
わかりません。


ただ、先生のレベルがすごかろうが

”正論だとしても、
感情的にNGが出ると
受け取ることができなくなる”
 
ことを、痛感しました。

人は「正しいか正しくないか」だけで
ロボットのように判断して動くものではないのです。




■そして、この話は
お仕事にも通ずる内容です。


最近、クライアントの組織に置いて

”職場でもよく起こっている問題”

に実に近い、、、と思うのでした。


それは、部下からの
こんな話に代表されます。


「◯◯部長の話は、確かに正論です。
 でも”言い方”があると思うんですよ」
 
「あんな”言い方”されたら
 もう一度意見を言おうと思わなくなります」
 

、、、みたいな言葉。

つまり、

『「言い方」でコミュニケーションがすれ違う』
『「言い方」で信頼が育まれない』

というお話です。
 

■確かに正しいこと。

でも受け取れないなら
それは伝わることはありません。

正しいことも
伝わって、相手が受け止めて
初めて意味を持つのだと思います。


では、どうすればよいか。

その「伝える→伝わる」の肝は
何かというと


『「正論を言う」ではなく
 「相手がどう受け取るか」を重視すること』
 

であろうと思ったのでした。


■「伝えた」からといって、
「伝わった」とは限らない。

ゆえに、相手が受け取れる言葉で
相手が受け取れるような表現で、

相手に伝える事が大事なのだ、、、


そんなことを
ピアノの体験レッスンから
学んだだのでした。

ほんと、言い方って大事、
と改めて思った次第。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

人の心はパラシュートのようなものだ。
開かなければ使えない。

アレックス・オズボーン(米国の実業家/1888-1966)

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【編集後記】

久しぶりに昔ともに学びあった
私塾のメンバーと語りましたが、
大変刺激になりました。

日々命を燃やして生きていきたいものだ、
と改めて思った日曜日。

楽しみつつも、有意義な1日を
しかと過ごしていきたいと思います。



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