配信日時 2021/02/08 10:19

「研修転移」を促す代表的な2つのモデル  ~その1『転移プロセスモデル』~【カレッジサプリ】

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令和3年2月8日(第2546号)


「研修転移」を促す代表的な2つのモデル  ~その1『転移プロセスモデル』~ 


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1956字/読了時間2分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日日曜日は、ひたすら読書。
『組織行動』の本をまとめておりました。

その他ランニングや妻のお見舞いなど。



さて、早速ですが本日のお話です。

大学院受験も大詰めということで、
今日から人材開発をテーマに、皆さまに
ひたすら学びをご共有できればと思います。

今日のテーマは「学びを行動につなげる」です。

それでは早速まいりましょう!


タイトルは、


【「研修転移」を促す代表的な2つのモデル  ~その1『転移プロセスモデル』~】


それでは、どうぞ。



■あらゆる「学び」とは
「実践」が極めて重要です。


”研修で学んだだけ”でおしまい。

その後思い出すことも、実践することもなければ
現実が変化することはありません。


その”学び”が個人的な趣味や
自らの知的好奇心を満たすためなら

学んで忘れて、でも楽しい!を
繰り返すのも個人の自由ではありますが、

もし企業の研修などであればそうはいきません。
(「経営」のために会社はありますので)



■ゆえに、ある側面では

「学びは行動してこそ価値がある」

これはひとつの事実ではないか、
と思うわけです。


先程「個人の自由」ともいいいましたが、一方、

実際に研修やセミナーが好きで
色んなところに足を運ぶ、

でも実行しない、現実が変わらない、
が、セミナー費でお金がどんどん減っていく人を

我々の界隈では、

「学びんぼう」

と揶揄したりしますが、
やっぱりそれは望ましくないですね。

だからこそ、ぜひ
学びを行動に繋げたい!のです。



■ではどうすればよいのでしょうか?
そのために役立つものが

”「学びを行動に変える」ための研究結果と理論を知る”

ことかと思います。

このテーマを

『研修転移』

といい、人材開発の世界では、
一つの研究対象として扱われてきました。

(ちなみに「研修転移」とは

 ”研修で学んだことが、仕事の現場で一般化され、
  役立てられ、かつその効果が持続されること”(中原淳,2014)
  
 と定義されています)
 

そしてこの、
「研修転移を促進するモデル」として、
2つの代表的なモデルがある。

この内容が、たしかに大事!と
実に納得するものなのでした。


、、、ということで
今日明日でその2つのモデルを、
ぜひご紹介させていただきたいと思います。

(※参考書籍:中原淳.『研修転移の理論と実践』ダイヤモンド社,2018)



■まず1つ目のモデルです。

それがBaldwin&Ford(1988)による、

【転移プロセスモデル】 

です。


まず、研修のアウトプットとして

”『学習と保持』が大事”

といいました。

つまり、

・研修で学んだことを覚えているか?
・スキルとして使えているか?

これがないと始まらないよね、
ということですね。


その「学習と保持」があるからこそ、
それが仕事の場面で適用され(一般化)、
効果が持続すること(維持)される。

すなわち、

”『一般化と維持』に繋がる”

のです。

シンプルに表現すると、
研修のアウトプットとは、

”学んで覚えて(=学習と保持)、
 使い倒して自分のモノにする!(=一般化と維持)”

ということかと。



■では、それらの

『学習と保持』と『一般化と維持』を実現させるために
何が必要なのでしょうか?


それには、研修のインプットとして
「3つのの要素がある」とBaldwin&Fordさんはいいました。



■まず1つ目。

『1,受講者の特徴』

です。

これは受講者の「能力」「性格」「意欲」。

・学んだことを咀嚼し活用する「能力」があるか、

・分析的・理論的に学びたいと思う性格か、
 直感的・感情的な人が多い「性格」か、

・学びに対してイヤイヤか、
 前のめりに吸収する「意欲」があるのか、

これらの要素は学習効果に関わります。



■次に2つ目。

『2,研修設計』

です。

これは研修を構成する
「学習原理」「一連の流れ」「研修内容」です。


・受講者が講師に心理的距離の近さを感じているか、
 双方向で学習者が参加型で行っているか、

・研修全体の流れも知識とスキルを獲得できる
 内容やプロセスになっているだろうか。
 
これらも、影響してきます。



■そして3つ目。

『3,職場環境』

です。

これは「支援」「使用機会」です。

・上司や人事から学んだことを
 活用するための「支援」があるか。

・そして、実際にそれを活用する
 「使用機会」があるか。


これらの要素も、
「学習と保持」と「一般化と維持」に
やはり影響してくるわけです。



■、、、とつらつらと
書いてしまいました。

まとめると、以下のような話になります。

・【転移プロセスモデル】(Baldwin&Ford(1988))がある。

・人が学習を仕事の現場で行動し、
 結果につなげるための研修のアウトプットを
 「学習の保持」と「一般化と維持」とした。
  
・そのための研修のインプットの要素は以下3つ。
 「1,受講者の特徴」「2,研修設計」「3,職場環境」 である。


ということ。

うん、意外とシンプルですね。

わかりやすい!(多分)



■こういった理論を知ると、
大切なことが整理されて、応用もしやすくなります。

実践が大事ですが、
その実践を再現性高く行うためにも、
こうした理論は便利です。


ということで今日は
「学びを行動に変える研修転移モデル」

の代表的な2つのモデルのうちから
【転移プロセスモデル】

をご紹介させていただきました。



明日は2つ目のモデル、

【転移マトリクス】
(Broad&Newstorm,1992)

をご紹介したいと思います。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>

成果を上げる人と上げない人の差は、才能ではない。
いくつかの習慣的な姿勢と、基礎的な方法を
身に着けているかどうかの問題である。

ピーター・ドラッカー(オーストリアの経済学者/1909-2005)

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【編集後記】
大学院の入試まであと、11日。

知識のインプットはだいぶ完了したので、
総まとめの段階として過去問題を取り組んで見ました。

、、、が覚えていることをあるテーマで
編み直して言語化することは、結構ハードルが高いことに
気が付きました。これはあと10日、仕事の合間合間に
思考のトレーニングを行う必要がありそうです。

スキマ時間を有効活用しようと思います。


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